2028年12月31日を持ってISDNが終了します。
対象となるISDN回線のサービスは下記の2つ。
- INSネット64
- INSネット1500
1988年4月から約40年に渡って提供され続けたサービスでしたが、2024年には一足先にデジタル通信モードが終了、そして2028年末にはついにISDNそのものが長い役割を完全に終わりを迎えることになります。
ISDN終了、その後どうする?

近年はひかり電話などの光回線(IPネットワーク)を利用したIP電話サービスへの移行が進んでおり、ISDN回線の加入者数は年々減少しています。
とはいうものの、ISDN回線は通話品質の高さと安定性から今なお多くの企業や官公庁、施設で利用され続けています。
2024年3月にNTTからISDN終了の正式発表がされて以降、今後どうするのか密かに悩まれている担当者の方も多いのではないでしょうか。
ビジネスフォン、PBXなどの電話設備は一朝一夕に更新できるものではなく、会社の業績や耐用年数、あるいはあらかじめ定められた更新計画のスケジュールなど、様々な要素に左右されます。
また、2028年のサービス終了が近づくに連れ、代替サービスへの移行ラッシュが高まり、需要に供給が追いつかないケースも十分に考えられるでしょう。
最悪、移行ができないままISDNサービスが終了…なんてことにならないよう、サービス移行へ向けてのプランをしっかりと立てておきたいですね。
では、ここからはISDNサービス終了後の移行プランについて解説していきましょう。
プラン1 ISDN→ひかり電話(ビジネスフォンは既設のまま)

プラン1は既設のビジネスフォンはそのままに、ひかり電話などのIP電話サービスに移行します。
ひかり電話などのIP電話サービスではビジネスフォンに接続するにあたり、次のような選択肢があります。
- アナログ回線接続
- INS64回線(BRI)接続
- INS1500回線(PRI)接続
- LAN直収
上記の選択肢の中の2がINSネット64、3がINSネット1500に相当する接続となっています。
例えば、現状INS64回線をビジネスフォンに接続している場合は2を、INS1500回線を接続している場合は3を選択します。
そうするとIP電話サービス事業者が次のVoIPゲートウェイを用意します。
- 【INS64回線の場合】BRI接続用のVoIPゲートウェイ
- 【INS1500回線の場合】PRI接続用のVoIPゲートウェイ
これらのVoIPゲートウェイを介することでINS64もしくはINS1500相当の電話回線として既設のビジネスフォンに接続することが可能になるんですね。
プラン2 ISDN→アナログ回線(既設ビジネスフォンの基板を別途追加)

プラン2は既設のビジネスフォンをそのまま流用しますが、別途基板(パッケージ)を追加してアナログ回線へ移行します。
IP電話サービスではなく何故アナログ回線を選択するのか?
そう思われる方も多いと思います。
IP電話サービスならばISDN回線と遜色のない動作、サービスを実現できる一方で、ONUやVoIPゲートウェイといった通信機器を必要とする都合上、どうしても停電などの電源断が懸念されます。
ビジネスフォンやPBX自体は別途バッテリーを実装していることが多いので、停電時でも容量に応じて動作し続けます。
ところがIP電話サービスの付帯機器(ONU、VoIPゲートウェイ)はバッテリーを実装していないため、停電になると真っ先にダウンしてしまいます。
停電対策として別途UPSを設ける、あるいは無停電の電源回路を用意しない限り、この問題は回避できません。
そういった理由から災害時の拠点となる学校や病院、施設などではIP電話サービスではなく、アナログ回線やISDN回線などの停電時でも使える従来型のサービスが採用されるケースが多いんですね。
プラン3 ISDN→ひかり電話LAN直収(ビジネスフォン更新)

プラン3ではビジネスフォンを更新して、IP電話サービスのLAN直収での接続に移行します。

LAN直収の最大のメリットは別途VoIPゲートウェイを必要としないことです。
基本的に機器が増えるごとに故障箇所も増えるものです。
VoIPゲートウェイも当然故障します。
また、VoIPゲートウェイは月々のレンタル費用が別途かかります。
LAN直収にするとこれらの問題も気にする必要がありません。
まとめ
2028年末をもって終了するISDNサービス。
今回はISDNからどのサービスに移行するかについて3つのプランを上げました。
- プラン1 ISDN→ひかり電話(ビジネスフォンは既設のまま)
- プラン2 ISDN→アナログ回線(既設ビジネスフォンの基板を別途追加)
- プラン3 ISDN→ひかり電話LAN直収(ビジネスフォン更新)
一番手軽でコストを抑えられるプラン1。
災害時や停電などに重きを置いたプラン2。
プラン3は前述のプラン1、2よりもコストがかかる反面、ビジネスフォンのリプレースのタイミングが合致さえすれば、運用やランニングコストの面から一番おすすめです。
ISDN終了目前になって慌てることのないよう、今回お伝えした内容がお役に立てば幸いです。
最後まで御覧いただきまして、誠にありがとうございます。