幻想交響曲 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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先日、クルマでFMラジオを聴いていたら、ベルリオーズの幻想交響曲が流れてきました。
久しぶりに全曲を聴いたように思いますが、やっぱりすごい曲ですね。いろんな意味で。
 
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 
 
 

  はじめてのオーケストラ

 
ぼくが初めてなまのオーケストラを聴いたときのメインが、幻想交響曲でした。
高校2年生の時です。
 

ほんとうにあのときは衝撃的でした。
こんな曲があるんだ! と…
感激した福見少年、音楽の授業で課されたレポートの課題にベルリオーズを選んだのでした。
(あまりいいレポートではなかった記憶がありますが…)
 
 

  幻想交響曲

 
ベルリオーズの出世作、幻想交響曲は、いわゆる『標題音楽』ですね。
5つある各楽章に、それぞれタイトルがついています。
1楽章 … 夢と情熱
2楽章 … 舞踏会
3楽章 … 野の風景
4楽章 … 断頭台への行進
5楽章 … ワルプルギスの夜の夢(魔女の夜宴の夢)
ひとりの音楽家が激しい恋に落ち、舞踏会で再び彼女に出合う。
しかし恋の行方には暗雲が…。音楽家は悪夢の中で彼女を殺し、断頭台へと導かれる。
そしてその夢の中で、いろいろな悪魔が舞い踊る…
 
 

  情熱と執念

 
そもそも、好きな女性のために(ために?)、これほどの大規模な曲を書こうと思うこと自体が…
執念?
しかも、後半ほとんどラリっていますよね。
これはベルリオーズ自身の実際の恋の物語に基づいています。
ものすごく情熱的な人であったのでしょうね。
今ならストーカー呼ばわりされかねない?
しかもその音楽(演奏時間は50分以上)は、とても芸術的な変化に富んだ『傑作』で、
その書法や管弦楽法なども含めて、後世の音楽にとても大きな影響を与えています。
初演が1830年なので、ダヴィッドのコンチェルトよりも前なのですね…
 
 

  もしあなたなら

 
さて、もしあなたがたとえば作曲をすることができたとしたら、
愛する人のためにこれほどの曲を(しかも失恋の曲を)書きますか!
書こうと思いますか!
執念というかなんというか…
しかも、1832年の再演の時には当の失恋の相手が聴きに訪れており、
彼女はその音楽に感激してベルリオーズとの交際がスタート、2人は結婚するのです。
(でも幸せにはなれなかったのですね…)
 
誰かのことを想って書いた曲、ぼくもありますよ。
結婚はしませんでしたが…
 
 

  演奏経験

 
さて、幻想交響曲、ぼくは、演奏したことは一度しかありません。
しかも、オーケストラではなく吹奏楽でした。
正直、あまりいい編曲ではなかったのですよね…
楽章の調性の統一も取れていないようなものでした(原調の楽章とそうでない楽章とあった)…
たとえば、編曲に際して調性を変えることには反対ではありませんが、
それは全曲を通して一貫している必要があるように思うのです。
楽章間の調性の関係は変えてはいけないですよね。
吹奏楽編曲もいくつかあるのでしょうか…
 
にしても、あらためて聴いてみて、やっぱりすごい曲だなぁ、と思ったのでした。
みなさんも聴いてみてくださいね。