TwilightExpress 瑞風 / 87系という形式に思う | 安芸もみじ / Historys, Trains, Townbikes - Hiroshima JAPAN

TwilightExpress 瑞風 / 87系という形式に思う


この初夏から夏は、デビュー5周年や新見行きなど、話題の多かったトワイライトエクスプレス瑞風。

山陰コースや陰陽周遊コースでは運転されていますが、山陽コースの運転は11月までお預けとなっている5ヶ月間の最中です。

今回の写真は5月29日に撮影しました、山陽下りコースの早朝と西広島駅折り返しです。



寒かったゴールデンウィークとは打って変わり、初夏らしい穏やかな気候の中で、5時台にやって来るトワイライトエクスプレス瑞風。

暖かい日の出の頃に現れて、少し凜とした風を伴って走り去るその姿は、爽やかな体感と共に心地好い神々しさを感じます。

客室車6両と食堂車1両、そしてラウンジカー1両に展望スペース付き先頭車2両は、10両という長い編成ながら定員はわずか30名の贅沢な列車。



食堂車には和装やタキシード姿の正装で着席する人が多く、時にはこの列車でプロポーズをされる人もおられるようです。

そんな格式も高いトワイライトエクスプレス瑞風は、乗るのも見るのも憧れの列車ですが、10年そして20年と経過すればやがて訪れる最後の時。

高級なホテルや旅館は時の流れの中で老舗と移り変わりますが、走るホテルは鉄道車両である以上、安全面の観点から老朽化による運命からは逃れられないのは仕方ありません。




今年はトワイライトエクスプレス瑞風誕生5周年で、ちょっとセンチメンタルにそんなことを思ってしまいました。

昇る朝日を浴びて山陽本線を下って行った列車は、山口県内で折り返して再び広島市内へ姿を見せます。

広電高須駅を5時40分に通過すると、今度は山陽本線を上りやって来て9時52分に通過の後、9時57分に西広島駅へ到着します。



さて、トワイライトエクスプレス瑞風はその形式を87系と命名されていますが、その源流は80系のように見えます。

80系気動車にはボンネットスタイルのキハ81と貫通型スタイルのキハ82が型番を使用していますが、この80系気動車を改造した欧風列車が83系気動車を名乗っていました。

フラノエクスプレスやANAビッグスニーカートレイン、そしてトマムサホロエクスプレスなどに使用され北海道各地を疾走しました。




80系気動車は日本全国を走破しているため、特急はつかりや特急つばさをはじめ、特急白鳥や特急まつかぜの他、特急にちりんや昨日開業した西九州新幹線へバトンを渡した特急かもめなど多岐に渡っていました。

85系気動車はJR東海の特急車両で、名鉄の特急北アルプスと併結運転も行った特急ひだ、そして紀伊半島へ向けての特急南紀に使用されていましたが、今年7月にHC85系がデビューして今後の動向注目されています。

これらに続く型番としての87系気動車として誕生したトワイライトエクスプレス瑞風ですが、工業史の延長上には位置しているものの、形式としては80~85系気動車とのシステムの関連性はありません。



伯備線や山口線で中国山地を越えるのですから、そのエンジンの性能から181系気動車から続く183系・185系・187系・189系の延長上の形式にしても良かったのではないか?と少し疑問もあったりします。

また、電車ではなくエンジンが動力源の車両ですから、自動車と同じで例えば日産スカイラインのようにプリンス時代のALSID-1から現在のR-35まで何の血脈もないものの、そのスピリッツは永遠に受け継がれる訳で、新時代の鉄道車両も新しい符号を形式にしても良いように感じます。

全く別のシステムでありながら、2世代前の80番台の形式を名乗らせたのは、1960年代後半から1970年代前半当時の80系気動車のスピリッツを、21世紀の豪華列車に引き継いぐ意思もあったのかも知れません。



その当時の国民の生活水準よりも1ランク上の居住空間を提供していた80系気動車は、初の東北本線の特急列車としてだけでなく、山陽新幹線開業以前の山陽特急そして九州特急としても、憧れとなっていたのは紛れもない事実でした。

そして今、″美しい日本をホテルが走る″のキャッチコピーで、誰からも愛され憧れられるトワイライトエクスプレス瑞風。

87系という形式から、ちょっといろんなことをとりとめも無く想像してしまいました。



さて、お気づきのように、写真は途中から西広島駅での駅撮りに変わっています。

予算が無いと乗れない料金と、お金があっても抽選に通らないと乗れない高級列車は、ホームに止まると親子連れや鉄道ファンの人もそうでない人も、そのオーラに惹きつけられます。

そして多くの人を魅了しつつ、トワイライトエクスプレス瑞風は10時12分に由宇を目指し発車して行きました。



で、このムービーへのリンクですが、5月29日の5時台下り列車と、9時台西広島行きを撮りました。


YouTuberへは当日にアップロードしていたのですが、アメブロにはこの日の写真が記事になる順番で、リンクを貼ろうと決めていたものです。


新しい動画編集アプリでの初編集なので、ちょっと分秒の間隔をミスっていて間延び的なムービーとなってしまいました。


C5983,特急かもめ


セノハチ,D52,特急かもめ


さて昨日の9月23日、賛否両論の中開業した西九州新幹線ですが、高度成長期そしてバブル景気を通り過ぎて人口減少の中、1973(昭和48)年に策定された価値で開業しました。


JR九州は第二種鉄道事業者、一般社団法人佐賀・長崎鉄道管理センターが第三種鉄道事業者となり、同区間におけるJR九州の第一種鉄道事業を廃止となりました。


赤字ローカル線と違い、一定の利用者がいるにもかかわらず、並行在来線だからという理由で上下分離運営化され純粋なJR路線でなくなる長崎本線・江北~諫早間。



利用者置き去りの新幹線建設は、分割民営化した意味を潰してしまう、時代遅れの国策なのではないかと懸念します。


西九州新幹線開業によって85年の歴史に幕を下ろした、特急かもめのSL時代の写真を再掲載して、とりとめの無かった今日の記事を終わります。


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