５．「ユダヤ人の古い太陽暦」の紀元前６年９月下旬、大天使ガブリエルがザカリアに預言しました

１年が３６５．２５日の「ユダヤ人の古い太陽暦」の紀元前６年９月下旬、エルサレムの神殿でアビヤの組の祭司ザカリアが祭司の務めを果たしていました。祭司には慣例があって慣例に従ってくじを引くとザカリアが聖所で香を焚く役目を引き当てました。

香を焚く間、民衆は聖所の外で祈っていました。

香壇の右側に大天使ガブリエルが現われて預言しました。（ルカ１：５-２５）

「ザカリア、恐れることはない。あなたの願いは神に聞き入れられました。あなたの妻エリザベトは男の子を産みます。あなたはその子の名前をヨハネと名付けなさい。」

ザカリアは大天使ガブリエルに言いました。

「どうしてそのような事が起こり得ましょう。私は既に老人で私の妻も高齢です。」

大天使ガブリエルは言いました。

「私は神の御前に立つ大天使ガブリエルである。私はこの喜びの知らせをもたらすためにあなたに遣わされた者である。あなたは時が来れば成就する私の言葉を信じなかった。それ故、このことが実現する日まであなたは口が利けなくなるであろう。」

大天使ガブリエルは姿を消しました。

口が利けなくなったザカリアは聖所から出て身振り手振りで群衆に語りました。

彼の仕草を見た群衆はザカリアが聖所で幻を見たのだと理解しました。

こうして預言の如くエリザベトが懐妊して彼女が家の中に５ヶ月間籠りました。

マリア・ワルトルタ女史は、香壇の右側に大天使ガブリエルが現われてザカリアに預言した場面を書いていません。並みの作家は福音書の有名な場面を想像豊かに描くでしょう。イエズスがこの場面をワルトルタ女史に見せなかったのは何か理由があったのだと思います。

私は、第１２章の「ご降誕」の解説で、「聖母マリアの生年月日」「洗礼者ヨハネの生年月日」「イエズス・キリストの生年月日」、１年が３６５．２５日の「ユダヤ人の古い太陽暦」、それから１年が３６５．２４２５日の「古いグレゴリオ暦」について一括して解説しました。

ユダヤ教の司祭たちはローマ皇帝アウグストゥスの「ローマ暦」の改革に従いました。

西暦８年、その当時の学者たちは西暦８年以前の１年が３６５．２４２５日の「古いグレゴリオ暦」の概念を知りませんでした。もちろん西暦１５８２年からローマ法王聖グレゴリオ１３世が採用した１年が３６５．２４２５日の「グレゴリオ暦」の概念も知りません。

従って、西暦８年、その当時の学者たちは、１年が３６５．２５日の「ユダヤ人の古い太陽暦」は１年が３６５．２４２５日の「古いグレゴリオ暦」に対して１２８年毎に１日の割合で日付が長くなることを知りませんでした。だから西暦８年、ローマ皇帝アウグストゥスの「暦の改革」の際にユダヤ教の司祭たちは１年が３６５．２５日の「ユダヤ人の古い太陽暦」を改革して「１３日間」を削除したのです。

私は、本章の第５章の日付は１年が３６５．２５日の「ユダヤ人の古い太陽暦」の紀元前５年６月２４日（金）の「洗礼者ヨハネの生年月日」から逆算しました。つまり、聖エリザベトの妊娠期間を差し引いて１年が３６５．２５日の「ユダヤ人の古い太陽暦」の紀元前６年９月下旬と書きました。

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