And Just Like That...

 「Sex and the Cityの新しいやつ、ぶっちゃけ、どう思う?」

最近、ゲイ仲間や女友達と話していると、大抵、先月から放映が始まったSex and the Cityのリブート版の、And Just Like That...の話になるのだが、

「うちらが期待してたのは、これじゃなかったよね・・・」

「まず、キャリーの言動がキツい。50過ぎて、あれはないわ」

「それを言うなら、シャーロットはもっとヤバい」

「あれはあたしの求めるミランダじゃない」

と、最後にオリジナル版が終了してから20年弱待って、期待しすぎていたのかもしれぬが、皆がっかりで、意気消沈してしまったのが正直な感想である。

それでも、ミランダが白髪を気にしたり、キャリーが腰痛になったり、散歩中にトイレが近くなったりと、時代を風靡したあの頃から20年経った今のありのままの姿に、40過ぎの我々も思わず共感するところは多いにある。

しかし結局、

「やっぱり、サマンサが居ないから、話が締まらないんだよ」

という結論に達するのだがね・・・。

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Sex and the Cityの登場人物のように、自分も自分の仲間達も、あれから20年歳を重ねたことを身に染みて感じている。

自分も、前々から医者に言われていたことなのだが、血圧が恐ろしく高く、ついに薬に頼ることとなった。

だいぶ前から食事の塩分も酒の量も減らしてきたのだが、どうにも数値が思わしくないので、仕方なくの選択である。

やっぱり運動不足と仕事のストレスかしらん。

眠りも浅いしなぁ。

毎朝、仕事の前に、自分用に買ったオムロンの血圧計を腕に巻き、スイッチを入れると、うぃーん、とうるさい音を立てる。

"あたしも、じじい(ばばあ!)になったもんだわよ"

と思わずそんな自分の姿を俯瞰してみると、切ない気がしてくるような、今更開き直ってそうでもないような。

若かった頃は、毎日薬を摂る必要すらなかったか、あるいは摂っていてもそれを人に言うこともなかったが、この年になり、周りの人々にふと薬の話を打ち明けてみたならば、

「それ、自分も同じの40入ってから摂りはじめたわ。何ml?」

「あたしは、婦人系の薬だいぶ前から飲んでるよ」

「抜け毛防止のハゲ薬はね、大きいサイズを処方してもらって、自分で割って飲んでるわ。そのほうが安くつくの」

などなど、とたんに皆、薬自慢(?)となる。

日本に住む中学時代の同級生も、長いこと入院してたしなぁ。

周りにも、そんな話が増えてくるお年頃。

そして、皆、それぞれあちこち身体にガタがきながらも、なんとかそれに対し、時にだましだまし、時に正直に向き合って、日々を生きているのであった。

前述のSex and the Cityのオリジナル版のエピソードで、キャリーが一般人モデルとしてファッションショーに参加して、ステージで派手にすっ転んだ時に、

"傷だらけでも、起き上がり歩き通す"

"人はつまづいても、必死に立ち上がって歩き続ける"

などと言っていたセリフを、ふと思い出す。

20年前に観た時も、特に好きなエピソードで、それからも何度となく見返したエピソードなのだが、40も過ぎてから見ると、同じそのセリフも重みを増して聞こえてくるようだわ・・・。


最後にニューヨークを訪れたのは、2014年。
もう10年近く前だわよ。



ニューヨーク滞在中の仕事の合間に、
着なれないDolce & Gabbanaなぞを羽織って
一人SATCツアーをして、キャリーの家の前で写真とったり。
今は無きマグノリアベーカリーでクソ甘いカップケーキも食ったな。
(今じゃ、全身ユニクロがデフォルトよ)



20年近く経ち、自分もSATCの登場人物も歳をとり・・・。
ゲイのスタンフォード役の俳優さんも亡くなってしまったのね。
(劇中では東京に引っ越したって設定になってたわよね)





コメント

nw005 さんのコメント…
いまだSF滞在中です。

あの場面はSATCの中でも輝かしい名シーンですよね。起き上がるキャリーを見守るマーガレット・チョー(かな?)演じるイベント・コーディネーターのあたたかな眼差しも忘れられないです。
And Just Like That気になっているのですが、やはりサマンサがいない設定ってありえないと思ってしまいます。

NYに最後にお越しになったのは2014年とのこと。SATCの舞台になった界隈はあまり変わっていないので、きっと懐かしんでいただけると思います。
samurai sf さんの投稿…
nw005さん

こんにちは。まだSF滞在中だったんですね。今週末はめずらしく気温もだいぶ暖かかったので、サンフランシスコの散策も楽しまれたかと思います。

SATCの名シーン、nw005さんもご存じでしたか。確かにマーガレット・チョー(とその助手の"clearly a homosexual"なアジア人の男)の眼差しは良かった!

NYはSATC好きということもあって、いつまでも憧れの街です。ミュージカルや単館系映画が好きなので、劇場の多くあるNYにお住まいのnw005さんが羨ましいです~。