最初から↓
http://ameblo.jp/takuyakubaku/entry-11217134640.html
♪ピロピロピロリ~
僕の携帯から着メロが鳴った。彩乃からのメールだ。
『From:彩乃
ネズミーランドのカウントダウンのチケットが取れた!!!!!!!!!!!!!!!!!
やったね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
一緒に行けるよ☆』
”カウントダウンのチケット“と言うのは、ネズミーランドが毎年行っている、年越しのイベントだ。
毎年多くのファミリーやカップル達が集まり、チケットの争奪戦は、年々倍率が上がっているらしい。
そんなプレミアチケットを、彩乃は入手する事が出来たらしい。
ドラゴンボール級のビックリマークの多さから、その浮かれっぷりがよく分かる。
彩乃はネズミーの大ファンで、身に着けている小物や文房具なども、ネズミーのキャラグッズが多い。
【そう、良かったね】
僕は彩乃に、メールを送信した。
♪ピロピロピロリ~
再び、携帯から着メロが鳴った。彩乃からだ。
『From:彩乃
え? 嬉しくない?』
僕は彼女が何を言いたいのか、よく分からなかった。
【彩乃は、嬉しくないの?】
僕が返信すると、またすぐにメールが来た。
『From:彩乃
嬉しいに決まってるじゃん。何でそんな事を聞くの?』
何で? と言われても。
僕は彩乃のぶしつけなメール内容に、ちょっとイラっとした。
【聞きたいから、質問したんだけど?】
すぐに彩乃から返事が来た。
『From:彩乃
質問しなきゃ分からない? と言うか、あなたは嬉しくないんでしょ』
カチカチカチっ……!!
僕のイライラ度は、携帯のキー操作音に現れていた。
【別にいいじゃん。嬉しいんだけど】
送信すると、またすぐに返事。
『From:彩乃
いいよもう。ばくや、ネズミーに興味ないもんね』
確かにネズミーは嫌いじゃない。けど、彩乃の様に熱狂的なファンでもない。
何とも思っていない”普通“の感覚だ。
【彩乃と行けるから、嬉しいんだけど】
それ以降、彩乃からのメールは途絶えた。
文章で感情を伝えると言うのは、こんなに難しいモノなのか……。
僕はやりきれない気持ちを引きずったまま、ファミレスを後にした。
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