ラジオの恋愛相談に対する違和感 | 東大に文理両方で合格した男が綴る、受験の戦略

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ラジオの恋愛相談って、偽善っぽくないか?

「さて、次のお葉書です。ラジオネーム『恋するうさぎ』さん。

初めまして。私は中学3年生の女子なのですが、同じクラスの男子を好きになってしまいました。

彼はとても人気者で、他にもたくさんの女子が彼のことを好きみたいで告白しています。

でも、彼は全て断っていて誰とも付き合っていないようです。

私も告白したほうが良いでしょうか?

なるほどー、恋の悩みって辛いですよね。

でも、これは告白すべきなんじゃないかな。告白しないと、あなたの気持ちは彼には伝わらないし、もしかしたら誰かと付き合っちゃうかもしれませんよ。

不安だと思うけど、告白しないままだと絶対後悔すると思います。応援しているので、頑張ってくださいね。」

 

こういう恋愛相談。子供の頃から違和感でした。

冷静に考えて、このハガキの内容だけで告白すべきかどうかなんて、判断できるわけがない。

彼は、受験を控えているから誰とも付き合わないと決めているかもしれないし、投稿者が知らないだけで、遠距離恋愛をしている彼女がいるのかもしれない。

だとしたら告白したところで失敗するわけだから、告白を勧めないほうが良い気が。ハガキの内容だけで、よく判断できたなって思いませんか?

気持ちを伝えるとか、勇気を出すとか、思いを届ければ大丈夫とか。キレイな言葉を並べていれば、その場は収まるけれど、根本的な解決にはなっていなと思ってしまう。こんな私は、ひねくれてる?

 

受験相談もしかり

では例題2。

生徒「先生すみません。この前の模試で偏差値が50しかなかったんですが、何を勉強したら良いですか?」

先生「それなら、△△っていう問題集を3周やれば良いと思うよ。これをやれば、60くらいまでは上がる!頑張れ。」

生徒「ありがとうございます。頑張ります!」

 

これ、ラジオと同じです。

なぜ偏差値の数字だけで、その子の勉強プランが立てられるの?

僕には不可能ですが、でも世間ではこういうアドバイスをする先生がたくさんいるらしい。おそらく超能力者か、適当な人なのだろう。

 

分からなければ、もっとわかりやすい例を。

患者「体調が悪いです。どの薬を飲んだらよいですか?」

こんな質問をされて、果たして飲むべき薬が特定できるだろうか?いや無理でしょう。だって、その患者さんの症状が全く分からないからです。

咳が出るときと、鼻水が出るときでは、飲む薬が違います。だから、症状を聞かなければなりません。

 

勉強も同じで、単に偏差値が50と言われたところで、何が不振の原因かなんてわかりません。状況を詳しくヒアリングしなければいけないのですが、残念ながら受験指導の世界では、ヒアリングがあまり行われていないよう。

 

改善しようとしたら、カウンセリングに時間がかかるもの

僕は不定期で年間何人か、勉強の方針のアドバイスをすることがありますが、初対面の人であれば、平均で1時間程度は話を聞きます。時間給頂いてやるから、1時間くらいで切り上げますが、本当はもっと聞きたいくらい。

聴く内容は人それぞれで、正直いうとアドリブ対応。

まずは、その人のこれまで受けてきた指導の経験をヒアリング。公立の小中高と進んだのか、海外の学校を出たのかで全然違いますからね。

学校名や、通ってきた塾、クラス内順位や学年順位、得意科目や不得意科目。

他には、ある程度の性格を診ます。こちらの質問に対して、答えるときの喋る分量、しゃべり始めるまでの時間、内容が整理されているか、妥当かなどなど。この辺りは、経験値に基づいて直感的に行う作業なので、中々難しい。

もちろん、悩んでいるポイントも聞きます。そして、その悩みに対して、どうすれば解決できると思っているかも聞くことが多いですね。

こんな感じで、ありとあらゆることを聞いていき、その人が躓いているポイントを突き止めようとすると、1時間くらいはかかってしまうということです。

 

この1時間、僕は質問しっぱなし。相手の答えが投げたボールと違ったとしても表情を変えないし、勉強に対するスタンスが甘いなと思っても、そういうことを指摘しない。ただ相手の状況を聞き取るのに徹します。

こちらが何か反応すると、相手が正確な情報を返してくれなくなるので、とにかく聞き役。

多くの人が、言い出したくなって、相手の話を遮って喋り始めるけど、カウンセリングにおいてはご法度。用心用心。

 

数字で騙される人と、騙す人

偏差値っていうのは、最終的に計算された値であって、プロセスは全部すっ飛ばされている。

プロセスっていうのは、間違えた場所と正解の場所の区別とか、その失点原因/得点原因が何なのかとか、どの分野が得点を取れなかったのか/取れたのか、などなど。

僕からしてみると、そういうところにこそ宝が眠っているけど、世間の人は判定ばかり気にする。

その生徒が、どういう勉強をすべきかなんて、偏差値だけでは絶対に分からないはず。さっきも言ったけど、「体調が悪いけど、薬くれ」みたいなもので、そいつのどこが悪いのか、全くわからない。

 

ようするに生徒も先生も、成績を上げるためのポイントが分かってない。もう少し正確に言うならば、成績が上がるまでに必要な要素が細かく見えていない。こういう2人が相談会をやったところで、大したものは生まれないでしょう。

 

偏差値みたいな分かりやすい数字っていうのは、もろ刃の剣。

例えば、A判定ってみると、その模試において、まあまあな成績を取ったということは分かるけど、それ以上でもそれ以下でもない。別にA判定を取ったから合格が約束されたわけでもなければ、E判定だから不合格というわけではない。

あくまで過去の統計ではそうだった、というだけの話。

 

個人的には、判定に異常にこだわる人は信用していない。

別に、どこかの赤の他人がそうであっても、何とも思わないけど、受験の相談を持ち掛けられたときに、保護者に「うちの子、E判定だったんです。もう絶望です。どうすれば良いですか?」なんて聞かれた時には、真面目に答える気がなくなっちゃう。仕事だからちゃんと答えるけど、こういう人はいくら言い聞かせても変わらないから、それきりの関係になることが多いかなぁ。

僕としては、ちゃんと生徒のことをヒアリングして分析して、細かく綿密な指示を出したいと思っているけど、世間にはそういうのを求めてなくて、「とりあえず目先で何をすれば良いかだけ教えてくれ」というひとがたくさんいる。

 

要するに、分かりやすいことにだけ飛びついて、面倒なことは避けということですね。

ハッキリ言うと、こういう人は数字に騙されやすいと思う。そして、そういう人をだまそうとして数字を使う人がたくさんいる。

 

ちなみに、E判定から合格を勝ち取りたいのなら、普通の人と同じことをしてはダメです。何をすればよいかは分からないけど、普通の人がやることが間違いだということだけは分かります。なぜなら、普通の人と同じことをすると、普通の人と同じような推移を辿るから。普通の人とは違う成果を出したいなら、手段(勉強プラン)も違うべきです。

 

とあれこれ書いたけど、なんでこんなことを書いたかというと、ストレス発散。

忙しくてTwitterも更新してないし、日々の仕事の謀殺されているけど、たまに書き仕事をすると楽しいから、本当は書きたい。

このブログも、放置しっぱなしの割に、見に来てくれる人がいるから、もう少し書こうかなと、ふと思ったところ。

Twitterやると、やなリプがたくさんついて怖いから、あんまりやる気にならないんだよなぁ。アメブロなら、あんまりコメントつける人がいないから、

こっちを主戦場にしようかな、とかなんとか思って、とりあえず久しぶりに更新。