配信 | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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感染症下になってから、コンサートや演奏のライブ配信が盛んにおこなわれるようになりましたね。

それは新たな可能性なのかもしれませんが、なまのコンサートに匹敵するような付加価値となると…

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

  ライブ配信

 

ライブ配信とはなんでしょうか。

コンサートなどの演奏をその場で収録し、ネットを使ってそのままリアルタイムで配信するもの、

ですよね。

さて、それでは、その『ライブ』には、CDやストリーミングにはない価値が、何かあるでしょうか。

コンサートの演奏がリアルタイムで聴けること?

でも、ちょっと待って。

 

 

  配信されるもの

 

ライブで配信されるものって、なんでしょうか。

それは、CDやストリーミングと同じく、電気信号、デジタル信号ですよね。

クオリティで考えるなら、それらと変わらない、いや、むしろ落ちるかもしれません。

レコーディングと同等の音声処理が出来ないのであれば、ね。

そして、デジタルである以上、原理的に、わずかな遅延は発生します。

そういう意味では、厳密な意味での『リアルタイム』ではないのですよね。

地デジに時報が入らないのと同じ理屈です。

ちなみに余談ですが、デジタル以前の生放送番組にも、意図的に1秒程度遅延させているものも…

事故があっても1秒あれば対処できるからなのだそうです。

 

 

  『なま』の意味

 

ライブ、リアルタイム、でもそれは、音楽で言うところの『なま』ではないですよね。

音楽の『なま』とは、その同じ空間を、同じ空気を共有して、音を直接感じ取ることです。

そしてそこから受け取れるものは、単に高精細な音だけではなく、

もっともっとたくさんのものがあります。

どんなに高性能なシステムを使ったとしても、残念ながらライブ配信は、その代用にはならない…

コンサートを高音質で配信しますよ、というだけでは、ライブやコンサートと同等にはならない、

チケット代を取って売れるだけの価値はないと思っています。

実質的には、録音録画物と同等、いや、むしろ、アーカイブがなければそれ以下なのですから…

 

 

  付加価値

 

では、ライブ配信を『売れる』ものにするにはどうしたらいいか…

相当な付加価値が必要だと思うのです。

音質は、どう頑張っても、なま演奏と同等にはならない。となると…

やっぱり映像で、相当な付加価値を作り出すしかないように思うのです。

たとえば自動車レースを例に取ってみると…

サーキットに行けば、大迫力で実際に走るマシンを目の前で見ることが出来る。

でも、なまでは、自分の目の前を走るマシンしか見られません。

テレビやネットの中継では、サーキットのほぼすべてのコーナーを見ることが出来る。

(それでもなお、やっぱりレースもサーキットで観たいと思うのですけれどもね…)

さて、コンサートのライブ配信における映像の付加価値ってなんだろう…

わかりませんが、相当なものがなければ、お金は取れないと思うのですよね…

 

 

  音楽は…

 

音楽って、やっぱり『なまが一番』なんです。

それはみなさん、この感染症下でますます実感されたのではないでしょうか。

だから、正直言って、あまり魅力を感じないのです。配信というものに。

これまで何度も書いてきたことですが、やっぱり音楽って、

その同じ空気を、同じ空間を共有して初めて感じ取れるものが、とてもとても大きいのです。

だから、時間をかけて交通費を使ってでも、人々はコンサートやライブに足を運ぶのです。

配信に魅力を生むためには、それに匹敵するぐらいの大きな大きな付加価値が必要だと思います。

新たな可能性を手に入れた、と言うのには、まだまだ足りないように思うのです。

 

さて、みなさんはどう思われますか。