サングリアとワインの違いとは?美味しいサングリアの作り方もご紹介!

ワインとサングリア

ワインコンサルタント&ソムリエの広瀬勇二です。

ワインコンサルタント&ソムリエの広瀬勇二

「サングリアって美味しいよね!」

「ああ、スペイン料理屋とかによくあるよね!」と会話が続いてはいるが、サングリアって何?と聞かれるとワインとの違いなどしっかりはわかっていない方もいるかもしれません。

「ワインにフルーツを漬けて甘く飲みやすくしたものでしょ!それくらいは知ってるよ!」という方にもちょっと耳を傾けていただいて、今回はこのサングリアについてと、その作り方についても深掘りしていきたいと思います。

というわけで今回のテーマは、「サングリアとワインの違いとは?美味しいサングリアの作り方もご紹介!」です。

サングリアって何?

Wikipediaでは、「サングリアは、スペインやポルトガルでよく飲まれているフレーバードワインの一種。 」とあります。

フレーバードワインは、ワインに薬草、果実、甘味料、エッセンスを添加し、独特の風味を添えたもので、ヴェルモット、デュボネ、サンラファエル、チンザノ、そしてサングリアもそれにあたります。

香味付けワイン、混成ワインとも呼ばれており、EUでの法的呼称はAromatized Wine(アロマタイズドワイン)。

と、定義を言えばこんな感じですが、フルーツを漬けたワインに甘味を加え、時に炭酸で割ったりもするので、カクテルの要素も強いと言えるでしょう。

スペイン語でsangríaは「出血」「瀉血」「流出」などの意味も持ち、語源は「血」を意味するサングレ(sangre)から来ているので、正式には赤ワインを使ったものをサングリアと言い、白ワインを使ったものはサングリア・ブランカ( sangría blanca、ブランカは白という意味)と呼びますが、日本では「サングリア白」などといった表記もされているので、主には赤も白もサングリアと呼ばれ、サングリア・ブランカという呼び名はあまり浸透されていないように感じます。

赤白ワインのチョイスや作り方も様々ですが、その多様性も含めてまとめて説明をするとすれば、「サングリアとは、ワインにお好みのサイズにカットしたフルーツや甘味料を入れ、風味付けとしてブランデーやスパイスなども加え一晩寝かせたフレーバードワイン」だと言えそうです。

サングリアの歴史と現状

飲み物に使用されるサングリアという用語の由来は、18世紀にさかのぼることができます。

SAGE Encyclopedia of Alcoholによると、サングリアの起源を正確に特定することはできませんが、初期のバージョンはスペイン、ギリシャ、イギリスで流行していたようです。

当初は温かいものもあったようで、おそらくはカリブ海(西インド諸島)で始まり、そこからアメリカ本土に導入されたと言われております。

アメリカ植民地時代から一般的でしたが、20世紀初頭までにアメリカではほとんど姿を消し、アイスドリンクとしてのサングリアが1940年代後半までにヒスパニック系アメリカ人やスペイン料理店を通じて米国に再導入され、ニューヨークで開催された1964年世界フェアで人気を博し、今に至るようです。

サングリアと言えばやはりスペインという印象で、日本でもスペインバルなどで気軽に飲めるサングリアですが、実は意外にもスペイン人はあまりサングリアを飲まないようです。

スペインでは、サングリアは“観光客に人気のお酒”という認識で、欧米系の観光客を中心に多くの外国人がレストランで注文されており、逆に観光客に人気だからメニューにサングリアを用意しているという店も多いようです。

実際に、観光客が少ないエリアの飲食店やローカルの人々ばかりが集まる地元のバルなどではサングリアは置いていないことが多く、スペイン人からすると、レストランでサングリアを注文しているのはいかにも外国人観光客と思われるそうです。

確かに私がバルセロナでバル巡りをしたときも、シェリー酒を置いてある店は多くてもサングリアはあまり見かけず、地元の方々が通うようなバルではワインやビール、そしてシェリー酒を飲んでいる方が多かったですね。

美味しいサングリアを作るコツ(原料編)

スタンダードな作り方ですら限定しづらいほど数多な作り方があるサングリア。

定義としては赤ワインを使うとなっておりますが、これすらも白、ロゼを使うレシピもあり様々ですので、ここでは自分の好みにあったサングリアを作るコツと注意点をお伝えできればと思います。

サングリアの原料は主に以下の3つ
↓↓↓
・ワイン(赤、白、ロゼ)

・フルーツ(レモン、ライム、りんご、オレンジ、いちご、ブルーベリー、ラズベリーなど)

・甘味料、香辛料(グラニュー糖、蜂蜜、シナモンなど)

この3つの要素を如何様に組み合わせることによって味わいが変わり、自分の好みの味に仕上げていくのが美味しいサングリアを作るコツです。

<赤ワインベース>
赤ワインには渋みがあり、ベリー系とスパイスのニュアンスが強いので、フルーツはいちご、ブルーベリー、ラズベリーなどベリー系のフルーツと、シナモンなどスパイスを加えるのが良いでしょう。レモン、ライム、グレープフルーツなどは酸っぱさを際立たせてしまいますので、赤ワインをベースにする場合は避けた方が望ましいです。渋みが気になる場合は砂糖や蜂蜜などを多めに入れると良いでしょう。シナモンなどの香辛料はお好みで飲む直前に加え、飲む人によって香辛料有り無しを選べるスタイルの方がおもてなしにも使えます。

<白ワインベース>
白ワインは酸味が心地良く、また甘味も感じやすいので、赤ワインベースではNGであったレモン、ライム、グレープフルーツなどを使って心地良い酸味を抽出し、パイナップル、りんごなどで甘味を出すのも良いでしょう。この時に注意すべき点は、できれば皮を剥いて漬け込むことです。

皮には苦味がありますので、特にレモンとグレープフルーツは手間がかかってもしっかりと皮を省いて、苦味が出ないようにしましょう。

もちろんこの苦味が良いという方はそのまま漬け込んでも問題ありません。白ワインベースの場合は、甘味の出し方は極力グラニュー糖や蜂蜜は使わず、フルーツのみで甘味を抽出した方が、白ワインの酸も殺さず、心地良い味わいになります。

<ロゼワインベース>
ロゼワインは文字通り赤白どちらの特長も持ち合わせているワインですから、お好みによってフルーツを使い分けると良いでしょう。赤ワインに寄せるのであればベリー系、白ワインに寄せたいのであれば柑橘系のフルーツを多用するのが良いと思いますが、使用するロゼワインが甘口か辛口かによって考えるのも面白いです。アメリカンチェリーやピンクグレープフルーツを使用するレシピもありますが、甘口ロゼであればアメリカンチェリー、辛口ロゼであればピンクグレープフルーツと、ベースワインの味わいによって使い分けた方がワインの個性が生かせると思います。ロゼワインベースの場合も、できれば調味料は使わずにフルーツの甘味や酸味のみで味わいを調節するのが望ましいでしょう。

私がロゼワインベースのサングリアでオススメするフルーツはりんごです。

美味しいサングリアを作るコツ(割り物編)

一晩寝かせてフルーツの味わいを抽出させた、言わばサングリアの原液が完成しましたら、あとはそれをどのように飲むかで味わいをコントロールします。

そのまま飲むのも良いですが、より自分の好みの味わいに、またはその時の気分や季節などによって割り物を変えるのもサングリアの楽しみ方の一つです。

<赤ワインベース>
仮に渋味が際立ち過ぎてしまっていたり、もう少し飲みやすくしたい場合はオレンジジュースなどのフルーツジュースで割ると良いでしょう。

パイナップルジュース、パッションフルーツジュースなども、甘味を増すためには効果的です。爽快に飲みたい場合は炭酸が有効ですが、コーラやジンジャエールなど、ちょっとインパクトのある炭酸で割るのも面白いです。

<白ワインベース>
白も同様に割り物でコントロールができますが、あまり強い割り物で割ってしまうと個性が消えてしまいますので、白ワインベースの場合は私は炭酸水をおすすめしており、しっかりと皮を剥いてフルーツでの苦味は抑えた場合はトニックウォーターを用いて少し苦味を出すのも面白いです。

<ロゼワインベース>
ロゼの場合も白ワイン同様で、あまり個性が強い割り物で割るのではなく、フルーツジュースであればピーチジュース、酸味を出したいのであればグレープフルーツジュースなどで割り、紅茶などで割るのも香りが付いて面白いです。

【番外編】現地スペインで、お店に入る前に流行っているバルとそうでないバルの見分け方は?

最後に番外編としてちょっとした豆知識を。

スペイン旅行に行った際、限られた日数の中でバル巡りをするのであれば、やはり流行っているお店に入りたいものです。

コアタイムは、特に観光客も多い繁華街ではどのお店もお客様でいっぱいです。実際にどこが良いお店なのかは入ってみないとわかりません。

そんな中でも、恐らく地元の人達で埋まっているお店と、観光客が主体のお店とがあると思います。

せっかくですから、地元の方に人気のあるお店に入りたいものですよね。

この番外編では、確実にというわけではないですが、店舗に入る前に恐らく地元の方に人気があるのであろうというお店を見分ける方法をご紹介したいと思います!

スペインバルの特長と言えば、タパスやピンチョスといった気さくに食べられる料理をつまみにお酒を飲み、お店によっては立ち飲み食いでパクパク口に入れながら至ってカジュアルに食事を楽しめるところ。

故に、サービスもそれ程マメではなく、楽しみ方も気さく。お客様は自分の食べたタパスやピンチョスのゴミをポイポイ床に捨て、従業員もそれをこまめに掃除したりはしません。

実はここが流行ってるお店を見分けるポイント!

日本人に比べるとのんきで大らかなスペイン人は、従業員もそれ程こまめに床の掃き掃除などしません。

もちろんしっかりとマメに掃除をしているお店もあるかと思いますが、実際問題、立ち飲みで混み合っている店内を、人の群れを割って入って床の掃き掃除をするのは誰であっても困難です。

流石にあまりにゴミに溢れかえってくれば掃除はするでしょうけども、基本的には閉店してから、もしくはお客様が減って掃除をするゆとりができた時に初めて床の掃き掃除ができるのです。

従って、床にゴミが多いお店は、まずそれだけお客様が多くご注文も多いということと、それを掃除する時間も無いくらいお店が絶えず混み合っている、つまり流行っているお店というわけです!

観光客が多いお店は、仮に混み合っていても恐らくゴミを床にポイ捨てをするような方々は少ないでしょうし、もしかしたらマメに掃除もしてクレンリネスにも力を入れている傾向が強いかもしれません。

あくまで目安ですから、この方法で確実に流行っているお店を見分けられるわけではないですが、比較的ローカル色の強いお店を見つける指標にはなるのかなと思います。

以上、信じるか信じないかは、あなた次第です!笑

というわけで今回はのテーマは、「サングリアとワインの違いとは?美味しいサングリアの作り方もご紹介!」でした。

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