東京


私は東京生まれではあるけれど。
物心ついてから30代半ばまで、
大阪で暮らしていた。

しかし、私はいつかまた東京へ戻るんだと
いう確信めいた気持ちがあったようだ。

高校時代の友人も、なにかにつけて私が
東京へ行くんだと呟いていたことを
言っていた。

別に何か夢があったわけではない。
何かしたいことがあったわけでもない。

ただ、漠然と生まれた街である東京へ
戻って暮らすんだという願望というか、
確信というか、そんな思いがずっと
あったのだ。


そして・・・・・
30代半ばで夜のネオン街の仕事を辞め、
あれよあれよと色々なことが重なって、
私は東京へやってきた。

最初は親族の仕事を手伝い、その後散々な目に
遭い、ホームレス寸前にまでになるのだけれど、
なんとか小さな今にも倒れそうなアパートに
住むことになった。

その頃だった。
祥一郎と出逢ったのは。


今なら分かる。
私の心のどこかに、きっと東京へ行って
祥一郎と出逢うのだという
目的意識のようなものが、深層心理
にでもあったのだろう。

運命の人に出会うために、私の魂は
動いていたのだろう。

それは現実になった。

これは決められていたことだったのだと
今なら分かるのだ。

そうやって私と祥一郎は、繰り返し繰り返し
いつの人生でも出逢うことになっているのだ。

きっと来世でも。

なあ、祥一郎。

次はどんな出逢い方、どんな生活が待っているのかなあ。

きっと一緒に幸せに生きようね、祥一郎。


↓祥一郎の供養の為によろしくお願いします。
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