マトリックス レザレクションズ 2021年 アメリカ | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

そろそろネタバレ解禁カナ?


監督    ラナ・ウォシャウスキー
脚本    アレクサンダー・ヘモン
製作    グラント・ヒル

キャスト
キアヌ・リーブス        :トーマス・A・アンダーソン / ネオ
キャリー=アン・モス     :ティファニー / トリニティー
ヤーヤ・アブドゥル       :モーフィアス
ジョナサン・グロフ        :スミス
ジェイダ・ピンケット・スミス  :ナイオビ
ランベール・ウィルソン    :メロヴィンジアン
ダニエル・バーンハード   :エージェント・ジョンソン
ジェシカ・ヘンウィック     :バッグス
ニール・パトリック・ハリス  :アナリスト
プリヤンカー・チョープラー  :サティー
マックス・リーメルト        :シェパード

予告編


感想
公開前にTVで前3作の放送があったため、録画して全部観た。
予告編で赤いカプセル飲むところや武術で戦う場面があったから、前作の単純なトレースかと思ったが、それよりはかなりマシだった。
しかしゲームの親会社が「ワーナー・ブラザーズ」って(笑)
元々「マトリックス」は「攻殻機動隊」の影響を受けていると言われているが、電脳ネットワーク空間へ意識をダイブさせるというサイバーパンク小説「ニューロマンサー(1984年)」が発端になっている様だ。
だが敬愛する小松左京の「ゴルディアスの結び目」は1976年の作品。インターネット以前に精神世界にダイブする話があった。日本も負けていない。この中で「トラウマで発電する」のワード。

マトリックスに直結する概念。
ここに入り込むと長くなるので以下省略。

前3作をざくっとおさらいすると
1作目(マトリックス
ネット仮想空間概念の提示。AIが支配する世界「マシン・シティ」は人間の体を電池としたエネルギー搾取を効率的に行うために「マトリックス」を運用している。「ザイオン」のモーフィアスにより覚醒して反旗をひるがえすネオ。
2作目(リローデッド
マトリックスの設計者「アーキテクト」と対峙するネオ。人類抵抗の砦「ザイオン」は何度も滅んでは再生している。折り込み済みの異常(アノマリー)がネオ。
3作目(レボリューションズ
ザイオンとセンティネル(機械)との戦いの中でマシン・シティへ行き止めようとするネオ。センティネル暴走の元凶であるスミスを、対決の上で倒しザイオンは救われる。その代償としてトリニティは命を落としネオも息絶えマシン・シティに運ばれる。

要はネオもトリニティも死んじゃって、どうやって話を復活させるか。そりゃあ本人たちを復活させるしかない。だからレザレクション(復活)
前3作へのリスペクトからか、ネオが記憶を取り戻すまでが丁寧に描かれているが、ちょっと尺を取り過ぎか。
だから、何がどうなってマシン・シティがどう変わったか(変わらなかったのか)がアナリストの口からペラペラと話されるだけで実感がなく、ネタバレサイトでようやく把握した次第。
電力不足もネオが介在した結果なのか本来の欠陥からかも不明だし。
トリニティと程よい距離を保つと効率がいいって・・・説得力ねぇよ。
SFとしてもう少しハード面で納得し易いアイデアが欲しいところ。

それからネオの弾丸止めやらミサイル曲げとかは、見慣れてしまってあまりインパクトがない。アナリストが自由自在に弾丸の動きをコントロールしてネオの上を行ってるし。
壮絶なカーチェイスも、全てマトリックス空間の虚像だと考えると醒めてしまう。もっと尋常ならざる戦い方が観たかった。
まあ、ネオとトリニティの愛の物語としてはキチンと成立していたから、これはこれでいわゆる「ファン」にとってはいい映画だったかも。

だが「マトリックス」空間で何回アナリストを殺しても、実体のマシン・シティの代表(デウス・エクス・マキナ)を倒したことにはならない。
ハードに強い者が脚本を作り、マシンと実世界をもう少し整理してもらいたかった。

オマケ
この作品で一番心配したのはトリニティ役のキャリー=アン・モスの劣化具合だったが、キチンと体形維持が出来ておりキアヌに見劣りしなかったのは良かった。
「トップガン」の相方だったケリー・マクギリスの変化はこんな感じ。


あらすじ
雑居ビルの一室で黒づくめの女性が戦っている。それをモニターで眺める青髪の女性バッグス。トリニティとエージェントの戦いだが何か様子が違う。「罠だ!」


そこへなだれ込むエージェント。その中の一人に助けられるバッグス。彼はモーフィアスといった。

男に赤いカプセルを飲ませると記憶を取り戻した。
エージェントから逃げる二人。

人気ゲーム「マトリックス」を開発した著名なゲーム・デザイナーのトーマス・アンダーソン。不調を訴え、精神科医「アナリスト」のケアを受けながら続編の「バイナリー」の開発を行っていた。

親会社「ワーナー・ブラザーズ」のゴリ押し。

ある日同僚とカフェに行ったトーマスはある女性に目を奪われる。

同僚のおせっかいでその女性ティファニーとの会話ができたトーマス。

彼女には夫と二人の子供がいた。
オフィスに戻ってボスと話すうちに、その顔が時々スミスに見えて混乱するトーマス。
それを何とかするためアナリストから処方されている青いカプセルを飲もうとするが、恐怖のためそれすらできない。

いつものカフェで再びティファニーに会ったトーマス。

彼女はゲーム「マトリックス」の中の女性(トリニティ)に影響されオートバイ「ドゥカティ」を愛車にしていた。


夫が迎えに来て去って行くティファニー。
オフィスに戻ると非常ベルが鳴り、全員避難の指示。トーマスのスマホに「真実を知りたいのならその先のドアに入れ」とのメッセージ。
そこにいたのはモーフィアス。そこへ警官隊が突入して銃撃戦になる。応戦するモーフィアス。そこに現れたネオのボスが銃を突き付ける。

実は彼がエージェント・スミスだった。

死を覚悟した瞬間、トーマスはアナリストの前に座っていた。かつて彼が自殺未遂まで行った話をして落ち着かせるアナリスト。
酒をあおりながらビルの屋上を歩くトーマス。飛んで行く鳩を眺め「心を解き放て」と足を踏み出そうとした時、バッグスに助けられる。
光るドアから白い別の世界に出た二人。

かつてモーフィアスと話した場所。
20年の間ネオを探していたと話すバッグスとモーフィアス。

ようやく見つけた。
モーフィアスは両手にそれぞれ赤と青のカプセルを持ち、真実が知りたいなら赤を、元の生活に戻りたければ青を飲めと言った。
赤いカプセルを飲むトーマス。

発電タワーのポッドの中で目覚めるネオ。脱出を助けるメカたち。その時向かいのポッドに女性が繋がれているのを見るネオ。「トリニティ?」
ホバークラフト「ムネモシュネ号」で目覚めるネオ。艦長のバッグス。
リハビリのため仮想空間でモーフィアスと戦わされるが、相手をしないネオ。執拗な攻撃を受け次第に返して行くネオ。

そして最後には本来の力を回復。


拠点に戻るムネモシュネ号。ザイオンの後継都市「アイオ」を率いるのはナイオビ。彼女が話すこの60年の経緯。

電力不足により機械同士の争いが起きザイオンも崩壊。

それを建て直して機械と共生するアイオを作った。
捕われのトリニティを救いたいと言うネオは監禁された。
だがバッグスたちは命令を破り、ネオを連れて「マトリックス」に向かう。

途中の妨害をかわしながらティファニーのもとへ行ったネオだが、そこにいたのはアナリスト。彼こそがマトリックスを支配する者で、マシン・シティー運用のためにネオとトリニティを復活させた。またネオらを最大限に活用するため最適な距離を保っていた。力の差は歴然であり、ネオが使っていた「バレットタイム」を逆に使われて身動きがとれない。

アイオに戻ったネオ、バッグスたちはナイオビを説得し、トリニティ救出へ傾けさせた。
援助者としてサティーとサポートのクジャクを引き合わせるナイオビ。

技術者だったサティーの父はアナリストに消された。

トリニティの救出アイデアを出すサティー。


それはトリニティのポッドにバッグスらが行き直接プラグを抜く作戦。
但しそれには「マトリックス」世界でトリニティが「戻る」と決心する必要がある。それを実行すべくネオがカフェに向かう。

阻止しようとするアナリストと部隊。
ティファニーがやって来る。彼女を説得するネオだが、そこに夫と子供が来て連れ去ろうとした。敗北を感じるネオ。

だが次の瞬間振りむいた彼女はトリニティになっていた。

夫の手を振り払い、ネオを手をつなぐ。吹き飛ばされる隊員たち。

脱出を助けるスミス。


トリニティのバイクに乗り脱出するネオ。延々と続く攻撃をかわしながら走る二人。それを援護する仲間。


朝日が昇るビルの屋上。迫る敵の前でネオとトリニティは手をつないでダイブする。だがネオには飛行能力がなかった。

その手を引いたのはトリニティ。彼女が救世主だったのだ。
プラグを抜かれて現実世界に戻ったネオとトリニティはようやく直接会うことが出来た。

再びマトリックス世界。アナリストを徹底的に殴り何度も殺すトリニティ。
最後にアナリストは「あとは二人の好きな世界に書き換えろ」
どこかへ飛び去るトリニティとネオ。
エンドロール中「ママとパパへ。全ては愛からはじまる」のテロップ。

エンドロール後の映像。
ゲーム会社の同僚たちが話すゲーム構想。

猫がはやりだから「キャットリックス」作ろうか・・・・