オススメの文庫本抜粋 | あっちゃんのぐでたま日記

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最近のブログでは趣味の「バス釣り」や「ミニ四駆」のことなどを書いています。

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サブタイトルは

「釣りから一夜明けて…読書の日曜日…」

 

またボウズを食らい、この冬「6連敗」となった釣果…

(釣果とは言えない…)

 

明くる日曜日は「何もなしの空白」とし、近場の「トレラン」のみ

済ませるといういつもの週末を過ごした

 

「今日も釣りに行きたい…」

 

上天気がそう思わせる…

 

この感情が出てくるということは「夏と変わらぬ気合」である

 

一方で「読書の秋」を思いついて2か月あまり

正確に数えると40冊ほど読みました

 

「ちょっと読み過ぎじゃねえか…(‘_’)

 

オイラはよほど活字に飢えていたのか…

 

「衣食住すべてに断捨離」敢行中のため読んだ本は原則「売りに出す」

 

その前に厳選した5冊ほどをここに載せたいと思います

 

 

1冊目は

犬が教えてくれた素敵な物語

(下の写真)

 

野中圭一郎(2,018年作品)

 

15編の短編小説となっている

 

「忘れかけていた犬との思い出」…この「はしがき」が印象的…

全編にわたって実際にほろりと泣けてしまいました

ボクは現在ネコと暮らしている

かといってネコ派ではなく、子供のころから「犬か猫かどちらかが常に居た」

むしろ「犬派」だと思う

自分の前世も「犬」だと思っているぐらいだ

思い返せば「上手に飼えていなかったか」と振り返る

病気で死なせたり…

今、懺悔の気持ちがある

 

動物はちゃんと人間とのコミュニケーションをとっている

 

温かい読後感に包まれる

 

 

2冊目は

ちょっと今から仕事やめてくる(下の写真)

 

北川恵海(2,015年作品)

 

メディアワーク受賞作の帯に惹かれて買いました

 

現代の本らしく非常にテンポの良い展開に引き込まれる…

文章の特徴はSNS時代というべきか、起承転結が省かれている…

 

物語の終盤でボクは文字の中で迷子になったというね…

近代の読者なら展開を素早く理解して読み遂げられるのだろう

 

仕事に悩む「ドン底の状況を救ったのは(友人)ヤマモト…」

 

「阿呆な上司に啖呵を切ってスカっと爽快にも会社を辞めてくる…」

 

ヤマモトに命を救われ、ラストは人生「反撃の狼煙」…

開き直った強さを見る

 

オイラは臨死体験をしたとき、目の前に「三途の川」が現れました

 

「これを渡ればとうとう死ぬんやな…」(*’ω’*)

 

そのとき、当時の親友とバッタリ会った

「オッス、ヤント…朝帰り?…飲み会の帰りか…

オレは向こうへ渡ろ思てるところや…」

 

「アカン…おい、お前絶対そっち渡ったらあかんで…」

 

オイラはヤツの一言に合わすことにした

 

そうして今生きている

 

なにげなく出てきた「ツレ」は幻か…

そいつの名も「ヤマモト」だったもんで自分の体験と見事に重なった

…その感じが印象深い

 

現実のオイラはのちにそいつに対して暴言を吐きました

 

本の物語でも「ヤマモト」は姿を消している…

 

 

 

木洩れ日に泳ぐ魚(下の写真)

 

恩田睦(2,007年作品)

 

ボクの年からすればこれも「近代の小説らしい」内容である

 

登場人物はたった二人の男女

 

「禁断の恋だったのか…」

それとも「禁断ではなく堂々とした恋人どうしでよかったのか…」

 

自分達の過去を「強烈なほどの集中力」でさかのぼるその様は若いから

こそ可能なのだろうか

 

ボクはいかにそのへん「アバウト」で生きてきたのかもしれない…

 

 

 

山椒魚(下の写真)

 

井伏鱒二(昭和23年作品)

 

井伏氏といえば「釣り」に関する小説が印象に残っている

 

ずいぶん昔の本だが時代変わっても「釣りへの戦術や釣り人心理は

まったく同じ」だとあらためて気づく(再入手になります)

 

「山椒魚は悲しんだ…」

いきなり印象ある1行から始まる

 

源流に近いせせらぎの…岩場にかくれて育つオオサンショウウオの物語

 

おそらくそのような情景だろう…

「トロ場に居たり、岩陰に隠れたり…」

 

やがて大きく育ち、いつのまにやら岩陰から出られなくなってしまった

 

それで悲しんでいる

 

魚目線で捉えた悲壮感を少しユーモアの表現力で描かれている

 

今の時代だからこそ読みたい…

 

現代を生きるオオサンショウウオも実は悲しんでいる

 

少し下流にダムを造られたからである

 

ボクは井伏氏にあやかって、近代の身近な魚である「ブルーギルの物語」

をいつか書いてみたいと思う

 

 

 

青い壺(下の写真)

 

有吉佐和子(昭和52年作品)

 

中古で入手するのに苦労した…(*’ω’*)

 

今、ささやかに人気上昇中の文庫本であるようだ(作者はもうなくなられている)

 

「入荷お知らせアラート」を設定していたが、買うタイミングでは常に

「在庫なし」となってしまいボクの反応の遅さに少々苛立ちつつ…

 

けっこう争奪戦でしたね…(*_*)

 

一人の陶芸家が作ったたった一つの「緑色の壺」…

 

それがいろいろな人の手に渡り、最終的に作者のもとへと帰ってくる

 

帰ってくるというよりは「確信の再会」である

 

そこへたどり着くまでの「人間模様」が描かれている

 

女性作者ならではの視点というべきか…男子のオイラでは目配りできない

「モノでさえ魂は宿る…転々と旅をして不思議と戻ってくるような…」

めぐるめく軌跡…

 

オイラは小学校6年生最後の工作で「焼き物」を作りました

 

「完成間近で病気になり」クラスの女の子たちが次々と手に取ってうわぐすり

を塗って仕上げてくれました

 

ボクはそれを受け取り、大人のつい最近まで大事に置いていたんだけども

今はもうない…卒業記念の焼き物

 

実はそれも「淡い緑色でした」(この本とまったく同じ)

 

「あの焼き物と再会したい…」

 

ボクの夢は叶うだろうか…今もほんのりと執着している…

 

そういった個人的な情景と重なりつつこれを読んだという…(*’ω’*)

 

 

以上が印象に残った本になります

 

他にももっとあるけども、あえての厳選としてみました…

 

「書籍との縁」みたく「自分の生き様」と照らし合わす自己中心の感想とは

なったが…

 

何を言いたいかというと「バーチャル全盛の現代」において…

 

「本の方から自分に寄ってきた」感が残る

 

皆様にも薦めてみたい…

 

またいつか、増えてきたら書きたいと思います