すごすぎる映画。──「ロストケア」@TOHOシネマズ日本橋   


いやはや、ものすごい映画に出会ってしまった。。。


先週、封切りとなった「ロストケア」。。。

「彼はなぜ42人を殺したのか」というキャッチコピーに惹きつけられた方々も
多いことだろう。。。



すごすぎる映画。──「ロストケア」@TOHOシネマズ日本橋_d0352022_20515657.jpg
誰よりも献身的で介護者のことを常に第一に考える介護スタッフの斯波宗典(松山ケンイチ)。
その彼を裁く立場にある検事の大友秀美(長澤まさみ)も実は介護施設に認知症の母を預ける
介護家族の当事者の一人だ。


長野にある町で不審な殺人事件が起こり、容疑者として斯波が浮上してくる。


自分が担当する介護者を誰よりも大事に思い、大切にケアしてきたはずの斯波は
何故、その介護者たちを殺さなければならなかったのか。。。


真相が解き明かされていくプロセスには、介護家族の苦労、生活保護、自己責任として
すべてを介護家族に押しつける国のシステムなど、現代日本のあらゆる社会問題が
複雑にからみあっていることを思い知らされる。


自分も含めて介護を経験した人であれば感情移入せざるを得ないエピソードの連続に
胸が締め付けられた(周囲には嗚咽をこらえる方々の噎び泣きが。。。)。


「お前の手でオレを送ってくれ!」という主人公の父親(柄本明)の演技が
すごすぎて怖いぐらいだった。
先日のシャイロックでもすごい演技をみせてくれたが、この人は今、最も脂ののっている
俳優の一人だろう。。。


「これ(殺人)は救いなのです!」という彼と、真っ向から正論を振りかざして「殺人は悪だ」と
いう検事。。。。


が、主人公や介護者の家族の言う通り、「救われた」という介護家族は
この映画を観る視聴者の中にも少なくなかったと思う。


話してもわからない認知症のお年寄りは世の中にたくさんいる。
そしてその多くが家族の犠牲のもとにケアされて生きながらえている。

ホームや施設だって認知症の人はお断りというところばかりた(手間がかかるため)。



おそらく介護の経験がない方々には遠い世界の出来事のように思えるかもしれないが
一人でも多くの方々にこの作品を観ていただき、せめてもう少しだけでも
介護そのものや介護に関わる方々の待遇改善について考える機会が
増えていけば、日本の未来も多少は明るくなるのではないだろうか。。。


私たちの税金は、国民一人ひとりの生活を守るためのものであり、
決して軍事費を増強したり、海外にばらまかれたりするためだけのものでは
ないはずだ。



ちょっと怖くて暗いストーリーだけど、今、観るべき作品としておすすめ!!


☆4.5





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by forestkoro1015 | 2023-03-28 21:27 | 映画作品・TV作品 | Trackback | Comments(0)

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