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ラストレター

2020-02-05 17:31:09 | 映画&ドラマにハマル!


【ラストレター】
久々に、映画館で、ちゃんと映画を見た!(高の原イオンシネマ)
岩井俊二監督作品。俳優陣が、大好きな人たちばかりなんで、足を運んだのだ。
https://last-letter-movie.jp/
高校時代の初恋の人、美咲を25年も、引きずる乙坂鏡史郎(福山雅治、オーラを消し、売れない作家を好演)が、その恋を回顧し、美咲に関わる人たちに、再び出会う物語に、手紙が、効果的に使われている。
ただ、一人2役とか、現在と過去が、錯綜するストーリー展開には、つっこみどころがありすぎるかな。映画というのは、その描かれない余白を、楽しむことかもしれない。

以下、ネタばれ含みます
一番画面に描かれていないのは、高校卒業後の美咲だ。
高校時代、一時期、乙坂鏡史郎とも付き合ったのだが、なぜかDV男の阿藤(豊川悦治が、強烈な印象を残す)と結婚し、一人娘、鮎美を残し自殺と、そのリアルライフは、相当に過酷なものだと想像するのだが、そこは、美咲の妹により、語られるだけで、一切描かれない。
描かれないからこそ、映画は、ロマンティックに成立しているともいえる。
(40歳頃に亡くなっているのに、遺影が若いころのままにしたのも、不自然だが、やつれていたであろう近影を出すと、映画がぶちこわしになるからだろうな)
娘の鮎美は(広瀬すず)は、母親と乙坂との関係を知っていたので、ひょんなことから、届いた乙坂からの手紙に、返事を出して、乙坂が現れるのを、内心、心待ちにしていた。

思いがけなく、乙坂が、鮎美を訪ねて来たとき、母の宝物だといって、乙坂に見せるのは、昔、乙坂が出したラブレターが詰まった箱。鮎美も、それを読んでいたからこそ、乙坂には、会いたかったのだ。

鮎美役の広瀬すずが、乙坂に対しても、距離の取り方が、絶妙で、母が、純粋に恋をしたことを、確認できて、彼女も、母の死の受け止めかたが、変わっただろう。
母が残した遺書は、乙坂と共同作業で書いた卒業生代表の原稿。それは、これからの鮎美へのエールに、きっとなる。美咲も、そう思ったからこそ、娘に、残したのだ。

夏のワンピース姿の鮎美とふうか(美咲の妹、裕理の娘)に見送られた乙坂、ふたりのシルエットを見て、やっと、前へ踏み出す勇気を持てたに違いない。
映像美から、いろんな謎解きを、観客に楽しませることが、映画のだいご味なんだと思った。


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