司法アンテナ~司法関係の総合情報ブログ~

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司法試験合格者から見る大手法律事務所の就活事情

せっかく司法試験に合格した以上は、大手法律事務所でカッコよく働きたいですよね!

そこで、今回は日本の大手法律事務所の就活事情についてご紹介したいと思います!

・大手法律事務所とは??
まず、大手法律事務所の具体的な定義はないですが、国内には所属弁護士の人数が300人を超え、かつ、企業法務を主に取り扱う法律事務所は5つしかないため、これらが一般的に大手法律事務所と呼ばれます。

具体的には、アンダーソン・毛利・友常法律事務所(AMT)、長島・大野・常松法律事務所(NOT)、西村あさひ法律事務所(NA)、森・濱田松本法律事務所(MHM)を四大法律事務所と呼びます。
これに、TMI総合法律事務所を加えたものを五大法律事務所と呼びます。

上位ローの就活生の間では、それぞれの頭文字を取って、「AMTの面接が~」とか、「サマクラはNOTに行くわ」等と使うことが多いです。

なお、TMI総合法律事務所は他の大手法律事務所よりも法人として若いため、最近まで大手法律事務所にはカウントされていませんでした。
しかし、実績、所属弁護士数、所得水準、知名度等からみても現在では大手法律事務所と言って間違いないでしょう。

・大手法律事務所に採用される人とは??

では、五大法律事務所に入所するためにはどうしたら良いのでしょうか。

まず、5大法律事務所全体での採用人数は年により異なりますが、およそ100人から150人程度で、非常に狭き門です。
しかも、所属弁護士の経歴を見たらわかるように、多くは予備試験合格者、東大、京大、一橋、早慶、中央の学部やロースクール出身の成績優秀者が占めます。

そのため、予備試験合格か、上位ロースクールに入学し、良い成績を得る必要があります。
ただし、例えば東大法学部出身であればロースクールの知名度がいまいちでも採用される等、学部の優秀さも重要になってくるようです。

・大手法律事務所に入るには??

大手法律事務所に入所する一番の近道はクラークに参加することです。

クラークとは、法律事務所での短期のインターンシップみたいなものを言います。
夏休みに行うものをサマークラーク(サマクラ)、冬休みに行うものをウィンタークラーク(冬クラ)、春休みに行うものをスプリングクラーク(春クラ)と言います。
他に、サマーアソシエイト等と呼ぶ場合もあります。

クラークには、各法律事務所のホームページや就活サイトから申し込むことができます。
クラーク開始のおよそ2、3ヶ月前に申込み期限があるため、行きたい法律事務所のホームページはチェックしておくようにしましょう!

仮にクラークに参加出来なくても司法試験後の就活のみで採用される方も多いため、クラークに参加すると採用確率がやや上がる程度と思っておくべきです。
一般的にはクラーク経由での採用者は大体2割から4割程度だと思います。

注意すべきは、クラークで事務所に対して悪い印象を与えてしまうと司法試験後の就活で面接にすら呼ばれなくなるという点です。

そういう意味では、司法試験後の面接にしぼって就活を行うという手もあるでしょう。

・最後に
仮にあなたが予備試験合格や、上位校出身の成績優秀者でなくても諦めないでください!!
これらの方々は、あくまで大手法律事務所に採用されやすい、という程度のものです。
弁護士の仕事は人柄で決まる部分もかなり多いため、人柄で勝負する余地は十分にあります。
悔いのないように就活を行ってください。