■出発前の計画
前回の遍路を終えて、次に行くのは梅雨明けを狙っていた。
昨年通りならば7月初めには行けるのではないかと考えていたが、TVでも放送された通り、今年は異常な豪雨続きの梅雨で、九州は大変な災害に見舞われた。(ちなみに、私の町はおかげさまで、全く被害はありませんでいた)
遍路に行くのも日程合わせが大変で、暇が空いても天気が悪かったり、天気が良くても暇がなかったりと…。
あまりにも梅雨が長く走り込みもできなかったので、多少の不安はあるが、これを逃すと彼岸明けまでは無理かもしれないと思い、梅雨明け宣言の翌日から出発することにさした。

今回は以下のような大まかな計画のみで、詳細な計画表は作成しなかった。


前 日:別府港23:50発=<フェリー>=八幡浜港2:20着(5:00まで船中泊)
1日目:八幡浜港→八幡浜駅=<JR>=内子駅→45番→44番→46番~53番→浅海大師堂
2日目:浅海大師堂→54番~64番~萩生庵(善根宿)
3日目:萩生庵→65番~67番→71番→70番→68/69番→観音寺駅=<JR>=八幡浜駅→八幡浜港=<フェリー>=臼杵港


今回のコースは、大師堂・善根宿・安宿も点在しているので、テントを持たずに寝袋だけ持って行くことにした。
しかし…この夏の時期故に大変になるのだった・・・。

 

■1日目 ー 2012年7月24日(月)

●別府港からフェリーに乗って八幡浜へ
私の住む町から四国へ渡る場合は臼杵港が近いのだが、仕事の都合で夜中の便しか乗れず、今回は真夏と言うこともあり、寝不足で体調が崩れないように考えて、少しでも睡眠がとれるように、少し遠いが別府港23:50発→八幡浜港2:20着・5:30まで船内休憩できる便で行くことにした。(これならば5時間以上は睡眠がとれる)
乗船後、早速眠り薬のアルコールを飲んで休んだ。
●内子からStart!久万高原へ
始発便で八幡浜駅から内子駅までJR輪行し、スタート!
今回は大師堂・善根宿泊のなので、寝袋以外のテント等のキャンプ道具は持ってこなかったので、約2kg以上軽くなっている。、
先日まで開催されていた「ツール・ド・フランス」を見ていたせいか、テンションは高く、出足は快調!朝の涼しい空気の中を軽快に飛ばした。
 「真弓峠」越えが第一の難関だと思っていたが、今回はきつく感じなかった。
その為、「道の駅みかわ」まではノンストップ。
久万高原は涼しいかと思っていたが気温は26℃。

岩屋寺も暑く、自転車で走るよりも登山の方がきつく感じた。
岩屋寺も四国開創1200年に向けて「遍照閣」の改装工事に着手していた。
大宝寺までの道はアップダウンの多い、今回の第2の関門。
気温もさらに上がり、水分補給を怠らないように注意したが、それでもたどり着いたときにはかなり体にこたえていた。

 

45番岩屋寺

●三坂峠越え
大宝寺下のコンビニで早昼をとり第3の関門、三坂峠越え。
三坂峠までは傾斜のきつい坂ではないが、東明神の手前で右膝が痛み始めてきたので、一度休憩を取ることにした。
この右膝は若いときに空手をしていたときに痛めたのをきっかけに、必要以上に無理をしたときなどに悪くなることがあった。
東明神の手前から松山方面に自動車専用道路が開通しており、車は三坂峠を越えずにトンネルをくぐれば塩ヶ森にたどり着くようになっていた。
残念なことに歩行者・自転車・原付は通行できないのでメリットはないが、車の通行がほとんど無くなっているので、快適だった。

●松山は熱気!
53番円明寺まで、松山市内の熱気は異常で、町中に表示されている温度計は34℃!

暑さのせいか、耳がボワンボワンしたり、動悸がしてきた。

もしかしたらこれが熱中症の初期症状かも…と思い、札所に寄る度にクールダウンのために長めに休憩を取り、水分補給をしながら進んだ。
それでも53番円明寺に着いたのは4時前で、思っていた以上に早くたどり着くことができた。
さぁ、ここからどうするか?時間も早いので一気に今治まで行くか?予定通り浅海大師堂に行くか?それとも途中で宿を見つけて泊まるか?…と色々考えた。
今治までは、無理すれば行けないこともないが、今の体調では厳しく、途中の宿を色々と探すが、私が調べていた「シーバMAKOTO」は素泊まり8000円以上と高く、「コスタブランカ」は閉館、「北条YH」は評判悪いし、他の宿を探すが見あたらない。
とりあえず、予定通り浅海大師堂にお世話になることにした。

●浅海大師堂
浅海大師堂の近辺には風呂・食事処が無く、途中で「シーバMAKOTO」で風呂を…と思ったが、そこから浅海大師堂までは5km近くあるので、風呂に入っても意味はなく、とりあえずコンビニ食で夕食を済ませて浅海大師堂に向かった。
浅海大師堂に着くと、まずは蚊の大群の歓迎!たまらん(>_<)
とりあえず、汗を流そうと境内の水道を借りて水シャワーを浴びた。
近くに酒屋はあるのが救いで、何とか落ち着くことができた。
今日は誰もいないので、10畳ほどのお堂で一人。
お堂は結構きれいで、2部屋あるので、男女別に寝ることも可能なようだ。
それにしても蚊が多いので、蚊除けのスキンローションを体中に塗って寝た。
また、あまりにも蒸し暑くて眠れず、寝袋に入らず上半身裸で寝またが、これが失敗!

背中をダニに食われ、帰ってからも暫くはかゆみが納まらず大変だった(>_<)
日頃如何に楽して寝ることができていたかと思いしらされた。

 

■実走記録 実走距離=129km
別府港23:50分発 ~フェリー輪行/2:25分~ 02:15分着八幡浜港05:00分発 …1,7km/5分… 05:15分着JR八幡浜駅 05:35分発 ~鉄道輪行/12分~ 06:10分着JR内子駅06:30分発 …42.7km/1:53分… 08:23分着道の駅みかわ08:40分発 ~…8.2km/20分… 09:00着45番岩屋寺09:43発 …10.6km/41分… 10:24着44番大宝寺10:48発 …1.8km/5分… 10:56分着サークルK久万入野店(昼食)11:25分発 …18.2km/57分… 12:23着46番浄瑠璃寺12:43発 …0.9km/4分… 12:47分着47番八坂寺12:58分発 …46km/12分… 13:10分着48番西林寺13:22分発 …3km/15分… 13:37分着49番浄土寺13:48分発 …1.6km/7分… 13:55分着50番繁多寺14:06分発 …2.7km/10分… 14:16着51番石手寺14:34発 …11km/42分… 15:16分着52番太山寺15:36分発 …2.6km/6分… 15:42分着53番円明寺16:20分発 …18.7km/01:27分(途中、夕食)… 17:47分着浅海大師堂

【GPSによる実測記録】

 

 

■2日目 ー 2012年7月25日(火)
●朝焼けの中を今治へ
朝5時起床、大師堂に御礼の勤行を済ませて、朝焼けの中を出発。
今日は朝から右膝が痛く、時々抜けてしまいそうな感覚もあったが、ここから仙遊寺までは、平地続きなのでそのうち良くなるだろうと思っていた。
瀬戸内海沿いのこの道は今まで輪行だったので初めて通った。

この道は自転車で気持ちよく通れる最高の道だ。
遍路でなければ、ここからしまなみ海道を走ったら気持ちいいだろう。 

途中、菊間のサークルKで朝食休憩。

その横に「偏照院」という風格のあるいいお寺が有った。
後で調べると、厄除けで有名な真言宗・豊山派のお寺だった。
途中、星の浦海水浴場をのぞくと、遍路らしき人がキャンプをしていたので少し話し込む。
その人の話だと、東屋もあり環境はよいが、昨日は暴走族が走り回りうるさかったそうだ。

 

菊間のサークルKと隣の遍照院

●今治巡拝
54番延命寺に着くと、何人かの人が納経所が開くのを待っていた。

55番南光坊~57番栄福寺まで順調に進んだ。
しかし、日が昇るにつれて気温も上がり、風が熱風へと変わっていく。
仙遊寺に登る手前の遍路小屋で水補給と休憩をとり、気合いを入れて、一気に山門までの坂道を駆け上がった。
第1回目はきつく感じたが、今回は坂道の傾斜もきつく感じず、距離も短く感じた。
しかし…山門からの遍路道を上がり始めると、右膝が異常に痛み始めた。

仙遊寺に着くと、54番から同じようなペースで進んでいた車遍路の方に少し遅れて私が到着すると「速いね~」と驚いていた。

ほぼ平坦な町中なので、近道を使えば車と変わらないスピードで進めるのだ。

登りのみならず下りも右膝に重心をかけると痛みが走る状態になっていた。
それでも何とかなると思いつつ湯浪に向けて出発。

星の浦海水浴場

  

54番延命寺/56番泰山寺/58番仙遊寺

●湯浪の途中でリタイヤ
湯浪に向けては伊予三芳の方を通ったが、初めて通るのでスマフォの「自転車ナビ」を使って案内してもらった。
以前は、携帯のナビは使い物にならなかったので、SONY・NV-U35を使用していたが、スマフォに変えてからは、中々使えるナビアプリも多くなった。
GPS記録も「BIKE-MATE GPS」というアプリでできるのが、スマフォの電池がすぐになくなるので、記録はGPSロガーを単体で使用。
湯浪に到着したときは昼近くと言うこともあり、かなり体力が消耗していた。
コンビニで昼食をとった際に、汗で濡れたおいずるを地面に広げて置いておくと、食べる間に乾くような暑さだ。
昼食後、体力も回復したので、いざ、横峰の遍路道に向けて出発。
しかし、右膝は痛みが増してくるばかりで、遍路道入口まではなだらかな坂なのだが、ペダルを漕げるような状態ではなくなってきた。
この状態では横峰遍路道を歩いて登ることも厳しいだろう。

登りよりも下りの方が厳しいだろうと思い、今回はあえなく、ここでリタイヤと決めた。

残念!
そのまま伊予小松から輪行して帰路についた。

無情に日は沈む…天気は上々だったんだけどな~

 

■実走記録 実走距離=71.8km
浅海大師堂05:30分発 …18.5km/1:17分(途中、朝食)… 06:47着54番延命寺07:06発 ~3.8km/12分… 07:18着55番南光坊07:31発 …2.9km/14分… 07:45着56番泰山寺08:00発 …3.1km/13分… 08:13着57番栄福寺08:22発 …2.8km/30分… 08:52分着58番仙遊寺09:24分発 …8.8km/30分… 09:54分着59番国分寺10:14分発 …19km/1:05分 11:19分着湯浪コンビニ12:04分発 …3.6km/18分… 12:22分湯浪の途中Uターン …7.7km/30分… 12:52分着JR伊予小松駅13:00分発 ~鉄道輪行/1:54分~ 15:06分着JR松山駅15:36分発 ~鉄道輪行/2:28分~ 18:04分着JR八幡浜駅18:09分発 …1,7km/5分… 18:14分着八幡浜港18:45分発 ~フェリー輪行/2:25分 21:10分着臼杵港

【GPSによる実測記録】

 

 

■今回の遍路を振り返って
●リタイヤと古傷
休火山もいつ活火山に変わるかわからないように、まさかのまさかで、こんな時に古傷がよみがえって支障をきたすとは思わなかった。
若いときに「極真空手」という知る人ぞ知る激しい武道の世界に身を置いていたために、無茶なトレーニングをしており、その時に痛めていた古傷だった。
当時はその傷をウエイトトレーニングで筋肉武装して補っていたのですが、やめてから10年以上経過すると、筋力も落ちてしまっていたようだ。
自転車のトレーニングだけで十分と思っていましたが、やはり、トータル的に筋力トレーニングをしていなと体全体のバランスがとれないことも感じた。
自転車のトレーニングにおいてはウエイトトレーニングは重要視されず、むしろ心肺トレーニングのみに偏っている。

外人は元々その体質から筋力があるが、日本人はその素養がない。
自転車のロードレースで日本人が勝てないのは、このあたりの筋力トレーニング不足ではないかとも思う。
やはり自転車トレーニングだけでなく、故障を防ぐために筋力トレーニングも平行して行っていく必要性を感じた。
また、今回はサポーターや湿布薬を持って行っていなかったが、これも必需品のようだ。
この薬の中でも「ボルタレンゲル」が即効性があり、塗る頭痛薬(ノーシンやバファリン等)と言われるほどよく効く。
ただし、これは劇薬になるので、薬局では売っておらず、医師の処方か個人輸入でないと手に入らない。
やはり、調子がおかしいなと思ったときに休んで患部をよく冷やして、回復を待ちながら無理をしないように進むべきだった。

 

●今回の荷物と宿泊
今回はキャンプをせずに大師堂・善根宿に泊まる予定だったので、25リットル程度のバックパック一つで十分で、重量も半分程度に減った。
大師堂・善根宿に泊まれないときは安宿を探して泊まろうと考えていたが、廃業していたり、予想以上に値段が高い所もあった。
ここ2~3年、遍路も減ってきているようで、遍路宿も廃業に追い込まれているところも多々あり、少ないが故に値上げしているところもある。
また、ネットで調べると非常に評判の悪い(態度・衛生面)ところもたくさんある。
全国的にはホテルの宿泊料というのは格安なものが増え、都会でも1泊3千円以下のビジネスホテルも沢山あり、それに比べ、四国の遍路宿は割高だ。
設備や料理を見る限り、遍路以外なら選んで泊まったりはしないだろう。
ただ、遍路ですので贅沢や不平不満は禁物なので、宿の善し悪しやサービス・金額を気にするならば、テント遍路が一番だろう。
雨が降ったときのみ利用する程度に考える方が不平不満も出ず、有り難く泊まれるだろう。
また、今回は大師堂を利用したが、夏故に蚊とダニにやられて大変だったので、やはり風呂屋近くの公園にテント泊が良かったと思った。
また、少量の荷物でも背負うよりも、バニアバックの方が体は楽ではないかな…とも感じた。
行った度にいろんなトラブルに見舞われても、やはり自転車遍路はやめられず、私のライフワークの発憤材料になる。
やがり「遍路 is My Life」だ!

 

 

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