働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

建設アスベスト最高裁判決とフリーランス安全衛生規制

2021年10月26日 | ブログ管理者ノート
厚生労働省「労働政策審議会 安全衛生分科会」
厚生労働省「労働政策審議会 安全衛生分科会」(第141回)、次週月曜(2021年11月1日)開催。議題は「建設アスベスト訴訟に係る最高裁判決等を踏まえた対応について」。

「建設アスベスト訴訟に係る最高裁判決等を踏まえた対応」問題
「建設アスベスト訴訟に係る最高裁判決等を踏まえた対応について」は前回(第140顔)安全衛生分科会でも議題となっているが、前回分科会資料には次のように記載されている。

「建設アスベスト訴訟では、過去に建設業に携わった労働者や一人親方等の石綿へのばく露を防止する措置が十分だったのかという点が争われたが、最高裁判決で規制が不十分だったと判断され国側が敗訴した争点について、現行法令で十分な措置が講じられているか検討し、不十分な場合は、判決を踏まえた見直しが必要となる。」(厚生労働省「労働政策審議会 安全衛生分科会」第140回資料「建設アスベスト訴訟に係る最高裁判決等を踏まえた対応について」より)

厚生労働省「労働政策審議会 安全衛生分科会」(第140回)資料「建設アスベスト訴訟に係る最高裁判決等を踏まえた対応について」(PDFファイル)

「フリーランスの安全衛生規制」について
濱口桂一郎氏は「フリーランスの安全衛生規制」と題するブログ記事を書いている。

「昨今注目を集めているフリーランス問題ですが、白熱する議論から零れ落ちがちな話題として安全衛生問題があります。もちろん、安全衛生と表裏の関係にある労災保険については近年特別加入が陸続と拡大しているのですが、労働安全衛生法の適用自体の議論は、フリーランス問題の枠組みではあまり取り上げられていないようです。

しかし一方、今年5月の建設アスベスト最高裁判決により、一人親方に対する安全衛生対策について国の権限不行使が違法と判断されたことにより、労働安全衛生法の適用範囲を一人親方に、あるいは一人親方に限らず下請事業主に拡大すべきではないかという議論が提起されてきます。

実はさっそく今週月曜日(10月11日)の労政審安全衛生分科会に『建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について』という資料が提示されており、そこでは安全衛生法22条、57条に基づく省令の規定を労働者に限らず一人親方等にも拡大する改正をすべきかという議論が提起されているようです。」(「フリーランスの安全衛生規制」hamachanブログ EU労働法政策雑記帳より)

フリーランスの安全衛生規制(hamachanブログ EU労働法政策雑記帳)

建設アスベスト最高裁判決により「労働安全衛生法の適用範囲を一人親方に、あるいは一人親方に限らず下請事業主に拡大すべきではないかという議論が提起」ということは、一人親方、つまり個人事業主、フリーランスにまで労働安全衛生法の適用範囲を拡大すべきではないかという議論が提起されるということにもなり、この意味でも労働政策審議会分科会での議論は注目すべき。

労働政策審議会 安全衛生分科会(厚生労働省サイト)


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