アラフォーがリアルで言えないハマリ事を語るブログ

アラフォー主婦がリアルで語れない事を書くブログです。とっちらかってます。

神様なんか信じない僕らのエデン:オメガバ創世記

一ノ瀬ゆま先生の新作、上下巻です。
オメガバースが人類の進化形として始まった最初のカップルの話になっています。

 

ごく普通でちょっと進化や動物の生態などに興味のある高校生・喬くんは同じクラスのリア充・西央くんの良い匂いに気づきます。
体育の時間に隣同士になった二人はお互い何かにあてられ、喬くんは気分が悪くなった西央くんを保健室に連れて行こうとしますが、西央くんの要望でほとんど使われてない体育倉庫へ。そこで二人の濃密な1週間が始まります。

まだアルファもオメガも誰も知らない時代、突然覚醒しちゃった二人。
自分たちに何が起こってるのかさっぱり分からないけれど本能に抗えず、本能の赴くままにガツガツやっちゃいます。
喬くんは地味メンだったのにアルファの風貌を獲得していき、自分で気づかないまま人を従えたり驚異的な身体能力を発揮したりします。
西央くんはオメガの身体に変化、この気分の悪さは初めての「ヒート」でした。
喬くんの説を聞いて自分が何者になってしまったのか怖くなります。

 

もう最初にガツンと持っていかれます。そして二人のごく普通の生活、そして変化、今に至る流れの描写。自分たちの状況がわからないまま運命の渦に巻き込まれていく二人のお話にどんどん引き込まれていきます。話の流れもさることながら、描写や表現方法が一々うまいのです。オメガから発せられる匂い、どうにもならない衝動、抗えないアルファの本能と理性の衝突、などがきっちり描かれていて、それが独りよがりでなくちゃんと理解できるんです。
それからモノローグ・セリフの使い方も上手い。アルファが感じるオメガの心が流れ込んでくる様や二人の混乱がしっかり描かれています。

 

そして人物が綺麗。もちろんヒートなのでエチシーンもしっかり描かれていて、むしろ半分くらいはこれじゃないかと思うくらいやっちゃってますが、うまいんだ、これが。程よくエロいけどエロいだけじゃない。表情が豊かで語ってて良いのです。

この二人が過ごした濃密な人類初の1週間を上下巻で描き切ってます。
ツッコミどころは重箱の角をつつけば出てきますが、そんな野暮なことはしたくないと思うぐらいに見せ方が上手いです。

これ、表紙の時点でダメだな(反語)と思ったんですが、ほんとダメでした。
引き摺り込まれちゃう。この人の絵ほんと好き。

 

欲を言えばこの二人のこれからがみたいな、と。次のヒートをどう乗り切るか、番になる時とか、あの二人の本能の「気づき」を実践してみて欲しいのよ。