花冷えの日、雨の中を「かつしか落扇指南所 第41回おさらい会」にお越しくださいまして本当にありがとうございました。

 

70人を超える皆様においでいただきました。

 

一同本当に感謝いたしております。

 

今朝、早朝に関西から車で帰宅し、仮眠を取っただけで駆けつけてくれたS君本当にありがとう。

 

中学を卒業してもうすぐ50年になるのに貴君とこうして親交が続いているのは本当にうれしいです。

 

入蔵は昨日、診療を終え、某師匠の独演会に行きました。

 

あろうことか、間違えて近くの別のホールに行ってしまい、慌てて本当の会場に向かいました。

 

雨降りでしたからタクシーは長蛇の列でしたので、バスで行くことにしました。

 

バスの一番後ろの長い椅子に腰かけていると、ある停留所から、3,4歳くらいの女の子を二人連れたお父さんが乗ってきました。

 

3人は入蔵が座っている椅子の前に立ったので、その椅子に座っていた人達は皆、少しずつ詰めて、その親子連れが座れるようにしました。

 

当然のことです。

 

お父さんはせめて会釈くらいはしてくださるかなと思ったのですが、全く何事もなかったかのような様子でした。

 

席に座ったお嬢さんたちはしばらく二人でおしゃべりをしていたのですが、そのうち英語の歌を歌い始めました。

 

英語を習っているのか、もしかしたら帰国子女かもしれません。

 

「ありがとうと言え」とか「会釈くらいはしろ」というわけではありませんが、入蔵は、お父さんが「ありがとう」と言ったり、会釈をしている姿をこのお嬢さんたちに見せてあげたらいいのになあと思ってしまいました。

 

とてもいい、教育機会なのになあと。

 

よそ様の、教育に口を出すのははばかられますが、素直にそう思いました。

 

さて、入蔵が某師匠の独演会場についたとき、まだ、二番太鼓がなっていました(つまり開演の数分前でした)。

 

早めに家を出たのが功を奏しました。

 

入蔵はこういった催し物にでかける際、席が選べるときは、必ず、通路際の席をとるのですが、この会は、席が選べず、前から3列目の真ん中の席でした。

 

3列目は入蔵の席以外はすでにおいでの皆さんで埋まっていました。

 

したがって、入蔵は自分の席に着席するために、着席している人たちの膝の前を通らざるをえませんでした。

 

その人たちは、入蔵に似通った年齢のように見えました。

 

入蔵が着席していた方であった場合、たいていは椅子をたたんで、立ち上がって、入蔵より遅くおいでになった方を通します。

 

せめて、足を斜めにして少しでも通りやすくします。

 

今回は遅くなった入蔵が悪いです。

 

でも、着席しているどなたも、入蔵のために足を動かしてくださる人はいませんでした。

 

びっくりしました。

 

普通、ちょっとぐらいは足をよけてくださるのではないでしょうか。

 

全員微動だにしないといった感じでした。

 

本当に不遜なことですが、入蔵は、つい先ほどのお嬢さんたちのお父さんと同じような親御さんに育てられた皆さんなのかなと思ってしまいました。

 

ここまでお読みになってご不快になられた方、本当に申し訳ありません。

 

ともかく、入蔵は、演者が登場する前に自分の席に着席できました。

 

独演会をなさった師匠の噺は入蔵が、「あんまり笑わせどころのない噺」だなと感じているネタでした。

 

でも、プロは流石です。

 

随分と笑わせてくださいました。

 

入蔵は次の日(つまり今日)高座にかける「王子の狐」も、もっと面白くできるのではないかと思いました。

 

しかし、時すでに遅しで、あまり笑わせどころを増やすことはせませんでした。

 

少しは増やせましたが。

 

ここは、この独演会に出かけてよかった点です。

 

ところが入蔵の隣の方はいびきをかいていました。

 

入蔵は、正直「さっき謝らなければ良かった」と思いました。

 

いたたまれなくなった入蔵は、中入りまでいて、最後の一席を聞かずに帰りました。

 

この日は、この後、シェークスピアの原作によるお芝居を見に行く予定がありました。

 

席は選べました。

 

ところが入蔵が「何かあったらすぐに、会場の外に出られる」と思った席は通路の出口が壁で遮られて出られないのでした。

 

すると、逆に最も奥まったところにある席になってしまうのでした。

 

入蔵の席の列の皆さんは、入蔵より少しお年を召していられるように見えました。

 

ところが、その皆さんは嫌な顔一つせず、席を御立ちになり通路に出て入蔵を通してくださったのです。

 

恐縮して謝る入蔵に「お気になさらないで」「お互い様」と優しいお言葉をかけてくださる方もいました。

 

お芝居は、入蔵が見るところ、ほぼ全員(恥ずかしくて立ち上がれない入蔵を除く)のスタンディングオベーションで終演となりました。

 

入蔵は、明日(つまり今日)に向けて、気分よく一日を終えられました。

 

さて今日は、開会の挨拶もしました。

 

挨拶も、高座もまあまあの出来だったと思います。

 

おさらい会後は、ほぼ毎回、「ああすればよかった、こうすればよかった」と思うのですが、今回はそれが少ないです。

 

慢心は良くないですが、今日は良しとしたいと思います。

 

さて、7月のおさらい会は何を高座にかけようかな・・・。

 

今週も、皆さんにとって良い日々でありますようお祈りいたします。

 

では、また(^O^)/