(“韓国の三羽烏” EunSeong Kimの思い出) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

先日の記事で、好きなピアニスト、EunSeong Kimの演奏動画について触れた(その記事はこちら)。

この機に、彼について少しだけ書いてみたい。

 

 

 

 

 

以前より、ある国や地域の有能な若手ピアニスト3人を選んで“三羽烏”と呼ぶことがある(日本だけの風習かもしれないが)。

私の知る限りでは、

 

“ウィーンの三羽烏”

パウル・バドゥラ=スコダ(1927-2019)、イェルク・デームス(1928-2019)、フリードリヒ・グルダ(1930-2000)

 

“ハンガリーの三羽烏”

デジュー・ラーンキ(1951-)、ゾルタン・コチシュ(1952-2016)、アンドラーシュ・シフ(1953-)

 

がある。

 

 

 

 

 

ところで、最近の韓国からは有能な若手ピアニストが続々輩出しているが、私は以下の3人を勝手に“韓国の三羽烏”と呼んでいる。

 

チョ・ソンジン(1994-)、EunSeong Kim(1997-2018)、ソン・ユル(2000-)

 

一般的にはおそらく後者2人は知名度が低く、ソン・ヨルム(1986-)、キム・ソヌク(1988-)、ソヌ・イェゴン(1989-)、ムン・ジヨン(1995-)、イ・ヒョク(2000-)、イム・ユンチャン(2004-)あたりのうち誰かを代わりに入れるほうがふさわしいのかもしれない。

それでも、私は上記の3人が圧倒的に好きなのである。

3人ともトップクラスに洗練された演奏をするが、個性は三者三様。

抒情的なチョ・ソンジン、情熱的なEunSeong Kim、明朗なソン・ユル、といったところか。

 

 

 

 

 

EunSeong Kimほどの才能をもつ人が、ここ数年どのコンクールにも出てこないのはどういうわけだろうと思っていた。

実は弱冠21歳で亡くなっていたということを知ったのは、イム・ユンチャンがクライバーンコンクールで優勝した際(その記事はこちら)、コメント欄でお教えいただいたためであった。

そのことについて、詳しくは他サイトを参照されたい。 →こちら

かたやクライバーンコンクールで優勝し輝かしい栄光に包まれているのを見ながら、なんとも悲しくなった。

人の一生とは、本当にはかないものである。

 

 

 

 

 

それほど知名度の高くないであろうEunSeong Kimについて、その素晴らしい演奏を少しでも多くの人の思い出に刻むことができたらと思い、微力ながらここでいくつか紹介したい。

 

 

リスト:「ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲」 ※31:20~

 

 

フランク:前奏曲、コラールとフーガ ※1:28~

 

 

ラヴェル:ラ・ヴァルス

 

 

いずれも、これらの曲で考えうる最高の名演だと思う。

 

 


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