Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

8月の読了本:4冊

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読了本:4冊


逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』

【2022年本屋大賞受賞! 】
キノベス! 2022 第1位、2022年本屋大賞、第9回高校生直木賞、第166回直木賞候補作
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介! 史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作


独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

図書館で順番待ちだった分厚い本が数冊、偶然同じタイミングで届いたので慄いたが、なんてことはない、夢中になって読み、三日で読了。面白かった!
確かに「高校生直木賞」っぽい作品。


ものすごく練られて、作り込まれた物語。
ちょっと作り込みすぎじゃない?ってくらいちゃんと全部繋がっていく。


3月に読んだ、第二次世界大戦で侵攻されるポーランドを描いた須賀しのぶさんの『また、桜の国で』は、内容も重く、読むのが辛い印象があったのだけど、今作は一人一人のキャラクターが立っていて、アニメ化も出来そうな感じ。ちょっとラノベっぽい。

ちなみに、私のイメージでは、イリーナは絶対CV:沢城みゆきさんです。セラフィマは…坂本真綾さんで、アヤは井澤詩織さんかなぁ(笑)

他の人のレビューに「ゲームシナリオのようだった」とあって「一理あるな…!」となりました。
戦争の話だし、歴史小説のように時代背景もきちんと描かれてるんだけど、主人公の成長物語としてちゃんとエンタメに昇華されているのよ。

▼『また、桜の国で』のレビュー

著者は35歳なのに、戦場を見てきたかのごとく臨場感溢れる筆致で描いてあり、何度も「何者!?」と唸りながら読みました。
知識も豊富だし、女性狙撃兵を主人公に据えるという目のつけどころも流石。
平和だった日常や家族を、ある日突然奪われて兵士になる…というのは『進撃の巨人』を想起する。

主人公セラフィマの仲間があたたかく、心の緊張と弛緩が伝わってきて、序盤から何度も涙ぐみました。

戦争が人の心を変えてしまう恐ろしさ。
戦争のニュースを見るとき、兵士や人々の心理を想いながら見ていたので、私の知りたかったことの一端が書いてあった感じでした。伝えてくれてありがとう。

ターニャの「もう戦争は終わる。そうしたら、平和の時代は終わらないさ。世界中が戦争の恐ろしさをいやってほど知ったんだもの。きっと世界は、今よりよくなるよ」という言葉が響きました。
戦争なんてやめよう。どうして歴史は繰り返してしまうのだろう。辛い。

この本は本当に面白くて、読み終わってから2週間経った今でも、ずっと余韻が続いています。
このあたりが本屋大賞って感じがする(*´ω`*)笑

 

やなせたかし『もうひとつのアンパンマン物語 人生は、よろこばせごっこ』

アンパンマンの作者・やなせたかしさんのエッセイ本。
やなせさんのお人柄が溢れてて、楽しかった!

1995年に刊行された本なのですが、今年『ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか』と、タイトルを変えて復刊されたそうです。

私は図書館で、古いほうを借りて読みました( ✌︎'ω')✌︎
図書館の注意書きに「書きこみあり」とあったので、何だろうと思っていたら、子どもが書いたと思われるボールペンのぐじゃぐじゃの書きこみがありました。
アンパンマンの本だと思ったのかしら、と想像して、微笑ましい気持ちになりました🤭❤️

やなせさんが、作品や歌などの創作に込めた想いも知ることが出来て、大変嬉しかったです。
一部、抜粋してご紹介いたします。

ボクのポリシーというのは、どこにあるかというと、いつも「正義について」というふうに考えています。
アンパンマンの場合でもテーマソングは「何のために生きるか」ということです。対象は二〜三歳の子供ですよ。「二〜三歳の子どもに、何のために生きるかっていっても、子どもにはわかんないよ」とよくいわれます。でも、わからなくてもいいのです。わからなくても「何のために生きるか」というテーマで作っていれば、子どもは何となく心にしみ込んでいって、何かしらが体の中に入っていきます。それは、胎教でモーツァルトやシューベルトを聞かせるのといっしょです。(p.73)

けっして周りに流されず、ポリシーをもって作品を作り続けたやなせたかしさん。
こうして信念を貫いて作られた作品「アンパンマン」を見ながら育つことが出来て嬉しく感じると共に、その制作背景を知って、改めて勇気をもらいました😊

ラフ画のようなアンパンマンの挿し絵も、とっても可愛かったです。

 

山本健人『すばらしい人体』

☆ 16万部突破! ! ☆
本書は外科医けいゆうとして、ブログ累計 1000 万 PV超、twitterアカウント9万人超のフォロワーを持つ著者が、人体の知識、医学の偉人の物語、ウイルスや細菌の発見やワクチン開発のエピソード、現代医療にまつわる意外な常識などを紹介していく。健康情報として医学を取り上げるのではなく、サイエンス書、教養書として、人体の面白さ、医学の奥深さを伝え、読者の知的好奇心を満たす一冊!

SNSでフォローしてる人が激推ししていて、気になって手に取りました。
普段ならこういう本は読まないから、新鮮!

それぞれの話が分かりやすく、簡潔に書かれているから読みやすく、面白かった!さすが話題の本!


肛門は「降りてきたのは固体か液体か気体か」を瞬時に見分け、「気体のときのみ排出する」と言う高度な選別ができる」とか、言われてみれば確かに(笑)

他にも、アニメや映画で出てくる海賊が決まって片目に眼帯をしている理由なぜ鼻の調子が悪いわけでもないのに涙と一緒に鼻水があふれるのかなど、読んだら誰かに話したくなるようなトリビアもいっぱい。

全身麻酔、パルスオキシメーター、胃カメラを開発したのは日本人だというのも、同じ日本人として誇らしいですね。日本人の技術力ってすごいんだなあ。
今日、当たり前のように受けられる医療技術も誰かの努力のお陰だと思うと、本当に尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになります。


新しい本だけあって、新型コロナについて(PCR検査でわかるのは「ウイルスの断片が存在するか否か」であって「病気か否か」ではない、感染対策にうがいは優先順位が高くない理由など)も書いてあり、ためになりました。

自分は怖がりなので医療行為を行う勇気はないけれど、人体の仕組みを学ぶことは確かに面白いなあと感じた一冊でした(^q^)!

 

属啓成『ショパン 生涯篇』

39年の生涯についての数々の記録のなかから重要事項のみを厳選し、写真とともに簡明に記述したショパン伝。

属啓成さんの本は文章が読みやすくて大好きなのですが、この本もとても読みやすかったです!

ページ数も短いし、写真資料も豊富だし、小学生でも読めるんじゃないかな。おすすめ◎ ¨̮♡⋆︎*

1831年にショパンが旅でシュトゥットガルトに行ったとき、ワルシャワがロシア軍の総攻撃にあい、占領されたということを知ったときの手記が載っているのですが、なんだか読みながら「え? これ今のことじゃないよね?」と思ってしまうくらい、現在と世界情勢と重なって見えてしまいました。
ちょっと過激な表現もあるので引用はしませんが、歴史が繰り返されている。。

子どもの時は「過去の歴史」と思っていた戦争が、なんとも身近に迫って感じてしまうというのは、悲しいことです。

 

さいごに


今月は話題作を読めた月でした*\(^o^)/*

読んだ冊数は先月より少ないけれど、ページ数も内容の充実度も今月の方が密だったなあと感じます。

なんと言ってもやっぱり『同志少女よ、敵を撃て』が面白かったから、やっぱり読書って楽しいんだなと実感しました。
まだ世界観に浸っていたいという気持ちが強く残っていて、普段だったらこの流れで続編や同じ著者の他の作品を読むところなんですが、これデビュー作なんですよ。ないのよ、他の作品が( ꈨຶ ˙̫̮ ꈨຶ )
いやー本当に衝撃のデビュー作でした。次回作が楽しみですね♡

面白い本と出会えて幸せな月だったので、今後も素敵な作品に出会えるといいなと思います♪⋆︎*

▼先月の読書記録


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