昨日の東京は、カンカン照りで最高気温が30度を超える真夏の日だった。
日本ダービーにつき、簡単に回顧したい。
(写真はKo-Meiさん)
現地で見ていたが、芝の4R、7R、8Rの青嵐賞までは、ミドルorスローの流れを
差し馬が勝っていて、外差しが効くな・・と安心してみていた。
ところが、ムードが一転したのは、10Rの3勝クラスの「むらさき賞」。
6番人気のヒルノダカール(池添騎手)が、大外枠から果敢に逃げて、1:45:4の
好時計にて2馬身差で押し切ってしまった。
3年前のロジャーバローズが勝った日本ダービーと、最高気温、天候などが酷似。
「前の馬に、押し切られるかも」という心理が、ダービーの各陣営に働いた気がする。
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レースでは、大方の予想通りにドレフォン産駒の⑭デシエルトが逃げる形になった。
但し、今回は6枠から外に、皐月賞上位組の差し馬達が軒並み入っている。
デシエルトのラップは、5F 58.9→10Fで1:58.2。二番手集団も、実力では有力馬達に
一歩譲るだけに、早めに前につけるタイトなラップが続いた。
3年前のロジャーバローズの勝ったレースのそれに近い。57,8(リオンリオン)→1:58.7。
一方、昨年のダービーは60.3→2:00:1と、スローからの究極の瞬発力勝負であった。
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勝ったドウデュースは、弥生賞、皐月賞と見ていて、コーナリングが余り巧くはない。
そのために、皐月賞でも後方から一気に脚を貯める競馬をしたのかなと思っていたが、
昨日も4コーナーでは、曲がる時に少し騎手が苦労しているようだった。
しかし、ハイペースをじっと待ち、皐月賞馬⑮ジオクリフの後ろにつけ、直線で上手く
不利なく外に持ち出した武豊騎手のレース運びは天才的で、やはり場慣れもしている。
最後は力強く抜け出し、2013年キズナ以来、6度目の日本ダービー制覇を達成した。
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2着のイクイノックスは、道中14番手だったドウデュースの更に後ろの16番手から
追走する形になった。
2点あって、3コーナーからの勝負所で、前のキラーアビリティを捌くために内に入って
直線で外に出すのに手間取った。スムーズだったドウデュースに比べてロスがあった。
次に、道中ではドウデュースの少し前で運べなかったのか、という点だろう。
しかし、まだ体質が本格化しておらず、馬なりの中間調整を続けていて馬体重-8kg。
そして調教師からも「必ずしもこの距離向きではないかも」と言うコメントはあり、そこに
一抹の不安があった分、馬のリズムに合わせてあの位置になってしまったと思う。
最終的には上り最速(33.6)、ダービーレコード2:21:9のタイの時計だった。
(残念だったが)、その才能は存分に見せてくれたと思っている。秋の飛躍に期待したい。
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3着の③アスクビクターモアは、このハイラップを内枠から2番手。直線の入り口で
堂々と先頭に立ち、最後まで3着に粘り込むという、もの凄く強い競馬を見せた。
これが、ロジャーバローズやカレンブーケドールなどがこのコースで激走を見せてきた
パターンであり、ディープインパクト産駒の東京芝2,400mでの高速適性に他ならない。
皐月賞で先着を許した何頭かには逆転を果たし、この馬も前途洋々だろう。
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4着のダノンベルーガも、これまでのダービーレコードより速い2:22:3で走っていて
十分に力は見せている。この馬には、初の真夏日の暑さが少し辛かったかもしれない。
ドウデュースは小倉で、イクイノックスは新潟でデビューして、暑さを経験していた。
少し離されたが、青葉賞馬のプラダリアも先行して5着に善戦した。2走前の未勝利と
比べてタイムを6秒以上短縮していて、こういう馬は走る。これからも出世するだろう。
6着のキラーアビリティも、ディープインパクト産駒の適性を活かして、巻き返してきた。
真夏の小倉を勝った馬で、暑さの経験もあった。昨日は9割5分の仕上げでの結果と思う。
7着のジオグリフは、外の⑮番から道中馬を前に置けずに、少し行きたがっていた感。
大箱のコースで微妙に1頭分だけ外々を回って来ていて、直線で伸びきれなかった。
最後に、ピースオブエイトも頑張ってくれたが、昨日の結果は早々に脱落して最下位。
この馬には距離が長かったと思っている。
以上、レースレコードとなり競馬的には素晴らしかった、昨日のダービーの回顧でした。