HSBCという銀行はイギリス系と思われているかもしれないが、ほとんど中国の銀行である。Hは香港だし、Sは上海だ。その収益のほとんどが中国からのものである。ただし、その力の源泉は西洋、特にアメリカとの窓口であるということである。だから、中国の富豪たちがアメリカなどと取引をする際にはHSBCの口座を使う。こうして、巨大な富を手に入れたHSBCだが、ここにきて、雲行きが怪しい。事の発端はハーウエイの孟晩舟CEOのカナダでの逮捕劇だ。その情報をアメリカ谷伝えたのがHSBCであったという。これに烈火のごとき怒った中国政府が中国国内のHSBCの大株主のを動かして、銀行幹部を挿げ替えた。だから、今はHSBCは中国寄りである。今回の習近平政権による香港に対する国安法の施行でも、HSBCは賛意を示した。これに敏感に反応したのはアメリカのトランプ大統領である。香港自由特別区の資格を取り消したのだが、今後、HSBCが世界のドル取引から締め出される恐れが強くなった。その結果、香港市場でのHSBC株の暴落である。この暴落に伴って、香港ハンセン指数も急落している。(くちなし亭、2020.09.24)
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