今年の8月下旬、あるSNSでひとりのルーマニア国際放送(RRI)聴取者が「RRIに去年の11月から10回も受信報告を送ったけど、QSLカードもeQSL*も送られてこない。もう、出すのをやめた。」と書き込みました。すると、「まだ紙のQSLにするかeQSLにするか決定していないようだ。」に始まり、いくつかのコメントとディスカッションがありました。
【*QSLカード:受信報告に対する確認書;eQSL:メールにPDF等で添付された受信確認証】
一方、私が直接聴いているRRIの「Listeners' Letterbox」や「DX Mailbag」では、9月中は「できるだけ早くQSLカードを送ります。」と言っていましたが、10月中旬からは「mainly electronic」や「no snail mail」、という言い回しが多くなりました。12月に入り、「no physical QSL」、「electronic ムニャムニャ・・」と曖昧さの度合いを増していました。
私は先日、どうなっているのかRRIに聞いてみました。そして一昨日、メールが届きました。
「・・・we can no longer give out QSLs, owing to financial constraints・・・」
要するにQSLカードの発行を停止するということです。
私はそもそもQSLカードを集めるために放送を聴いているわけではないので、RRIはこれまで通り聴き続けますし、定期的な受信報告や放送に対する感想等も送ります。
とは言え、美しいRRIのQSLカードがなくなってしまうのは残念です。
ということで、過去のQSLカードを振り返ってみました。過去ログの再掲になるものもありますが、興味のある方はご覧ください。
私の最初のRRI(当時はラジオ・ブカレスト)のカードはこれです。
1960年代のことで、この後のカードも基本的にはルーマニア各地の名勝のモノクロ写真です。第1号カードであるにもかかわらず、受信年、時刻の記載がないのが残念です。
<ビカズ レーニン水力発電所ダム 1960年代>
1970年代になると、カラー写真が登場します。
<クルージ地方の民俗衣装 1970年代>
芸術作品のQSLカードもありました。
<ニコラエ・トニツァ「森番の娘」1980年代>
1990年代から長い間、RRIというより海外放送受信(DXing、SWL)から距離を置いていた私がこの趣味にに復帰したのは新型コロナウィルス感染症がまん延し、在宅勤務を強いられた2019年後半です。
超久しぶりの受信報告、超久しぶりのQSLカードでした。
<2レイコインのネックレス 2019年11月>
2020年には郵便事情も悪化する中、郵送はなくなり、eQSLになりましたが、一部の言語では郵送も併用していたようです。
2021年には完全にeQSLになりました。
2022年には郵送のQSLが復活しますが、その年限りで、郵送カードとしてはその年の12月分が最終となりました。
<スリーナの古い灯台 2022年12月>
昨年2023年は完全にeQSLになり、結果として、その年の12月のカードがRRI最終の受信証になるのでしょう。
<ティミショアラ美術館~バロックパレス 2023年12月>
QSLカードがなくなっていくのは、全世界的な傾向かもしれません。
私としてはカードの有無にかかわらず、聴き続け、書き続け、微力ではあるものの、電波による放送の維持に寄与しようと思っています。
【12月16日追記】
どうもeQSLは発行されるようです。私への返事で後略したフレーズは何となくモヤッとしていたので、「no longer give out QSLs」を強調してしまいましたが、電子媒体で送られるとのことです。問題は担当部署と放送現場の連携がうまくいっているかどうかですね(笑)。
これまでのSWL日記/BCL史はこちらをご覧ください。
地域別インデックスも用意しましたのでご利用ください。
You may find some interesting QSL cards and/or items HERE.
相互リンク⇒アクティブなごやん