2024年10月29日から2025年2月9日まで開催されている松岡美術館「中国陶磁展―うわぐすりの1500年」
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このタイトル、つまり釉薬の勉強ができるってことか!といきり立ち、遅ればせながら鑑賞してきました。
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松岡美術館自体も静謐でエレガントな、とても素敵な美術館です。1月28日は平日でまだ閉展までも余裕があるからか、訪問客は数人というところ。とてもゆっくり鑑賞できました。
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今回は多くの展示品を撮影できましたが、カメラのシャッター音はNGとのこと。音を消すアプリの使用が必要です。
1500年にわたる釉薬の移り変わり 鉛釉陶器から澱青釉まで
今回の展示では、中国の後漢時代から明時代までの陶磁器に使用された釉薬にスポットを当て、約50点が展示されています。
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低火度釉である鉛釉や、鉛釉を代表する唐三彩、高火度釉の灰釉や澱青釉など・・・カテゴリを分けて展示してあるのでとても分かりやすいです。
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特に唐三彩がお好きな方は大歓喜のラインナップ。
釉薬はなにをブレンドしてできているか、どの材料が何色を担うのかなどの解説文が充実しており、三彩を含め陶磁器の色をより深く理解できるようになります。
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こちらは三彩の陶枕。墳墓に副葬される明器としてではなく、実用品としての三彩が生産された時代のものだそう。詞が彫り込まれています。
そして乙女心をくすぐる法花。
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釉薬が流れて色が混ざってしまわないよう、先に白土を線状に絞り出し、その中に釉薬をかけているんだそうです。
「流れるから綺麗」の唐三彩と「流れないから綺麗」の法花。昔の人の試行錯誤やセンスには頭が下がります。
分け入っても分け入っても青い釉・・・みんなだいすき青磁も!
釉薬の色の妙を味わえる陶磁器といえば、忘れてはならない青磁。
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青磁って本当にいろんな色がありますよね。私は「時代ごとの技術革新で綺麗な色に変わっていった」と思っていたのですが、
たしか京都の大山崎山荘美術館にあった説明文では「青磁の色には当時の皇帝の好みも反映されていた」とあったので、そう単純な理由ではないようです。
特に魅了されたのはこちらの「青磁貼花 牡丹唐草文 瓶」!
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私の他にもずっと眺めたまま離れない人がいました。貼花ということはこのお花模様は貼ったのだと思うのですが、あまりにも釉が滑らかなのでわかりません。美しくてなにもわかりません。
こちらはメインビジュアルに採用されている「澱青釉 紅斑 瓶」
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ダイナミックに紫紅釉がかかっている面もあり、控えめな面もあり、一周でいろいろな表情を見せてくれます。
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作品説明文にも大事な鑑賞ポイントが記されていましたのでお見逃しなく・・・!
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こちらは一面に文様が装飾された六角瓶。元時代の特徴だそうです。シンプルな陶磁器が好きな方が通っぽいですが・・・私は文様バリバリな方が好き!6倍単眼鏡が火を噴くぜ!
他の展示室も見逃せない・・・!
余りにも衝撃を受けたために展示室番号を忘れてしまったのですが、能に関する美術品を展示してある部屋にすごい絵がありました。
平維茂が鬼女を退治する能の演目「紅葉狩」の絵です。しかし、この画像ではとてもその迫力を伝えられない・・・!
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すごく美しくて、すごく怖い。絵の放つオーラが烟って3次元に見える。
目は確かに2次元を見ているのに、脳はしきりに「これは3次元です」と判断します。
私が子どもだったら泣いてましたね。私が子どもだったら「出てきちゃうよう!出てきちゃうよう!」って泣いて夢にも見てた。
また老眼の特権か、フォーカスを合わせにくい目で見ると、ときどき能面の奥の目を細めるように見えるんですよ・・・
このように、すべての展示室が見逃せない松岡美術館。「中国陶磁展‐うわぐすりの1500年」は2月9日までの開催です。できれば平日の訪問がおすすめですよ!
アクセス
公式サイト
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