IE Business School留学記(Class of 2017)

スペインのマドリッドにあるIE Business Schoolでの留学記です。受験時から生活のことまで書き綴ります。

ファイナルケース総括

2017-07-22 10:59:33 | MBA授業
どこのMBAスクールでもあるのかは知らないのだが、IEの場合卒業のためにはエレクティブが終わった後に、
FINAL INTEGRATIVE EXERCISEという形で何等か卒業試験のようなものを受ける必要がある。
選択肢としてあるのが下記の3種類。

1 Final Case
2 Venture Lab Business Plan
3 Impact Project

自分自身は1のファイナルケースを選択したものの、一応他の選択肢についても解説。


2のベンチャーラボビジネスプランは、エレクティブ期間にベンチャーラボに進めたプロジェクトに参加している生徒しか選べないはず。
勝手にスタートアップの提案とかを行ったとしても、それは受け入れられないものと思われる。
というのもスタートアップの企画案自体についての評価はベンチャーラボにて行われ、
並行して卒業間際にあるベンチャーデイという投資家や生徒に対するピッチをするイベントへの参加を目指すことになるはず。
それとは別に事業性(ビジネスプラン)自体のプレゼンを行うというのがこの2の選択肢であり、
評価自体もベンチャーラボとこのビジネスプランのプレゼンとでは独立して行われるようだ。
そのため一方では高評価でも、もう一方ではそれほどでもないということもあり得るようだった。
とはいうものの、自分自身がこれを選択していないので、聞きかじりでありこれ以上の解説は無理。


3のインパクトプロジェクトは、自分たちでグループ(2~5人)を組み、
会社やNGO等外部組織と組んで、そこへのコンサル提案を行うというものである。
組織については特にスペインのものである必要はないようではあるが、
最後のプレゼンの際にその組織の人に参加してもらう必要があるため、それが可能でないと選択は出来ない。
なので社費の方で自分のいた会社についてやろうとしても、普通は日本からこの最終プレゼンのために誰かが出張で参加してくれるとは思えず、
ファミリービジネスでよっぽどコミットしてもらえる様な親族等がいない限りは難しいのではないかと思われる。
実は1,2,3の中で一番人気のプロジェクトがこの3で、多分半数以上がこれを選んだ模様である。
その理由として聞いたのが、実はこれを選択した場合、他のプロジェクトよりも早く最終プレゼンを終えることが出来るという理由があるらしい。
1,2を選んだ場合、そのプレゼンの日程は7月の中旬頃になるため、それまではエレクティブの授業が終わったとしても、
旅行に行ったり、もしくは卒業式にも参加せずに帰国してしまうということも不可能なのだが、
3を選択した場合、早いケースだと6月下旬にはこの最終プレゼンを行えるため、
上手くエレクティブの授業を組めれば7月がほぼフリーという状況を発生させることが出来るようだ。
それを知らない(+何となく前から準備するのが面倒)日本人の多くが結局1のファイナルケースを選択したのだが、
事情をよく知る外人軍団は3を選択したというのが実情のようだ。
日本人でも3を選択した人がいたので、話を聞いたのだが、事前準備もそこまで大変ではなかったようだ。
(とはいえこれはそれぞれのコミット具合にも拠ると思われるので、当然かなり力を入れたグループもあると思われる)
そもそも選んだ企業がメンバーの一人の旦那さんが中南米にて経営する会社という、
スーパー身内感あふれる中で、最終的に来る会社のメンバーもその人という状況。
発表に向けた事前の打合せは3,4回程度。
事前にかなりの根回しをし、当日のプレゼンでは前向きなコメントを連発してもらうという、
ある意味すごい状況であったようだ。
これは特別なケースなのかもしれないが、上手くやれば非常に楽をすることが出来そうなのがこのプロジェクトである。


そして最後に解説するのが1のファイナルケースである。
ファイナルケースを選択した場合、一番の困難は人集めである。
4人1組でメンバーを集めないといけないのだが、2,3に既に人が大幅に流れているため、
探そうとしてもなかなか人が集まらない状況が発生する。
例えば自分のセクションの場合は50人弱いる中、結局これを選んだのは3,4人しかいない。
よっていざコアのセクションからメンバーを集めようとしても、全然集まらず、
結局ラボ期間のクラスや日本人ネットワークを活用してメンバー集めをしたというのが実際である。
こういった苦労をしたくない場合は、なるべくラボ期間前後からファイナルケースをやる生徒集めに走るべきである。
基本的に良いメンバーは既に動いてしまっている。
そんな中結局自分はラボ期間に一緒のクラスにいたナイジェリア人(女)、そのつてで見つけたナイジェリア人(男)、日本人(男)、ここから声をかけた日本人(男)というメンバーでひとまず登録を行うことになった。
ただその後メンバーを見つけられなかった元同じセクションのメンバーから、このグループに入れてくれないかという申し出があり、
運営サイドに確認してOKが得られるならいいという話をしたところ、承認を得られたため結局1人増えて5人組のグループとなった。


ファイナルケースを選択した場合、基本的に何をするのかというと、最終プレゼンの数日前に何らかのケースが与えられ、
それについての提案の要約の作成、およびプレゼンを行うというものである。
今までに習った教授陣から3人(1人は副学長)が評価者としてプレゼン会場に現れ、
グループ毎の評価を絶対評価で行う。(これらの卒業試験については多分どれも相対評価ではなく絶対評価が行われる)
彼らはケースに登場する会社の経営陣という設定であり、ケースに書かれている問題について、
MBAの生徒がMBAで学んだ知識を活かして、解決案を提案していくというのが基本的な流れである。


今回のケースはクラウドサーバー事業を行う会社(架空)に関するケースで、
その分量自体は6ページ程度と非常に短く、逆に言えば情報が非常に限られたケースであった。
これを基にストラテジーやマーケティングで学んだ知識を基に解決案を皆で考えるというのが基本ではあるが、
結局3,4日しか準備期間が無いので、大まかな流れを皆で決めた後は、
それぞれで担当個所を決定し、文章作成、パワーポイント作成をするという流れでの作業になった。
分割すれば担当する要約も最大2ページ程度なので、そこまでは時間はかからない。
それらを最終的に統合し、皆で確認したうえで若干修正、提出。
そしてプレゼン自体については前日及び当日に練習し、最終プレゼンに臨むことになった。
プレゼンにおける1人当たりの持ち時間が大体3分程度になるので、英語の下手な日本人でも事前に練習さえすれば、
これくらいならばほぼ画面を見なくとも何とか英語でもプレゼンできるように最終的にはなっている。
結局本番もそこまで緊張することもなく自分のパートも一応終了。
5分程度の質疑応答を終えて、卒業試験もあっさり終了。


その後は卒業式まで10日程度あったので、マルタ、イタリアに同期の日本人数人で行くことになっていた。
MBA生活もその卒業旅行に行き、後は卒業式への参加を残すのみとなった。





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