怪獣8号 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)
前回の記事で新人賞に投稿して担当がついたとしても、「それが即、漫画家志望の実力アップに繋がるとは限らない」ということと、その理由として「何事も実践経験のない人間が技術指導をして効果を上げるのは現実的ではないから」ということを書いてきました。
過去記事↓
今回は、「技術指導が現実的でないのなら編集者からのフィードバックをどう生かせばいいのか?」ということについて考えていきたいと思います。
漫画を描く側にとって編集者からのフィードバックで価値があるのは、「未経験者の言葉だけのそれっぽい技術論」ではなく、「いち読者としての感想」です。
つまり漫画描きは、「編集者に技術指導をしてもらうことで描く技術をアップさせてもらう」のではなく「『自分以外の読者(この場合は編集者)』のフィードバックを元に自分なりに試行錯誤していく」ことでしか能力が上げられないということですね・・・
なので、担当がついて「これで一歩前進した」と思って受動的でいても一向にその先には進めないわけで・・・
自分はそれでどれだけ足踏みしたか・・・(苦笑)
編集者の仕事は漫画の描き方を漫画家に指導することではなく、「自分は読者としてこう思った」というフィードバックを描き手に与えることと、自分が面白いと思った漫画(担当している漫画)を自分が所属する編集部内でプレゼンすること(掲載などにこぎつけること)です。
自分が思う優秀な編集者とはこの2つの能力が高い人ということになりますね。
ただ、この2つはかなり難易度が高いですし、再現性も低かったりするので、以前成功した方法論が半永久的に使えることはほとんどなかったりします・・・
結局「マンガ家も編集者も大変な仕事」ってことですな・・・