腐った林檎じゃなくて腐った木 | ラスベガス的リタイアの法則

ラスベガス的リタイアの法則

在米30年をハワイと南カリフォルニアで過ごしたのちに、ラスベガスで始めた引退生活。ところが主人が悪性脳腫瘍に。ラスベガス大好き♡なヨメが、愛する主人のために古巣カマリオへ。
主人が天国に行き、ラスベガスに戻って来ました。時に泣きながら、一生懸命生きてます。

【転載、複製、自主発言を禁止します】

Hi everyone!

お元気ですか?

現在の全米感染者数:3161万8308人以上
全米死者数:56万9032人以上

もうアカン…。
今日はシカゴ警官のこのボディカメラの動画を見て、さめざめと泣き崩れた。えーん

「シカゴ警官が13歳少年を射殺」

 

 「アダム・トレド君を射殺したシカゴ警官のボディカメラから。両手を挙げてたやんか!残りの動画は載せへん。胸くそ悪い」


これは先月起こった事件ですが、シカゴは今日になってこの動画を公開。

「この事件のことに詳しくない人のために書くと…。シカゴ警察も州司法局も市長室も、何週間もアダムは射殺された時、銃を手に持ってたって言い続けててん。今日、動画を公開する数時間前になって『実は持ってなかってん』」

何があったかというと…。
シカゴ警察は、「ショットスポッター」という銃の発砲音を検出するテクノロジーを導入しているそうで、それが8発の発砲音を検出した。

それでパトカーが出動したのですが、パトカーを見るやアダム君と21歳のルーベン・ローマンは走って逃げた。

警官は路地に入ったアダム君を追いかけた。追いつかれそうになったので、アダム君は塀の前で止まって両手を挙げて振り返った。

そこを射殺されたらしい。


当初、当局はアダムくんは手に銃を持っていたと発表。ライトフット市長も「大人が子供に銃を持たせた」と言っていたけれど、今日になって、「銃を持っていた大人と一緒におった」に早変わり。
「この子は両手を挙げてたやんか。銃なんか持ってないやんか」

警官が発砲したのは、アダム君が両手を挙げて振り返った瞬間。

最初の理由はなんであれ…。

I don’t care!!!!!
He’s fxxking 13!!!!!!ムカムカムカムカムカムカ

普段はこういう言葉を使わへんけど、これ以外にはこの怒りを表す日本語が思いつかへん。プンプンプンプンプンプン

「路地に逃走した13歳のアダム・トレドは、警官に追いつかれた。

シカゴ警察:両手を見せろ!
アダム君:立ち止まり、両手を挙げて振り返る。
シカゴ警察:15フィート(約5メートル)の距離から胸に発砲」

シカゴ警察は13歳の少年を殺害してん。ほんで銃を持ってたってウソ付いた。同じようなことがどんどん悪なっていくのはなんで?」

上の動画では、警官が駆け寄って「大丈夫か」という声が聞こえるけれど…。

You fxxking shot him!!!ムカムカムカムカムカムカ

大丈夫なわけないやろ!!!プンプンプンプンプンプン

アフリカ系相手なら、警官はなんでこんなに気軽に発砲するねん!!!

こんなコメントをいただきました。

これは国民性の違いではなく、警官のアフリカ系に対する対応の歴史から来るものです。

ニューヨークでは「ストップ&フリスク」、他州では「テリーストップ」と呼びますが、警官は怪しいと思っただけで路上で事情聴取できる。

職務質問言うても、日本の警官のように丁寧にするわけちゃいますねん。

よく映画などに出てくる、身体を壁に向けて叩きつけて両手を後ろ手にして調べるアレ。

ちょっと想像してみてください。
ただ街を歩いているだけで、何もしてないのに、突然警官に「テリーストップ」されたら…。

それも根性悪の警官に目を付けられて、会うたびにされたとしたら…。

これが3回続いたら、何もしてなくてもその警官の姿を見つけたら逃げますよね。それで追いかけられて捕まり、そもそもは何もしてないのに「逮捕に抵抗した」罪で逮捕されて刑務所に入れられたとしたら…。

この子が、警官を見たら逃げるようになっても責められないと思う。システムがそう仕向けたわけです。

警官もアホちゃうからね。金持ちがいっぱい住む裕福な白人コミュニティに行って、こんなことはせえへん。そんなコミュニティでは、怪しそうなヤツでももしかしたらエライさんの息子かもしれへんから。

アメリカではコミュニティが人種によって分かれているから、警察も貧困層のアフリカ系コミュニティに行ってするんですよ。

この「テリーストップ」が合憲だと連邦最高裁が判決を下したのは、実に1968年。50年以上も前のことです。


この恐ろしいところは、実際に容疑がなくても関係ないところ。警官が単に「怪しい」と思った、あるいは「これから犯罪を犯しそうや」と思っただけでできるのです。

だからアフリカ系は、日本人のようにあるいは白人のように警官を信用していないんですね。

なぜかというと、アダム君のように、ダンテ・ライトのように、ジョージ・フロイドのように、ブリアナ・テイラーのように、レイシャード・ブルックスのように、フィランド・カスティールのように、フレディ・グレイのように、エリック・ガーナーのように、タミア・ライスのように、マイケル・ブラウンのように、その他とても書き切れないアフリカ系のように、些細なことで警官に殺されてきたから。

先日書いた何もないのにペッパースプレーをかけられた中尉ですが…。
そもそもは、新車でまだ紙のテンポラリーのナンバープレートを後ろガラスの内側に付けていたのが、警官には夜道で見えにくかったらしい。

アメリカでは車を買うと正式なナンバープレートが届く前に、ディーラーが書いてくれた購入日を記した紙だけで運転して帰れるんです。それでナンバープレートが届いたら自分で付ける。

警官は後ろにナンバープレートがないと思って、盗難車ちゃうかと停車させたらしい。

そやけど煌々としたガソリンスタンドの灯りの下では、パトカーから中尉の車に行く途中でテンポラリーの紙が目に入ったはずやのに、なぜか銃を構えて降りろと怒鳴った。

日本の警官やったら笑顔で近寄って、

「すいませんね。暗くて紙が見えへんかったんですわ。気をつけて帰ってください」

で終わることちゃう?

そもそも日本やったら、何もしてへんのに警官が来ただけで両手を挙げたりせえへんよね。そこにアフリカ系の苦悩が見えます。

私だってアメリカでもそんなことせえへん。

ダンテ・ライトが停車を要求されたのは、車両登録が期限切れやったからですが…。
昨日、ふと思い出した。

ハワイに住んでた時だから、私が30歳そこそこの頃。
小さな会社をやっていて、ワイキキの昔のバンク・オブ・ハワイビル、今はDFSが入っているパイナップルビルにオフィスがあったんです。

出勤途中で、カラカウアアベニューをルーワーズで左折しようとしたら、歩行者がいたから止まった。そこに後ろから若い観光客に追突された。

ルーワーズにたまたまパトカーがいて、一部始終を見てはった。それですぐに処理してくれたんですが、相手の車が立ち去ってから警官が私に、

「車両登録切れてますよ」

見るともう3カ月くらい前に切れてたやんか!

「ホンマや!知らんかったー!」

すると優しく笑って、

「見いへんかったことにするから、早よ済ませや」

そんだけのことやん?

下の動画は、停車されて降りるのを固辞したのが白人だった場合。

「白人が降りるのを固辞したら」

 

 「警察のダブルスタンダードがようわかるビデオ。僕は現役の警官やけど、腐敗に反発したら、今は密告者の扱いで、誰も助けてくれへん。正しいことをしたら、ひとり狼で闘わなアカン。なんで?」


動画は訳しませんが、中尉と同じように停車させられて、警官が助手席に銃があるのを見つけた。
それで警官が銃を手に「車から降りろ!」と怒鳴った。
男性はずっと「僕には憲法上の権利がある」「ボディカメラ付いてる?ボディカメラを付けて」と。

途中で一瞬、男性が銃に手をかけたようで、警官が緊迫した声で「手を離せ」と怒鳴ると、

「ホラ、両手広げてるで。ボディカメラ付いてる?アンタらに権利があるように、僕にも憲法で保障された権利があるねんで」

警官が「銃を隠し持つ許可証持ってるんか」と聞くと、「隠し持ってないがな。見えるとこに置いてるがな」。

アメリカには隠し持つには許可証がいるけど、見えるところに持つのはいいんですよ。トランプサポーターがライフルを肩から抱えてるアレ。

ほんで警官が「とにかくいったん車から降りてくれ」と頼むと、男性が「頼んでるん?やっとマトモに話できるようになった」
ほんで警官に「銃を向けるな」と。

そのうち警官は「お願いやから降りて。プリーズ。プリーズ」って懇願してるねん。びっくり

ひとりの警官が男性の腕を掴むと、

「僕には権利があるねんで。僕の権利を妨害してる」

「銃に手を伸ばしたやろ」

「お前らが違憲に銃を向けてるからやろ」

いったんドアを開けられるけど、男性はまた閉めて、その後なんと!

「僕のナンバープレートかて知ってるやろ。大人しくするから」

と言ってエンジンかけて走り去った!

びっくりびっくりびっくり

白人とアフリカ系に対する警官の対応の違いがわかりますか?

中尉はペッパースプレーをかけられた。
ダンテ・ライトは銃も持ってなかったのに射殺された。

ペッパースプレーだろうがテーザーだろうが、アフリカ系相手やとなんであんなに気軽に使う?白人相手にはせえへんのに。

ずいぶん前に書いたけど、確か9歳のアフリカ系の女の子が、手錠をかけられパトカーの後部座席に座った状態でペッパースプレーかけられた。

アレだって、結構長いボディカメラの動画を見る限り、なんで女の子が逮捕されたんかわかれへんかった。

どうやらロクでもない母親と喧嘩して、雪の降る中を歩いていて職務質問された。女の子はずっと「ダディに会いたい」と言うて泣いてたんですよ。

それが白人男性相手やとアレ。

けどね、アレが正解ちゃう?
そもそも気軽にテーザーやペッパースプレー使うのが間違えてる。アフリカ系相手やとそんな気で普段からおるから、テーザーと銃を間違えて発砲したり、丸腰で両手挙げて振り返った途端に発砲するねん。

コメディアンのトレバー・ノアは、南アフリカ出身。アパルトハイトを生きた人だから、彼のブラックライブズマターに関する見解は誰よりも的を得てる。ちなみに「腐ったみかん」を英語では「腐った林檎」といいます。

「腐った木」

 

 ちょっと長いのですべては訳しませんが、最初にペッパースプレーされた中尉の話から入り、


「軍服を着てたのにゴミのような扱いを受けた。警官は恐怖があったと言ったけれど、あの動画で恐怖に襲われているのは中尉だけ。何回もあのビデオを見てるうちに、ある質問が頭から離れへんかった。どこにエエ林檎がおるん?毎回『あの警官は腐った林檎や』て言われてきた。禁止されてるチョークホールドを使ったり、暴力的な言動したりするのは腐った林檎やから取り除かなアカン、と言うけれど。

アメリカの警察システムが抜本的に壊れてるんとちゃうねんやったら、エエ林檎を見たいわ。エエ警官がおれへんと言うてるんとちゃう。エエ警官もいっぱいおるのは知ってるけど、エエ林檎というのは警官の膝をジョージ・フロイドの首から外す人のこと。あそこにおった警官の誰もが止めへんかった。…

アメリカではどんなコミュニティに行っても、悪いものは悪いと声を上げる人がおる。けど警官にそういう人がおるように見えへん。警官が警官の暴行を止めようと声を上げるのを聞いたことない。悪いことする警官を止める警官を見たことない。…

警察にはエエ人もおるし、社会のためになりたくて警官になったんやろうけど、エエ人でも腐った林檎を止めることは、警察のシステムに反することやと知ってるねん。

システムは個人よりも強い。警察のシステムは、アメリカの理想通りに動いてるねん。それは貧乏人を貧乏人として統制すること。その貧乏人がたまたまアフリカ系やねん。アフリカ系から金を取り上げて刑務所に入れてまた金儲けして。システムやねん。そう作るあげてるねん。そう考えると、腐った林檎やのうて、腐った木やねん。エエ林檎もたまにできるけど、腐った木にはそれなりの果物しか熟れへん」


ディープや。

でもまさにその通りやと思う。
昨日書いたキャリオル・ホーンのように、アフリカ系容疑者に過剰暴力を使った警官を止めたら懲戒免職されるシステム。
汚名を晴らすのに15年もかかった。

「そやのにまだ『トレーニング』が必要やて言う人がおる、トレーニングで人種差別は直れへんで」

「ロリー・ライトフット市長は『平和に』と言うてる。13歳の少年が両手を挙げてたのにシカゴ警官に射殺されたのに。
警官がアカンことして誰かが殺されても、皆んなすぐ『平和な対話』を訴えるけど…。対話せなアカンのは、法を守るはずの警官とやろ」

私はこれからベン&ジェリーズのチェリーガルシアを食べます。プンプン

#InThisTogether
#AloneTogether
#DefundThePolice

ひとりでもひとりぼっちじゃないから。
皆んなでお互いを思いやり、助け合い、励まし合ったら乗り切れるから。

今日も無事に過ごせたことに感謝して、明日も一緒に頑張りましょうね。

ピンクハートユーチューブ「ちょっとお洒落な食卓:リングイネのアルフレッド風」をアップしてます。よかったらクリックしてね。ラブラブ
「リングイネのアルフレッド風」

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では、お元気で。

Have a nice day!

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