秋の苗場山「祓川登山口から、紅葉と天上に浮かぶ空中湿原を眺めに行ってきた♪」

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苗場山とは?

 苗場山(なえばさん)は、新潟県南部、長野県北東部の県境に位置する、標高2,145mの火山。日本百名山、新潟100名山、信州百名山の一つ。その山名の由来は、「頂上の広い沮洳地が田形をして苗の如きものを生じているから」(日本百名山 [ 深田 久弥 ])……らしい。

駐車場・アクセス

駐車場:祓川登山口駐車場(有料:500円)を利用。トイレ前の駐車スペースの他に、シーズン中は臨時駐車場があるみたいです。なお、冬季はスキー場となるため、町道苗場線は通行できなくなります。

アクセス:基本的にはマイカーを利用。マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。交通機関利用の場合には、JR越後湯沢駅からタクシーを利用。または、JR越後湯沢駅東口から路線バスに乗り、かぐら三俣スキー場前で下車してタクシーを利用。

南越後観光バス:http://www.minamiechigo.co.jp/
ゆざわ魚沼タクシー(登山口送迎):https://yuzawa-uonuma.com/

今回のコース

祓川登山口駐車場(トイレあり)標高1,216m
↓ 25分 ↑ 20分
和田小屋 標高1,373m
↓ 70分 ↑ 60分
下ノ芝 標高1,703m
↓ 45分 ↑ 35分
中ノ芝 標高1,481m
↓ 25分 ↑ 20分
小松原分岐 標高1,993m
↓ 20分 ↑ 20分
神楽ヶ峰 標高2,024m
↓ 20分 ↑ 25分
雷清水 標高1,880m(水場)
↓ 50分 ↑ 45分
苗場山(山荘にトイレ・売店あり)標高2,154m

標準コースタイム:13.7km・8時間
(ロガー計測値:14.4km・8時間30分)

撮影日:2021年10月5日

祓川登山口から10月の苗場山へ

 2021年10月5日、苗場山に登ってみようと思い立ち、登山口の一つである、祓川(はらいがわ)登山口の駐車場を目指して車を走らせた。


「中央の丘が苗場山山頂」

 国道17号線から、かぐら・みつまたスキー場の駐車場内に入り、右奥に続く町道苗場線を行く。若干、道幅が狭いものの、最後までアスファルト舗装の走りやすい道だった。


「祓川登山口駐車場(有料500円)」

 祓川登山口駐車場には、午前7時20分頃に到着。トイレ(水洗で綺麗でした)に寄った後、散策の準備を整え、午前7時30分に歩き始めた。なお、駐車料金は500円で、帰りに料金箱に投入すれば良い。


「祓川ルートは王道なのだとか……」

 登山口まで、25分ほどアスファルトの道を歩く。これが地味に長い(特に帰り……)。スキー場のゲレンデが無駄に広いんだから、上に駐車場を作ってくれても良いのになと思った。


「立ち入り禁止って書いてありますが……」

 すでに周囲の木々は紅葉が始まっており、眺めながら散策気分で歩いて行くと、ようやく登山口があるスキー場に辿り着いた。登山口には、登山届入れと、リフトに関する案内板が設置されていた。


「登山口」

 リフトは指定期間の土・休日しか運行しておらず、登りのみで料金2,000円(2023年から2,300円)と結構なお値段……。しかし、この区間が全行程中で一番、ジメジメして嫌な感じの場所なのだ。訪問日に営業していれば、使う価値はあるかもしれない。なお、所要時間の短縮は1時間程度だ(標高差300mほど)。

かぐらスキー場:https://www.princehotels.co.jp/ski/kagura/summer/

「下りも使えればね~」

 平日はリフトが動いていないので、スキー場内を通って右奥の登山道に入った。そこは鬱蒼とした樹林帯の道で、ジメジメとして泥濘んでいる。斜度は厳しくないものの、泥まみれで滑りやすい大きめの石が多く、注意が必要だった。


「スリップ注意」

 登山と言える散策は、3月の雲取山以来であった私……。すでに出だしから厳しかった。ゆっくりと、無理をしないように登って行く。


「リフトと合流」

 登山口から1時間程でリフトからの道と合流。周囲が開けて明るく、眺めも良くなってきた。ただし、直射日光が降り注いで暑い……日焼け止めを塗っておく。


「下ノ芝」

 下ノ芝と呼ばれる辺りからは、木道が多くなって歩きやすくなってくる。しかし、木道は濡れていると滑りやすい。このコースには、底の固い登山靴よりも、トレイルランニングシューズ系のミッドカットか、モンベルのトレールグリッパーのような、滑りにくいソールの靴が適していると思う。


「中ノ芝」

 中ノ芝と呼ばれる場所には、午前9時50分位に到着。開豁で、気持ちの良い場所だった。広いベンチがあったので座って一休み。吹き抜ける風も気持ちが良い。


「上ノ芝」

 ここまで特に厳しい登りは無いけど、元々無い体力がさらに落ちていて苦しい。ゆっくり、のんびりと歩いて上ノ芝へ。そこから少し登って振り返ると、青い水を湛えた湖が見えた。カッサダムである。良い眺めなので時々、振り返って景色を見ながらのんびりと進んだ。


「カッサダムが目を引く」

 登山口から、およそ3時間。神楽ヶ峰に差し掛かると、ついに苗場山がその姿を見せてくれた。一見の価値がある見事な山容だ。周囲の人達からも歓声が上がる。山頂にある湿原から、たおやかな山容を想像していたが、だいぶ荒々しい感じに見えた。


「苗場山の勇姿」

 神楽ヶ峰からは一旦、下りとなり、20分ほどで雷清水に着く。ここで少し休憩を取り、折角なので一口飲む。冷たくて美味しい。ガブガブ飲んでしまった(お腹は壊しませんでした)。この日は真夏のように暑かったので、この水場はとてもありがたかった。


「雲尾坂」

 雷清水からは、しばらく平坦な道が続くが、雲尾坂と呼ばれる場所からは急登となる。そんなに凄いレベルではないものの、この時の私はすでに瀕死の状態であった。もう、帰りたい……と思う自分を何とか抑え、ストックに縋付きながら進んだ。

「一カ所だけロープが掛かってます」

 山頂直下に、一カ所だけロープが掛かっている場所があったが、難易度はかなり低くかった。ちょっと体力が必要かもしれないけど、祓川コースのレベルは、初心者向けと言っても問題無いと思う。


「池塘がシミュラクラ現象で顔に見える」

 雲尾坂を登り切ると、一気に視界が変わった。どこかで「天上に浮かぶ空中湿原」と見たことがある。本当にそうだなと思う景色であった。


「山頂は展望無し」

 すでに疲れ切っていたので、のんびりと眺めながら休みたいなと思うところではあったが、湿原に伸びる木道を歩き、取り敢えず山頂を目指した。


「苗場山頂ヒュッテ」

 その山頂は……まあ、特に見所は無い。撮影だけして、すぐ近くの苗場山頂ヒュッテに移動。折角なので、山バッジ(600円:当時)を購入して、ベンチでマッタリと休んで行くことにした。


「それほど物価が高くないですね」

 休憩後は少しだけ湿原を散策。本当は苗場山神社に行ったり、池塘を巡ったりするのが本来の楽しみ方なのだと思う。けれども、疲れ切って、少し散策して帰るだけでやっとだったのだ。


「地図では伊米神社となってます」

 地図で伊米神社となって居る場所には、苗場山開拓者(らしい)の大平晟翁レリーフが設置されていた。まあ、その人に興味は無いのだ。写真だけ撮って、元来た道を戻ったのであった。


「素晴らしい湿原だと思います」

 帰りは、神楽ヶ峰の登り返しと、下ノ芝からの湿った下りが厳しかったものの、何とか歩ききって無事に駐車場に到着。14.4km・8時間30分の、少しハードな散策だった。

動画(10分で秋の苗場山)

・今回も動画を撮ってきました。暇な人はどうぞ(音注意)。なお、テロップはyoutubeの字幕機能を使用しています。表示する場合には、字幕(C)をONにしてご覧下さい(1080P推奨)。 なお、とっても眠くなります。

まとめ

 山頂の風景から、優しくて難易度の低い山なんだろうな~と思っていましたが、運動不足もあってキツかったです。ただし、登山道の整備は完璧、途中に水場があり、山頂には山小屋もあるので、コース的な難易度はかなり低いですね。

 なお、苗場山は10月下旬頃から雪が降る可能性があるようです。雪が降るほど冷え込むと、道路が凍って通行止めになる可能性もありますのでご注意下さい。

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