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直木賞作家 今村 翔吾が語る、

歴史小説のすばらしさ。

 

かつて政治家の愛読書といえば、

歴史小説があり、理想の政治家に

「上杉 鷹山」を挙げる発言もよく

聞かれました。

上杉 鷹山はアメリカの元大統領、

J・F・ケネディやビル・クリントンが、

「最も尊敬する日本人政治家」と

語っていたことでも知られています。

 

歴史小説を読むと語彙が増える

歴史小説を生かしていく方法に

ついて考えていきましょう。

歴史小説で使われているセリフは、

当時の人が話していた通りの言葉

ではありません。

作家は当時の会話の雰囲気や語彙を

できるだけ残しつつ、会話を構成

しています。

ですから、歴史小説のセリフは、

現代における最上級の丁寧言葉に

近いといえます。

少し真似をすれば、美しい日本語を

話せるようになるということです。

 

文章が上手い作家

私が「美しい日本語で書かれている

歴史小説」に挙げたいのは、

『溟い海』(藤沢 周平 著)、

『樅ノ木は残った』(山本 周五郎 著)、

『敦煌』(井上 靖 著)

といった作品です。

この3人はとにかく文章が上手いです。

 

語彙を増やす上で歴史小説を読むことは、

打ってつけの方法です。

プロの私でさえ、いまだに「この言葉、

どういう意味?」という言葉を目にする

機会がたくさんあります。

 

知らない漢字に慣れていく

特に昔の作家の作品を読んでいると、

「この人ら、よう言葉知ってるわ~」

と感心することもしばしばです。

知らない漢字を目にすると、最初は

ストレスを感じます。

しかし、心配しなくても大丈夫です。

読書量が増えれば、漢字のつくりや

前後の文脈から、おおよその意味は

推測できるようになります。

 

知らない漢字を確認する習慣

わからない言葉をいちいち調べずとも

読み進めることは可能です。

ただ、調べるのが苦にならない人は、

知らない漢字を確認してみてください。

漢和辞典で調べるのもいいですし、

手書きで漢字を検索できるアプリも

あります。

知らない漢字でも何回か目にしている

うちに脳内に定着し、自分が文章を

書くときに使えるようになってきます。

                                   今村 翔吾

 

※本稿は、『教養としての歴史小説』

(ダイヤモンド社) より一部を抜粋・

編集したものです。

 

                                   

 

 

 


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