お久しぶりです。

生きております。


いろいろありましたが、3/5の昨日、3/3に封切られた

ドラえもんの映画最新作 のび太と空の理想郷

を見てまいりました。

9才、小3になっても変わらぬ息子ちゃんのドラえもん愛。今回はなんと2歳7ヶ月の弟ちゃんも割と大人しく映画館デビューいたしました。


やはりドラえもんには夢があります。

子どもたちが飛行機を乗り回し、大空で自由自在、それだけで夢にあふれております。



さて、ここからはネタバレを含みますので読みたくない方は引き返してくださいませ。


今回のドラえもんはただの友情物語ではありません、といっておきましょう。


考えると結構深いテーマだと思います。


理想郷 ユートピア 


とは何か。


トマス・モアの名作、ユートピア について出来杉くんに教えてもらったのび太、


みながパーフェクト、

乱暴者がいない、

意地悪がいない、

みな優等生で幸せに暮らせる


そんな世界に憧れ、

伝説の空に浮かぶ島ユートピアをお馴染みメンバーと探しにいったところ、発見してしまいます。

そこは宇宙エネルギーを利用したハイテク社会。

人々は規則正しく、よく働き、学び、平和に暮らしています。


そこで暮らせば、スポーツも勉強もできるパーフェクト小学生になれる、

と言われ、暮らし始めたのび太。

その世界の不思議な光を浴びていると誰もが従順に、そしてパーフェクトになっていく。。

でも何故かその光はのび太には効かず、、

乱暴者でなくなったジャイアン、

意地悪じゃなくなったスネ夫、、

いじめられないのはうれしいが、

違和感がのび太の中に広がっていく。。


平和な島への侵入者から、実は皆、不思議な光によって 心を失っている と聞かされたのび太は違和感の正体に気づき、島から脱出を試みるが、失敗。捕らえられ、

パーフェクト(=従順)になるよう光を当てられるが、


ドラえもんや友達を思う気持ちが潜在的に勝るのか効かず、ジャイアン達も強い友情で我を取り戻し、

悪者達に最終的には勝利する


と言った感じです。


要は


みんな違うからいいんだ

パーフェクトになる必要はない

そのままで、ありのままで大切な存在なんだ


→多様性を認めよう


みたいな今流行りの内容になっております。


多様性ね、大事ですね。


みんな違ってみんないい


金子みすず、大好きです。


多様性を認めよう、という圧力が強すぎて、違和感を口にする自由すらなくなっている空気に、

逆に思考の多様性を失っているのでは、

と思う今日この頃ではありますが、


違いを認め合うのは大事ですよね。

みながパーフェクトな社会は面白くないし。

主題歌も あなたのままでいいんだよ 的な歌でした。


子どもはこの映画についてはここまでの理解でよいかと。


でもね、大人として思うのです。


世界の進歩は違いがあるからこそ起きた、

でも逆に

違いがあるからこそ争いも起きた。


映画の中では、

昔出来損ないといじめられていた、科学だけはやたらとできる子が博士となり、人を操る光を発明した、という設定で、

確かに博士には人をコントロールしたい、という欲求は見えるし、のび太のような異質なものを最後は排除しようという意識は働くものの、

基本は善意で

みなが規則正しく、よく働き、よく学び、健康もしっかり管理された平和な社会

を最新テクノロジーで作り上げており、

人々もそれが幸せだと感じている(させられている?)わけです。


それを幸せと思えないのび太が博士は許せなくなるのですが、、


でも、博士の思いははあながち間違いではないと思うのです。

だってみんな犯罪に怯えることもなく、

空から爆弾が降ることもなく、、

貧困や格差に苦しむこともない。

毎日規則正しい生活は楽しくはないかもしれないけどね。


映画の中ではのび太が洗脳されていた人々を救ったヒーローのように描かれていますが、

現代社会に放り込まれたこの島の住人たちにとっては、

出来損ないのようなこの少年に


ありのままで、違っていいんだ、心をなくすな


みたいなエゴとも言える動機で平和な島をぶっ壊されるなんて大迷惑だと思いますね。


つまるところ、

人間に違いがある限り、

欲望が生まれ、能力にも差が生まれ、

支配するものされるもの、

争いが生まれる。

ユートピアは実現しない。


逆にユートピアは皆が完全に同じ能力と思考、

もしくは

この映画のように

力のあるものによって

良い状態に管理されている中で実現する、

ということでしょうか。


現実の社会は 謎の光 ではコントロールされませんが、

教育や 世間の目 などによってコントロールされる、

というか、ユートピアに近い社会を実現するために、社会のルールを作っている

ということだと思います。

それが数多の争いを繰り広げてきた人類の現時点で辿り着いている答えだと思います。


だからね、

のび太に言いたい。


努力はしろ、と。


ジャイアンにも言いたい。

乱暴はおよし、と。


そして、我が子にも言いたい。

この世界に、日本よりユートピアに近い世界があるだろうか、と。


爆弾に怯えず、銃に怯えず、

小学生が一人で徒歩で通学でき、

小学生が一人で電車にもバスにも乗れ、

夜に塾にも行ける。


こんな世界は他にはない、と。


今の日本はいろんな意味で危機にありますが、

先祖から受け継いでいるこの社会を

努力をもって理想郷に近づけるしかないのだと。

ありのままじゃいけないんだよ。

頭を使え、汗をかけ。

理想郷が降ってくると思うのは

そこで暮らす心を無くした住人と同じだ。

怠惰なものは羊となるしかない。



という私は何もしていませんが、

心新たに家事育児に励みます。











ちなみにもう一つ、、

実際に映画のように、光じゃなくとも、

薬(ワクチン)やマスコミによる洗脳

でコントロールしようとする人や組織がいても驚きませんね。

きっと研究されていますね。。