働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

裁量労働制が濫用的にもちいられている(裁量労働制・厚労省検討会)

2021年09月27日 | 裁量労働制
これからの労働時間制度に関する検討会・開催要領
厚生労働省は裁量労働制など労働時間制度に関する検討会(正式名称:これからの労働時間制度に関する検討会)を新たに設置し、2021年7月26日に第1回検討会」が開催された。

その第1回検討会の資料1は「これからの労働時間制度に関する検討会開催要綱」になり、開催要綱によると「これからの労働時間制度に関する検討会」の目的は「裁量労働制その他の労働時間制度について検討を行うこと」とされている。

これからの労働時間制度に関する検討会・開催経過
「これからの労働時間制度に関する検討会」は本日(2021年9月27日)までに計3回開催されている。

第1回検討会は2021年7月26日に開催され、議題は (1) 裁量労働制に関する現状等について、(2) その他。第2回検討会は2021年8月31日に開催され、議題は (1) 裁量労働制に関する現状について、(2) その他。

第3回 検討会は2021年9月7日に非公開で開催され、 企業からのヒアリングが行われた。なお、議事録は現時点(2021年9月27日)では第1回検討会の議事録のみ公開されている。

これからの労働時間制度に関する検討会・第1回議事録
第1回「これからの労働時間制度に関する検討会」議事録によると、第1回検討会に出席した委員は次の6委員(一橋大学大学院経営管理研究科教授の島貫智行委員は欠席。

・東京大学大学院法学政治学研究科教授の荒木尚志委員(座長)
・京都大学大学院人間・環境学研究科教授の小畑史子委員
・筑波大学ビジネスサイエンス系教授の川田琢之委員
・早稲田大学教育・総合科学学術院教授の黒田祥子委員
・北里大学医学部教授の堤明純委員
・法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授の藤村博之委員

議事録によると藤村博之委員は「本来支払うべき労働時間を経営側が減らしたいというときにこの裁量労働が使われているという実態がどうもあるようで、その辺をどういうふうに私たちはこの場で考えるかということが課題」と発言している。

また、荒木尚志委員(座長)は議事の最後に「藤村委員からは、裁量労働制がいわば割増賃金を支払いたくないがために濫用的に使われているのではないかという御指摘がございました。以前のJILPT(労働政策研究・研修機構)の調査では、裁量労働制に満足している人と不満がある人に分かれていて、不満があるという回答の多くは年収が非常に低い。まさに割増賃金を抑えるために濫用的に用いられているのではないかと伺えるようなものがあったように思います。今回は満足度が高いという回答も多いわけですけれども、そうではないところではどこに原因があるのかということについても検討していければと考えております」とも発言し、藤村委員発言を支持。

第1回「これからの労働時間制度に関する検討会」議事録(厚労省サイト)


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