町田レコ屋⑮ | レコ屋巡りの夜

レコ屋巡りの夜

塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

(町田レコ屋⑭のつづき)

SOUL棚から珍しく結構抜いた男は手を緩めない。その隣にほんの30~40枚程しか入っていない BLUES コーナーに手を付ける。すると(レコを)抜ける時は抜けるもので、今度はこれが出てきた:

 

John Hammond - Big City Blues ( Vanguard VRS 59153 ) NZ盤? LP F/B 裏ジャケ青テキスト MONO 1964年? 900円

 

ウッ、ジョン・ポール・ハモンド!USホワイト・ブルースの始祖みたいな人である。その2ndアルバム。既にこのレコを2枚持っていて、その2枚共に少なくとも60年代~70年代初期に出た2nd & 3rdプレス。

 

下がその写真(全てレーベル同様、ジャケのトリミングが違う。今回見つけたのは右端):

 

プライス・タグには『USオリジナル 茶レーベル MONO』とある。遂に1stプレスに辿り着いたか!しかも10%オフの900円といつもの3桁である(ジョン・ハモンドも3桁購入を十字架にして背負う男=安いから複数枚買ってしまう)。一応レジにてコンディションを見てみると…60年代初期に出たものだから期待はしてないが、ジャケ同様まぁまぁまぁという感じ。同じ年に出たDylanの ”Times they are…” オリジナルをEXで見つけるのが困難でしょ?値段も値段だし文句を言ってはいけない。

 

しかし裏ジャケが…

汚れているのは良いんですが、米国プレスでF/B(上下または3辺後ろ側に折り返したジャケット)?米国プレスにそんなのあったっけ(汗)?そんなジャケット見たことない&多分1枚も持ってない。自分が知らないだけか?しかもテキストが青い!当時のレコは国内盤を含めて、大抵裏ジャケに母国語でライナーが載っていたんですが、米国プレスって黒文字(テキスト)しか見たことないよ。こんなのあるの?茶レーベルもどうも違和感がある…。とまぁ何でもいいや、オリジナルっぽくって安けりゃと購入(笑)。

 

で、家に帰って調べたら(@Discogs) こんなUS盤載ってない!えっ、オリジナルじゃない!? ってかUSオリジナルは赤レーベルだって。(ヌアアアァ!)知らねーよ、んなもん。

 

ではこれは…と調べると、何とニュージーランド・オリジナル盤らしい(爆笑!)。まぁ良いですよ、NZ盤も好きだしね。因みにジャケにもレーベルにも"NZ" も "New Zealand" の文字もなし。それでDiscogs はどうやってこれをNZ盤と判定したんだ?謎だ(笑)。

 

 

 

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因みにレジで検盤しているとき、あの豪快な段ボール買いをしていた白人掘り師がレジにやってきた。これまた豪快にレコ満載の段ボールをレジにドカンと置き、「おねぇちゃん、検盤プリーズ!」的な感じで何か話している。一体何を買ったん?とチラッと見たら、"Beck - Mutations" が見えた。えっ、ジャズを漁ってたんじゃないのか?と少し引いたが、なぜか私はその白人掘り師から逃げるようにそそくさと退店した。

 

今日は珍しく大量に買えた。そうそうある事じゃないし、今日は(レコ神が)来てるんじゃないのか?でも結構金を使っちゃったしなぁ…と思いながらもあの白人掘り師を思い出し、

 

『町田を…町田レコ屋を守らねばならん!』

 

と訳の分からぬ使命感が、掘り師魂に火を付いた。燃える男は店を出て駅に向かう交差点を真っすぐ突っ切り、70年代レコを扱う2店のレコ屋を目指した。この2店がD店から離れてるんですよ、マジで。特に昨年?オープンした個人店のD店なんか、もうちょっとUnion D店寄りに開店すれば良かったんんじゃないのか?だからなかなかこの2店には行きづらいんだよなぁ…と歩き続ける。小田急線の踏切を超え、受験生がウロウロしている河合塾の前をすり抜け、小学校のグラウンドの脇をスルーして、歩くこと約15分。やっと雑居ビル2Fの個人店のD店に到達(ハァハァ…汗)。

 

これは以前行ったときに撮った写真。頑張れDARE RECORDS!

 

前回行った時から1年は経ってないと思うけど、今回は…と狭くて暗い階段を駆け上がってギギギ…とドアを開ける。フ~…狭い店内に他の客はいない(ホッ)。あの掘り師が来るやもしれんと、早速 "ROCK A" から掘り始める。

 

前回来た時も思ったんですが、全体的にセールじゃない時の帝国主義D店という感じの品揃え。特別高額な廃盤はないけど、そこそこレア~安い国内盤&再発&時々オリジナル盤という構成か?掘っていくと、自分が持っているのがチョイチョイ出てくる。しかも自分が買ったより安く(ヌアアァ!)。持ってなかったら当然買ってたな(涙)。

 

結局 ROCK ~ HARD ~ PROGRESSIVEとロック系では何も見つからず、今度はJAZZに移動するがここでも「ウッ!」と来たものが2~3枚出てくるも、既に1店目で果てしなく買ってしまったために自重する(何をしにここまで来たのでしょう、私は?)。

 

そして SOUL棚に移動して目の前に飾られているレコに目が留まる:

Booker T. & Priscilla - S/T ( A&M SP 3504 ) US PROMO 2LP 見開きジャケット 白レーベル 1971年 2,500円

 

これは狙ってた奴だ!…と言ってもそう珍しくもないんですが。偶に見かけてきて、これで4度目だろうか?大抵コンディション不良 or 高プライスでここまで全てスルー。内容は良いんですよ、これ。BOOKER T先生だし、嫁さんの Priscilla Coolidge (リタ・クーリッジのお姉さん)だし。プリシラの唯一のアルバムも良いし、夫婦で出した3枚のアルバムも全て名盤だと思う。だけどいつも値段とコンディションが…。

 

これもかな…とプライス・タグ見れば何と、『US PROMO 白レーベル』とあるではないか!因みにこの店、盤質がやたら良いんですよ。以前買ったレコも、検盤して結局買わなかったレコもどれもこれも極美品ばっかり(ハァハァ…)。プロモの白を買わないなんて、我が辞書に存在せんわい!と確保決定(ホッ)。

 

しかしレジにて検盤すれば…

 

ジャケの各角にテープが貼ってあるでやんの(涙)。酷いぜ、店長これはよぉ…。いくら盤が2枚とも白で極美でも。どうするよこれ?やっぱり今回も止めか?今までスルーして来たのは通常レーベルだしなぁ。きっとジロジロとジャケを見ている私を見て店長も、

 

「ああぁ、この人もキャンセルするんか。売り上げが…」

 

と思っているに違いない。他に買う予定なのが下の300円レコ1枚なので、これをキャンセルするのも気が引けるし、何しろ極美の白(レーベル)をスルーしたら後々夢に出て来そうだ。…で、結局購入(笑)。本日2枚目の BOOKER T先生でした~。

 

流石に素晴らしき名盤です。

 

 

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この店の素晴らしいのは、安レコも充実しているところ。店内狭いけど棚の下には300円~100円レコも結構な数がある。逃げ場のあるレコ屋は入りやすいんですよねぇ(嬉)。

 

下段のレコ箱を掘り返していると、これまでチョイチョイ見つけていたけどスルーすること20年以上のレコが出てきた:

 

Buck Wilkin - S/T ( United Artists UAS - 5541 ) US LP 見開きジャケット 1971年 300円

 

こんなジャケットじゃぁ売れんよなぁ(笑)。それでも300円だしなとレジにて検盤すれば、豪勢な G/F(見開きジャケット)ではないか!金掛けてるってことは、レコ会社も売れると見てそれだけの予算を組んだのか?

 

 

どうやら真ん中の赤黒シャツの眼鏡男が主人公らしい。全く分からんけど、分からんから楽しみだと結局購入。家に帰ってこの Buck Wilkin なる人物を調べれば、何てこった!Discogs に映ったこの男 (US SSW ) の1st アルバムを私は持っていたぞ!しかも国内盤(赤盤)で!下がその1st アルバム:

 

 

で、今回買ったのが彼の2nd アルバム。何で気が付かなかった?名前がね… John Buck Wilkin ⇒ Buck Wilkin に変更してた(笑)。

 

内容ですがジャケットから全く期待してなかったんですが、1st とは打って変わってスワンプ色の濃い、結構ブルース寄りの作品!マジか?当たったよこれ!1st もなかなか良いんですが、方向性がかなり違う。

 

ジャケは酷いけど、内容は好みで良かった(嬉)。

 

因みにさすがに金が尽き、3店目のレコ屋は断念(涙)。

 

こういう適当に買っても偶に当たるから、レコ掘りは止められんのです(結論)。掘り師の旅はつづく…。