先週、滋賀県の百済寺を紹介したが、
数日前にも滋賀県水口町の大池寺に遠征した。
目的は小堀遠州作の“蓬莱庭園”を撮影する為、

ほぼ一日仕事だった。

奈良時代の僧侶・行基がこの地に訪れた際、
日照りに苦しむ農民の為に「心」の字の形に4つの池を掘り、
灌漑用水を作った。そして、その中央に邯鄲山青蓮寺を建立し、
一刀三礼の自刻の釈迦如来坐像を安置したと伝わる。
その後子院を8ヶ寺持つ七堂伽藍を備える天台宗の寺院となるが、
現在は臨済宗の寺院になっている。



取り分け、遠州作のサツキの大刈込みの枯山水が有名で、
日本庭園ファンの注目度は高い。










まさか?山門前の参道右手に
既にサツキの大刈込み庭園が展開しているでは無いか?











こんなにも唐突に名作庭家の庭園が目の当たりにできるのか?












余りにも唐突だったので興奮気味にシャッターを押していたが、
どこを探しても、記憶の特徴ある刈り込みが見当たらない。











広い庭園なのでどこかに隠されているのか?










狐につままれたのか?







嫌、そうでは無かった。狸に化かされたのだ( ´艸`)。



なんぼセンスの欠片も無いオーナーでも大巨匠の庭園作品に、
土産物的な信楽焼の狸をコラボするはずが無い!






やはり!

 



小堀遠州作の“蓬莱庭園”は本堂の書院前に造営されていて、
表の枯山水庭園は比較的新しく造営されたものだと分かる。










それでも庭園好きのサガと言うか、
どうしても写真で残したいと思い、
いろんな角度から撮影してしまった( ´艸`)。

 

 

 

 

 





参道を挟んで反対側にはこじんまりとした枯山水、

こちらも同様に新しい造営。











この辺りが最も紅葉していた。












この後本堂に上がり込み、“蓬莱庭園”に対面する事になるが、
その模様は紅葉シーズンが終わって落ち着いてから、

 

 

 

 

 

 

 

 


本ブログの「京の庭園巡り」で改めて紹介したいと思う次第。






さて、お寺の横には名坂大池寺自然公園が隣接していて、
その中に行基が農民の為に掘った池が存在する。

 



「心」の字に掘られた4つの池とはこの弁天池のようだが、
Googleマップで確認すると確かに4つの池は存在するが、
どう見ても「心」の字には見えない。



大体昔のお寺、高僧に関するエピソードは、
芸人のデカ盛りのエピソードとまでは言わないものの、
後世の関係者達が脚色した逸話も多く、
単純に鵜呑みすると大いなる誤解を生む事もある。
それとも地殻変動で池が移動したのか?

 


その弁天池の中に石の鳥居が建っている。
詳しい事は地元の人でも分からないそうだが、
池の水が干上がると参道が現れるらしい、不思議?