平安時代の陰陽師・安倍晴明が活躍する夢枕獏の小説シリーズを原作にし、安倍晴明が陰陽師になる前の見習い学生(がくしょう)時代を描いたオリジナルストーリーをこういう系の主役と言えばこの人、山﨑賢人主演で実写映画化した『陰陽師0』

本編は今昔物語集にも綴られている通り、晴明の育ての親で、陰陽博士・賀茂忠行にその才を見いだされ陰陽道の全てを教え込まれた晴明が、まだ無名の学生ながらも、巻き込まれる怪事件で陰陽道の術で解決して徐々に頭角を現し、かつて自身の両親を殺害した犯人の記憶を思い出していく展開で、夢枕獏の小説の本編でもパートナーとして登場する、貴族で龍笛や琵琶など自在に奏でる雅楽家・源博雅(染谷将太)が、晴明と出会い、お互いが関わる怪事件を調査するなかで少しづつ打ち解けて友人となるまでも本作で描かれていて、まさに小説・陰陽師シリーズの前日譚といえるお話です。★★★☆70点

今さらなんで陰陽師?ってなりますが、呪術を使う戦闘シーンとか、ワイヤーアクションっぽい動きとか、花が咲き乱れていくシーンとかのVFX 技術は今だからできるクオリティだと思います。

個人的に安倍晴明を山﨑賢人くんが演じるとどこかと狡猾さにかけるというか、クリーンだけと傲慢な感じが強くてちょっと違和感がありました。若かりし頃はこんな感じだったのかなぁと言われればアリですが、ゴールデンカムイやキングダムほどしっくり来なかったです。。。

インテリクールなキャラはあわないのかなぁ。。。

週刊少年マガジンに連載されている金城宗幸原作の異能系サッカーマンガ「ブルーロック」に登場する天才FW凪誠士郎の視点で展開するスピンオフ作品をアニメ映画化した『劇場版ブルーロック-EPISODE凪-』

「ブルーロック」は日本をW杯で優勝させるために全国から集められた有望な高校生ストライカーたちの中から世界最強のストライカーを選び出すためにブルーロックと呼ばれるサッカー選手育成のために造られた監獄のような施設に缶詰にされて、登場するストライカーたちが、各々の利己主義(エゴ)をぶつけ合い、覚醒・成長し、ライバルたちを蹴落として最後まで生き残り、最強の超エゴイストストライカーを目指すお話です。。。と言いながら私自身は原作マンガも本編のテレビアニメも全く見たことなくて、このスピンオフの劇場版がブルーロック初見になります(笑)

劇場版の方はテレビアニメ(ブルーロック本編)の主人公・チームZの潔は完全に脇役で、サッカー経験の無かったゲーマー少年・凪と、彼の才能を見いだし、サッカーの世界に率いれた財閥御曹司の御影玲王を中心に物語が進行し、彼らが出会い、玲王がまるでサッカーに興味もなかった凪を巻き込み、ブルーロックに挑んでいく展開なので本編を知らなくても特に問題は無かったです。

全く鍛えてもないのに常人離れした身体能力やボールさばきはありますが、内容的にはハイキュー!!とかに近い結構ガチなスポ根モノの印象です。

火や暴風を放ち、すごい軌道でゴールするシュートや、消えるとか分身するとかもっと異能系の必殺技とかあるのかと思っていたので、その点は個人的には物足りなさはありますがこれはこれで結構原作マンガも読んでみたくなりました

★★★☆70点

 

チームで闘うサッカーなのにどれだけ利己主義であるかのエゴイストなヤツほどトップに立てるとか、その利己的な願望に基づく特殊能力を覚醒して強くなっていくとか、流石人気のサッカーマンガだけに、中二病心をくすぐる要素も満載です。。。テレビアニメのアナザーサイドのお話なのでちょっと総集編的な感じもありますね

来場者特典一週目は公開記念書き下ろし漫画「ANOTHER ブルーロック-EPISODE 原宿-」

二週目は同じく書き下ろし漫画「ANOTHER ブルーロック-EPISODE 表参道-」なのでちょっと二週目も欲しくなりますね

アニメーター塚原重義制作の長編アニメ『クラメルカガリ』

昨日鑑賞した『クラユカバ』のスピンオフ作品で、あちらは集団失踪事件を追う探偵ものでしたが、こちらは元監獄だった“箱庭”と呼ばれる炭鉱の町で、採掘によって地下トンネルだらけで地盤沈下も頻発し日々地形も変わるために町の地図を作成する“紡ぎ”と呼ばれる地図屋を生業とする主人公の少女・カガリが、友人で同じく地図屋で掃き溜めのような今の生活から抜け出したいと野心を持つ少年ユウヤと協力して、少し危険な区域まで潜り込んだところの地図を作っていたところ、地下にはびこる悪党集団とつるんで、怪しいロボットを使ってカガリのいる区域を攻撃しようと企んでいるところに迷い込み、命からがら逃げ出すも、敵さんが容赦なく攻め入ってきて、炭鉱街の派閥同士が戦闘ロボットと激しい銃撃、爆撃戦に突入し、カガリたちも巻き込まれていくお話

こちらもスチームパンクっぽいところは良いのですが、主人公のカガリの顔の傷についてや、少しだけ垣間見えた箱庭で修理工を営む朽縄博士とその助手の詳細な過去についてや、情報屋の伊勢屋と結局なにしに来たのか中途半端だった調査員シイナとの関係など、登場人物について語られていないことも多くて、それだけでもスピンオフ作れそうな感じなのがもったいないところ。。。★★★☆75点

その背景がもっと明らかになれば面白さも倍増しそうなのに残念。

カガリの住む区域の狛犬市場で代表兼用心棒を勤める青年・栄和島はなぜかバーテンダーみたいな格好で、情報屋・伊勢屋の雰囲気とか、この二人ってどう見てもデュラララの平和島静雄と折原臨也って感じだなぁ(名前も近しいし)と思ったら、クラメルカガリのシナリオ原案はまんま「デュラララ」の作者・成田良悟さんでしたね。チョイ役どころか重要なキャラをオマージュしてるとか、なかなかアツイです。

劇場版名探偵コナンの27作目、北海道の函館を舞台に怪盗キッドと五稜郭にまつわるお宝騒動を描いたミステリー『劇場版名探偵コナン100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が毎年恒例のこの時期に公開

今回「刀」がテーマで、剣道の得意な服部平次が登場しますが、真剣とか普通に振り回したらだめな代物なのに服部くんも結構平気で刀を抜いて打ち合うとかちょっと子供も見るアニメ映画で大丈夫なの?と心配になります(笑)

キッドと服部平次って結構定番キャラな気もしますが、キッドはこの年明けのを除けば劇場版4作ぶり、平次に至っては6作ぶりなんですね

今回はキッド以外にも青山剛昌先生のマンガ『YAIBA』の鬼丸猛も登場しています。私は『YAIBA』はよく知らないのですが、突然強そうなキャラが出てきて、服部平次も誰?とか言ってたのでコナンのキャラではないなとは思いましたがなんと『YAIBA』ともコラボとは。

ストーリー的には、あちこちに伏線が張られていき、オールスターキャストたちがタイミングよく手がかりを見つけてくれて、敵対組織に先を越されたり邪魔されたりしつつ真相にたどり着いていく、ファミリー映画には似つかわしくない本格的なミステリーなところはコナンらしい内容でした。お約束のようなラストになりましたが、その前の平次の見せ場はちょっとベタですが思わずグッと来てしまいました(笑)

流石コナンにハズレ無し★★★★85点

 

ストーリーよりも驚かされたのが、おまけシーンの工藤新一の父のカミングアウト。

キッドこと黒羽快斗と、工藤新一が似ているのと、声優が同じなのは同じ青山剛昌原作だし、ネタだろと思ってたのですが、え?まさかそんな設定だったのと、一気に繋がって辻褄が合うところはかなり衝撃でした

これは黒の組織のボスの正体以上に今後の展開も気になるところです

ディズニー&ピクサーのこの夏の新作映画「インサイドヘッド2」公開を記念して、コロナの影響で公開されなかったディズニー&ピクサーの泣ける名作アニメ映画が特別料金(1300円)で公開中

その1本『ソウルフル・ワールド』を観てきました

当時遅れて劇場公開されると思っていたら、Disney+での配信に切り替えられたために劇場でみれなくなっていた作品です

ジャズに魅せられ本業にしたい中学校の臨時音楽教師が憧れのサックス奏者のいるジャズバンドからの誘いを受けて舞い上がって、不注意でマンホールに落ちて命を落とし、魂(ソウル)となるも、その死を受け入れられずあの世に行くのを拒んで強引に後戻りしたら、生まれる前にどんな人間になるかを決める世界に迷い込み、そこでどんな人間にもなりたくない問題児のソウル・22番に出会い、22番のメンターとなり、自身は元の世界の体にもどるために、22番には「人生の煌めき」を見つけてもらうために共に奔走するお話です。

たとえやりたいことが叶ったとしても、満足のいく結果になるとは限らない、誰かを満足させるには見て、聞いてだけではなく、実際に触れて、体感してみてこそ。

何かになるために生まれてくるのではない、生きていく中で自分の道を自由に決めていけるものという、「生きる」とはなにかを考えさせられる哲学的な内容です。。。★★★65点

レビューサイトでも比較的高評価な作品ですが個人的には思ってたほどささらなかったです。

この映画はディズニーが急に配信のみに切り替えたことで色々と公開に備えていた劇場側もコロナに加えて大打撃だったようで、このあとしばらくディズニーと劇場の関係が悪くなって、よく利用しているTOHOシネマズなどで観たいディズニー映画が公開されなかったすることもあり、大人の事情に顧客が巻き込まれて散々だったのを覚えています。

まぁ、作品自体には罪はないのに、良い作品が観れないのは残念でしたが、遅れた公開とはいえ、こういうお得に鑑賞できる機会があるのはうれしいですね。

配信で家でも観れますが、映画はやっぱり映画館で観たいものです

今回は本編とおまけで短編アニメ『夢追いウサギ』も同時上映されます。絵のタッチとかちょっとピクサーっぽくないアニメ映画なんですがこれはこれでほっこりします。