WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

絵画を描くことの密やかな愉しみ

2019-04-26 | Art
私の父の父、つまり私の祖父は京友禅の絵師で、
何色かは知らないけれど確か褒章をもらったことがある。

そんな血を受けついでかどうかは知らないが、
私も幼い頃から絵を描くのがとても好きだった。

幼稚園の時は綴りのルーズパッドに絵を描いていて、
そのルーズパットがなくなると買ってきてくれと泣いて叫んだ覚えがある。

今みたいにコンビニがあるわけでもなく、
近くの三条商店街の文具店は当然閉まっていたのに…

小学校に上がって美術の熱心な先生がいて、
描く絵、描く絵がほとんど何かの賞に当選して、
もらった賞状は数しれず。

中でもどこの小学校でも誰もが描く消防車の絵は、
京都市の中で一番になって表紙の絵に使われた。

また、交換留学生ならぬ交換絵画として、
パリの展覧会で私の絵が飾られたこともあった。

その小学校の先生に「絵の才能があります」などと言われて、
「絵で食べたいと思わない」などとうそぶいたことを言ったことを覚えている。

中学、高校でも絵の才能は褒められたが、
なぜかその道に進もうとは断じて思わなかった。
なぜだろう。
絵なんて本業の傍らで趣味としてやるものだと自分の中で思いこんでいた。

しかし…
人生も半ばを過ぎてなんだか絵が書きたくなった。

そして、そして、
この4月から絵画教室に通いだした。
きちんと絵を描く技法を学ぼうと思った。

白い画用紙を前にすると凄くワクワクする。
そして、描きたいものが思い浮かぶと一心に鉛筆や筆を運ぶ。

そしたらものすごく集中して周りの音が入ってこない。
何かが降りてくる感じ。

久しぶりにこの感触を感じた。
懐かしい一体感。

実は…
私の夢は釣りに行って、
魚を釣るのに飽きたら(こんなことは全くありえないが…)
おもむろにベストのバックポケットに忍ばせていた、
水彩の画具を取り出して、絵を描いてみるということ。

ほとばしるほどの渓を目の前にして、
シズル感の漂う絵を描いてみたい。

では、そうしたら良いではないかと思われるかもしれないが、
それがなかなかそうもいかない。

釣りに対する欲が強すぎて、
絵を描いているだけで満足する状況にはなかなか達しない。

これはある意味禅問答のようなもので、
欲望を捨て去ってこそ始めて悟りの境地に入れるようなもの。

でも、もうそろそろそんな雑念を捨てて、
絵を描くことも始めないと…

そんな思いもあって絵を描き始めた。
今日、ホルベインの絵の具とパレットが通販で届いた。

一枚目は大好きな蝶、アサギマダラを描いた。



そして、今はイワナの絵を描き始めている。

本当に愉しい。
今も「絵で食べようとは思わない」が、
私にとって絵を描くということは、
ひょっとしたら天命なのかもしれない。

なんてね…


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