なごやんのSWL日記(21)他国の"成功"を武器にして | (新)なごやん

(新)なごやん

名古屋からJリーグ アルビレックス新潟に熱い思いを送ります。旺盛な好奇心そのままに、アルビネタに留まらず、鉄道、芸術、SWL(短波・海外放送受信)、昆虫、等々、思いつくまま書いていきます。
これまでの「なごやん」にログインできなくなったため、こちらで続けます。

 SWL日記の今回は他国のお祝いを自国の宣伝に使う放送局の話です。

 

 1月24日はルーマニアにとって大切な日でした。1859年1月24日、それまでのワラキアモルダヴィアが一人の大公を選び、それをもって両地域が「ルーマニア公国」として統一されたのです。ルーマニアでは、この日を「ルーマニア公国統一記念日(Ziua Unirii Principatelor Române)」として祝います。この時点で、もうひとつの大きな地域であるトランシルヴァニアオーストリア・ハンガリー帝国のもとにありました。

 とは言え、1月24日は、いってみれば「小統一」の日であり、私がほぼ毎日聴いているルーマニア国際放送(Radio România Internațional;RRI)では毎年大きく報じられます。

 

 この日をうまく情宣に利用したのが米国に本拠地を置く、ラジオ・フリーアジア(Radio Free Asia;RFA)で、RRIが記念日を報じる一方、RFAの朝鮮語(韓国語)放送では、「ルーマニアでは1859年に小統一があり、第一次世界大戦後の1918年12月1日にトランシルヴァニアを併合し、統一ルーマニアを作った(ルーマニア国民の日;Ziua Națională a României)」こと、「その後の共産主義政権下、当時のキム・イルソン北朝鮮国家主席と緊密な関係にあったニコラエ・チャウシェスク独裁時代があり、それにもかかわらず、1989年のルーマニア革命でルーマニアは自由、民主主義を得た」と述べ、一方、「朝鮮は第二次大戦後に統一どころか南北に分断された」(歴史の中で統一されたルーマニアと分断してしまった朝鮮の対比ということでしょう)として、「今年7月に南北停戦協定70周年を迎える朝鮮半島では、平和裏に南北を統一することを考えよう。そのためにはキム一族の封建制度を克服すべきだ。」と締めくくりました。

 南北分断の一因は米国にもあるのですが・・・

 

 なるほど。ヨーロッパの国のお祝いを利用し、アジアの"敵国"を煽るってことか。

 歴史の途中までは類似していた東西の2国を比較し、巧みな誘導をするRFAはさすがと感心しつつ、私は番組に対する意見、感想を添えてこの日の放送の受信報告をRFAに送りました。

 RFAから昨年末に届いていたメールには、今、受信報告を送ると今年の干支であるウサギをデザインした受信証(QSLカード)を発行するとありました。私は特に受信証が欲しいわけではないので、「受信証ください」とは書きませんでしたが、さてどうなることか。多分、送られてくるのでしょう、これまでと同じように。

 

これまでのBCL史はこちらにあります。

 

地域別インデックスも用意しましたのでご利用ください。

 

相互リンク⇒アクティブなごやん

 

ラジオで学ぶ世界の歴史⇒

 

こちらもクリックよろしく⇒