「木曜日にはココアを」 青山美智子さん
この小説の表紙・裏表紙のミニチュアがとても素敵です。
カバー写真:田中達也さん「MINIAYURE CARENDAR」 …凄いよ~10年分のカレンダー毎日更新している。実物大のモノとミニチュアの組み合わせですね。
12話の連作短編集。一人目の物語りから11人目まで繋がっていて、最後に一人目に戻ってくる。
次々と語り手が変わっていき、それぞれの立場からの物語りに読み進めるのが楽しくなってきます。
読み始めて『あ、これ私の好きな構成だ』とメモを取ることにしました。
その為何度も行ったり来たり読み返します。
メモ書きしていなければ、すぐに混乱してしまいます。
雇われ店主のワタルから始まったけれど、実はマーブル・カフェのオーナーである
通称・自称マスターが人脈を繋いでいるのです。
名刺には MASTER と印字。
10話で登場のアッコ…“彼がマスターと呼ばれることを好む理由が、なんとなくわかった気がした。誰かのために、何かの為に、彼は起点となって人を動かすのだ”。
ワタルがココアさんに掛けた言葉が、ココアさんからもう一人の女性へと伝えられ、愛の溢れる結末へと続く。とても心が温まる素晴らしい作品。
●読んでいて、気になった部分①
7話の「カウントダウン」
シドニーでの大晦日、優がいつものようにボタニックガーデンで絵を描いていたら
細身でサラサラの茶髪の男の子からハンカチを差し出された。
「これ、落としませんでしたか」…このあと なんかかんやお話
優の悩み事を吐き出させてくれて、励ましてくれた。
この彼とのつながりは、このひとときだけで終わってしまうのだろうか。
いい出会いだったんだけど、通りすがりで終わってしまったのかな。
この本に読編があれば、二人を再会させてほしいなと思う。
●読んでいて、気になった部分②
6話の「半世紀ロマンス」
冒頭で、美佐子が「おはよう、今日もいいお天気ね。あなたも食事にいらしたの?…。」
延々とおしゃべりが始まります。
いったい 誰に話しているんだろと、何度も何度も読み返しました。
金婚式でシドニー旅行に来て 浮かれちゃってる美佐子が可愛い♪
6話の最後の方で、ご夫婦にかけたウエイトレスさんの言葉
「その鳥、ロリキートっていうんですよ。鮮やかでしょう」
え?その鳥って、どの鳥よ?出てきてないよ。
また、何度も何度も読み返しました。
たぶん、答えはこれかなと思うんだけど、確証はない。
読解力なくて、すっとこどっこいの私
以下ネタバレ注意
いっぱいのメモ書きをWord文書にしました。
A4用紙で3ページになってしまいました。
画像をクリックで大サイズになります。
読みたくない方は、このままで スルーお願いします。
もっと、完結に 相関図にしました。
図書館で借りた本なので、もし、今後続編がでることになったときに、役立つかなと思っています。
実は、義実家の最寄り駅前には書店があるので、行ったときについつい1冊購入してしまいます。
わが家近くには品揃えのよい書店がないのです。
先日買ったのは、「麦本三歩の好きなもの」住野よる氏
こちらも、面白い。
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