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銃規制法案超党派可決とNY州法違憲判決

銃規制に対する2つの動きが注目されている。一つはNY州法の銃をむき出しで携帯してはいけない、また携帯するには相応の理由を申請する、と至極当たり前の取り決めを最高裁が違憲だと断じたこと。


今回の最高裁判決は、銃に関する権利を着実に拡大する流れに沿ったものだ。銃を持ち歩く権利は、家庭と公共の場の両方について、合衆国憲法修正第2条で保障されていると判決は述べた。保守派の判事が過半数を占める(9人に対して6人が保守派。オバマ氏が大統領時代判事を指名することを、人気が1年を切ったので次の大統領に委ねるべきだと、クレームを入れ、トランプ時代には2人の判事を任命した。そのうちの一人は、トランプ任期残り一ヶ月で行われた。)


6人の保守系判事が、修正第2条が定める「武器を保有」の拡大解釈を支持を支持した。


ジョー・バイデン大統領は、今回の最高裁の判決について、「深く失望した」と表明。「常識と憲法の両方に反するもので、誰もが悩まされることになる」と述べた。
ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は、銃へのアクセスを制限する他の方法を検討すると説明。銃器購入の申請手続きの厳格化や、特定の場所での禁止措置などが考えられるとした。「ニューヨークが開拓期の米西部のようになることは許されない」


アメリカでは、3億9000万丁以上の銃が、一般市民によって所有されている。殺人や自殺を含め、銃器が絡んだ事案での死者は、2020年だけで4万5000人を超えている。


他方、米連邦議会上院は同日、銃の安全対策を強化する重要法案を可決した。
なんとミッチ・マコーネルを含む、共和党から15人も法案賛成者が出た。

(CNN) 米上院は23日夜、銃暴力への対処を目的とした超党派の法案を可決した。
連邦レベルで主要な銃規制法の制定が進むのは数十年ぶりとなる。
最終採決の結果は賛成65、反対33。共和党から15人が民主党議員と足並みをそろえ賛成票を投じた。法案は次に下院で採決にかけられ、その後は署名のためバイデン大統領のもとに送付される。


法案には精神衛生や学校安全、危機介入のプログラムに数百万ドルを充てる方針や、全米犯罪歴即時照会システム(NICS)に少年時代の記録を入力するよう各州に促すインセンティブが盛り込まれた。また、18~21歳の銃購入手続きを大幅に変更したほか、同居や結婚していない家庭内暴力の加害者などが銃を買える「ボーイフレンドの抜け穴」をふさぐ措置も盛り込まれている。


今回の法案は1994年に成立し10年で失効したアサルトウェポン禁止法以来、最も重要な連邦レベルの新規立法となる。ただ、何らかの武器を禁止したわけではなく、民主党や世論調査に示された米国民の要望からは程遠い。上院の傍聴席には最終採決を前に、歴史的な採決を見守ろうと銃撃事件の生存者など十数人が詰めかけた。


連邦最高裁はこの日、自宅外でけん銃を隠して携帯することを制限するニューヨーク州の州法について、違憲との判断を示していた。


立法府が30年近くで最も重要な銃規制法案の可決に向かうとみられる一方、司法府は銃関連の権利をここ10年で最も大きく拡大した形で、銃問題を取り巻く相反する政治的な力の存在が浮き彫りになった。


アサルトウェポン禁止法は共和党の大統領であるレーガン大統領暗殺未遂事件の影響で共和党からも賛同が得られた。それでも10年の時限法(当初5年間の時限立法として、制定された。後に5年延長された)だった。しかしブッシュ共和党政権に移行したことから2004年に延長されず、失効となった。延長されていれば、ラスベガス乱射事件、小学校・アフリカ系の教会・イスラム教モスクへの乱射も防げたかもしれない。


修正第2条は銃を愛し保持したい人たちのパワーの源だ。彼らの都合の良い、時代を考慮していない合衆国憲法の癌だと思っている。解釈で自由を履き違え、利益追及を土台にガッチリと固めているアメリカが、銃の依存を断ち切ることは容易ではない。


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