top of page

オフシーズン振り返り企画:2006/07

ウインターミーティングが先日終わり、大物FA選手の移籍や大型トレードなどが多く報じられたここ1週間。ここで、過去10年のオフシーズンでの大型移籍を振り返りたいと思う。第1回目の今回はカージナルスの優勝で幕を閉じた2006年オフシーズンを振り返る。

1、アルフォンソ・ソリアーノ(WSH→CHC)/ 8年$136ミリオン

2006年に史上4人目の40本塁打40盗塁を達成しFAを迎えたソリアーノは、当時史上5番目の大型契約でカブスに移籍した。ちなみにこの時点での歴代大型契約トップ5は、

1 アレックス・ロドリゲス(SEA→NYY)10年$252ミリオン

2 デレク・ジーター(NYY→NYY)10年$189ミリオン

3 マニー・ラミレス(CLE→BOS)8年$160ミリオン

4 トッド・ヘルトン(COL→COL)11年$141.5ミリオン

5 アルフォンソ・ソリアーノ(WSH→CHC)8年$136ミリオン

ソリアーノは01年にヤンキースでセカンドのレギュラーを獲得すると、02、03年と2年連続で30本塁打、30盗塁を達成した。しかし、そのオフA-Rodのトレード相手として、レンジャーズへ移籍。さらに05年オフには再びトレードで今度はナショナルズへ移籍。外野へコンバートした06年、史上4人目の40本塁打40盗塁を達成した。

40/40を達成するなど脂が乗っていたが、より身体能力を武器にプレーするスタイル、さらに外野守備に難のあるのソリアーノへの8年という長期契約に対し、懐疑的な声も少なくなかった。

前年、96敗を喫し、最下位に沈んだカブスはこのオフ、ソリアーノを始め、先発のリリーとマーキー、内野のユーティリティープレイヤーのデラロサなど大型補強を実施。結果、翌2008,09年と2年連続地区優勝を果たした。

結果:C

多くの予想通り、契約中に大きく衰えを見せることとなったソリアーノ。8年間の中でOPSが.859を超えたのは1年目のみ、30本塁打以上も2度のみ。それ以上に衰えが目立ったのは盗塁数で、1年目に41盗塁から19盗塁まで落ち込むと、3年目から一桁台が続いた。08、09年と地区優勝を果たしたカブスだったが、それ以降はソリアーノの大型契約が足かせとなり、不調が続いた。

2、バリー・ジトー(OAK→SF)/ 7年$126ミリオン

このオフの野手の目玉がソリアーノであれば、投手では2002年に23勝をあげ、サイ・ヤング賞に輝いたジトーだった。ハドソン、マルダーとともにアスレチックス先発3本柱として00年台前半活躍した。しかし、スモールマーケットのアスレチックスは04年オフにハドソンをFAでそしてマルダーをトレードで流出。そして、最後の一人で独特の縦のカーブが武器だったジトーもFAとなった。2002年以降は安定していたが、突出した成績は残していなかったジトーだが、28歳という若さとDL入りなしという丈夫さを売りにジャイアンツと当時投手史上最高額の7年$1億2600万の大型契約を結んだ。

結果:E

1年目に前年に比べ、0.70も防御率を悪化させると、2年目には0-6、7点台というスタートを切るなど17敗。結果、投高打低のナ・リーグに移ったにもかかわらず、7年間で12勝以上がわずか1シーズン、防御率3点台以下のシーズンは1年もなく、早い段階で不良債権となってしまった。。ジャイアンツもジトー移籍後2年連続で90敗以上を喫し、早い段階で若手の生え抜き本格派右腕のケイン、リンスカムを中心とするローテーションにシフトすることとなった。

3、松坂大輔(西武→BOS)/ 6年$52ミリオン(ポスティング:5111万ドル)

2006年WBCでMVPに輝き、そのオフにポスティングでメジャー移籍を果たした松坂。ポスティング歴代最高額でレッドソックスが落札。その後、レッドソックスと代理人のボラスの交渉が長引き、入団が危ぶまれたこともあったが、結果レッドソックスと6年5200万ドルで契約した。04年に念願の世界一を果たしたレッドソックスだったが、06年は移籍1年目のベケットは5点台と不調、シリングも衰えが目立ち始めている状況でプレーオフを逃し、先発の柱となる投手を是が非でも必要としていた。

結果:C

1年目、制球難に苦しみながらも、200イニングを突破し、15勝を挙げ、チームも世界一に輝いた。翌08年は18-3、2.90でサイ・ヤング賞4位につけるなど順風満帆だった。しかし、09年シーズン前のWBCに股関節の痛みを押して出場するとその年は4勝止まり、11年6月にはトミージョン手術を受け、結局その後移籍後2年間の輝きを取り戻せず、契約満了で退団した。

4、カルロス・リー(TEX→HOU)/ 6年$100ミリオン

ソリアーノほどのインパクトはないものの、4年連続30本塁打以上をマークし、毎年長距離砲の外野手として安定した成績を収めていたリー。前年にはブリュワーズ、そして夏のトレードで移籍したレンジャーズでキャリアハイとなる37本塁打、116打点、OPS.895という活躍を見せた。そんなリーと6年1000万ドルで契約したのは前年に長年チームの主砲として君臨していたバグウェルが引退し、3年ぶりにプレーオフ進出を逃したアストロズ。前年45本塁打、OPS1.041をあげたバークマンとの右左の主砲として期待された。

結果:C

1年目は全試合に出場し、3割30本塁打100打点を達成した。3年目までは3割25本塁打以上100打点OPS.800以上の成績をあげ、右の主砲として期待通りの活躍をした。しかし、2010年に突如急激な衰えが始まり、打率はキャリア初の.250を切るなど軒並み成績を落とすと、そのまま輝きを取り戻せることができないまま、契約最終年の2012年にマーリンズへとトレードされた。

5、ジェイソン・シュミット(SF→LAD)/ 3年$47ミリオン

当時33歳ながら球質の重いフォーシームを武器とした本格派として6年連続二桁勝利、2003年には最優秀防御率を獲得したシュミットは在籍していたジャイアンツの最大のライバルであるドジャースと3年4700万ドルで契約し、物議を呼んだ。前年ワイルドカードでプレーオフ進出しながら、メッツにNLDSでスウィープされたドジャースはデレク・ロウ、ブラッド・ペニーと獲得したシュミットの3本柱で優勝候補筆頭に躍り出た。

結果:F

結果はドジャースにとって大失敗の契約となる。故障が相次ぎ、3年で登板数わずか10試合、3勝と全く戦力にすらならず、FA史上でも最悪の契約だったと言われている。

最後に見ていただいた方は是非下のボタンをクリックしていただけると幸いです。↓↓↓

また、コメントがあれば是非。必ず返信させていただきます。


Recent Posts
Follow
Categories
bottom of page