母の日にマイクスタンドセットが設置されていた話

私は歌を歌うのが好きだ。

とはいっても、良い声帯を持っているとか、歌がうまいとかいうのでは無くて、
ただ、歌うと気持ちがいいというだけなんですけれどね。
コロナ以降、なかなか大きな声を出して歌う時間が作れなくなった
という事情があるものの、子供の勉強の区切りがついたら、ちょこっと歌ったりしている。
幸い、マスターベッドルームにある畳1畳半ほどのウォークインクローゼットを閉め切って歌うと、音がそこまで大きくは漏れないみたいなので、
そこが私のスタジオと化している。
一度集中すると夢中になってそこに籠ってしまうので、その間はよっぽどのことがない限り家族は入ってこない。

それでもやはり、子供の勉強時間や家族が寝静まっている時に歌うのは気が引けて、
ウォークインクローゼットに籠ることは少なくなっていた。

 

そんな、今から1か月前の母の日に、
クローゼットのど真ん中に何か大きなスタンドが所狭しと設置されてあったのが目に留まった。
夫は「あー、母の日のだよ」と一言。
「母の日にお義母さんに何かメッセージ録音でもするのかな?
大がかりなセットだなぁ」と思い、
邪魔にならないようそそくさとクローゼットをでて庭の仕事をした。

夕方になって、夕食の準備を始めようとしたとき、
夫「どう?マイク?歌ってみる?」
私「え!?」
夫「これ、結構いいのよ、歌ってみる?」
私「え!?私に!?母の日の母って、私?!?」
夫「結構、探すの大変だったよ~」
私「ひーまじか!ちゃんと言ってよ、わかんないって(爆笑)」

(そこから私がマイクの研究を始めたため、夕食は1時間ほど後にずれ込んだのは、致し方ないこと…)

 

私のスタジオを占拠していたあれは、
夫が私に買ってくれたマイクスタンドセットだったのだ。
母の日に私が出てる隙に、夫がこっそり設置しておいてくれていたらしい。

 

実は夫はその前日土曜日に、2週間に一度の買い物のついでといって、
Jタウン(家から1時間以上離れた日系ショッピングモール)に寄り
普段絶対食べないような極上のお寿司と、
私の好きなケーキを買ってきてくれていた。
ウニと大トロが、ちょっと考えられないくらい新鮮でとっても美味しかった。
何よりも夫が、
母の日先取りってことで、
美味しいものを食べさせてくれた気遣いが嬉しかった。
そしてさらに続いた日曜日のこれ。

夫は、イベントごとが好き!とか、〇〇の日だから、という義務感でしているのではない。
お寿司やケーキはたぶん、こんなノリ↓

(´-`).。oO(今週末はトロントに買い物に行かねば)
⇒今回は日本の食材も買いたいし、母の日近いから
ついでに、奮発してちょっと良い寿司とケーキも買ってしまうか。

 ⇒帰宅「ただいまー、あ、これ冷蔵庫いれてねー」
私「(はっ!SUSHI!!!)なんかすごいの買ったな!!!」

マイクはきっとこんな感じ↓

(´-`).。oO(妻がマイクセットを欲しそうな様子を見せている・・・)
 ⇒あ、ちょうど母の日あるからその日に乗っかればいっか
 ⇒ごそごそ、設置。マイクテスト完了。はい、 おっけー!

 

わたしには無い夫のそういうところがとても羨ましいし、良いなと思っている。
何にも縛られていなくて、ただ自分がやりたいから、やる。
イベント事に振り回されるんじゃなくて、ちょうどタイミングが合いそうならそれを利用する。
すっごく単純。
マイクスタンドも、もっと大げさに、買ってあげたよ感を出してもいいのに、それがない。
妻が欲しいものを買ってあげたいから、買った。
それだけなので、押しつけがない。そんな軽さが、相手にも楽で、とてもいい。

 

私は、というと、いつも何かのイベントごとに頭を抱える。
誕生日、母の日、父の日、敬老の日、結婚記念日、
バレンタイン、クリスマス、結婚/出産祝い……
何がいいかいろいろ考えて悩んでいるうちに終わってしまうことも多い。
送る側としての自分はあまり良い思い出がなくて、必要以上に考えてしまう。
それで結局何もできなかったときに、
(そもそもそんなイベント自体、なければいいのに…)
なんて恨みがましい気持ちになったりうまくできない自分が嫌になったり。

そんな風に悩んでいる私を、夫は、
「そんなの、やりたかったらやる、
祝いたかったら自分の身の丈にあった形で祝えばいい」
と一蹴する。
夫にとっては意味のわからない悩みらしい 笑。

夫「大事なのは、そのイベントの為に何かをするっていう事じゃなくて
普段からその人を大事にすることでしょ。」

......正論だ!
それができてたらな!!!
しかし、どれだけの人が、できているだろうか?
どれだけの人が、普段から大事だよ、と伝えることができているだろうか?
そして、どれだけの人がそれを感じて受け止めることができているだろうか?


 

ところで、最近はSNSで「今日は~さんの誕生日です」
なんて知らせてくれたりする機能がある。
それを見た人が、気軽にお祝いのメッセージを送れるような仕組みだ。

誰かのお祝い事に、そんな風に気軽に、おめでとう、といえるのって私は良いなと思っている。
夫はそういうのが薄っぺらでいやだというが、
私は、逆にその気軽さがいいな、と思う。
自分にはそういう軽いフットワークがないし、
ちゃんとお祝いのメッセージを考えよう、とか思っている間に
誕生日が過ぎてしまったり。
後になって、
ぁあそんなことを考えている間に一言、おめでとう、という
言葉をおくっていたら良かった……と後悔、なんてしょっちゅうだ。

たまに、何でもない日なのに、
ちょっとした小さなものをプレゼントしてくれる人がいる。
受け取る私は、プレゼントが嬉しいというよりも、
自分のことを思い出してくれたんだ、という事実が嬉しい。
お祝い(物でも言葉でも)をもらう嬉しさっていうのは、それと同じことだと思う。

だから受け取る人は、それがどんな形であれ、
そこにある気持ちを汲み取ってもらいたい。
きっと、私のブログを見てくれている人の中にも、
私みたいに考えすぎで臆病で不器用だったりする人っていると思う。
夫みたいにできてしまう人にはわからないと思うけれど。

イベントごとは苦手。
そういう人が何もしないから、って
この人は(お祝いする気がないのか…?)、なんて思わないでくださいね。
さらっと出来ちゃう人よりも、内心気にしてたりするんだ 笑。
それで、変なタイミングで変なものをくれたり、
いつのお祝いだろう?っていう言葉をくれたりするのだから。

 

私が思うには、そういうのが苦手な人は、
先にあげたように、なーんにも関係のない時に、
相手に負担のないような小さなものをプレゼントをしてみたり
それこそ、物とか形になるものがなくても、
ふっと、誰かを思い出した時に言葉をかける、なんてことでも、
気軽にしてしまえば、自分の気持ちは伝えられるんじゃないかな。

やらなきゃ、っていうのじゃなしに、
自然に沸き上がった時にするのが、一番素直な気持ちが出て良い。
こうしなきゃいけない、とか
他の人がやっていることをなぜ自分はできない?とか
そんなことを考えるだけ、自分にも相手にも、つまらなくなるような気がする。

スキップで鼻歌歌うくらいの気分で、
元気にしてる?とか、ありがとう!とか、素敵な一日を!とか
ふわっと気持ちを伝えられたらいいな、と思う。

 

さて、歌でも歌うかな!

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