MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

コロナでもウポポイ3。札幌2週間ホテル暮らし 59 - ウポポイ⑦(国立アイヌ民族博物館 - 衣服と生活・儀礼の品々)(2021年11月7日/5日め)

2021年11月7日 クマつなぎ杭(くい)です。樺太アイヌは、霊送り儀礼の際に、太い杭にクマをつなぎました。(北海道白老郡)


11月7日(日)


ウポポイのお話のつづきです。
焚き火ダイニングカフェ HARU RAN NA
でお昼ごはんを食べた後は、
午後の部の見学を始めます。


再び、アイヌ民族博物館に戻りました。


午前中は、博物館の2階で、
特別展「ビーズ」を見学しました。
そして午後は、1階で、
メインとなっている展示を見学します。


美しいガラスケースに入れられて、アイヌの衣装が並んでいました。最近の博物館はスタイリッシュですね。^^

アットゥシ(樹皮衣)

チヂリ(刺繍衣)

ルウンペ(木綿衣)。テープ状に切り分けた布を伸ばしたり、折り曲げたりしつつ、着物に縫い付けた上から、さらに刺繍(ししゅう)を刺して作り上げていく手法で文様が描かれています。頭部にあるのは、サパンペという冠で、アイヌの成人男性が儀礼の際に着用しました。

新ひだか町静内のアイヌ部族の首長・シャクシャインのイメージ図です。頭にサパンぺを着けています。(画像をお借りしました)

カパラミブ(木綿衣)。土台の布に切り抜いた布を縫い付け、上から刺繍を施した技法です。これは女性の衣装ですが、アクセサリーの使い方が独特ですね。複雑な幾何学模様を簡単に描くことができた人たち。興味はつきません。

「ゴールデンカムイ」でキロランケが着ていた着物は、まさにこの技法で作られています。(画像をお借りしました)


開拓時代の北海道やアイヌについて
知れば知るほど、
この漫画の作者である
野田サトルさんが描く世界の深さと精緻さに、
頭が下がるばかりです。


アイヌのかばんやバッグです。

そして木彫りが美しい品々。

個々の品に刻まれた模様の美しさに驚かされます。


そして展示は、
儀礼で使われる道具に移ります。


アイヌ(人間)が喜ぶものはカムイも喜ぶと考えられてきました。アイヌは、酒を漆器の椀に注いで、イクパスイやイクニシという道具でカムイに祈りを捧げます。漆器は、和人との交易などで苦労して入手したもので、カムイとの儀礼でも大事に扱われました。

イクパスイとトゥキ
カムイや先祖にお酒を捧げるためのへらと、そのお酒を入れる漆塗りの椀です。これらの道具は、人間の食事用のものとは区別して用いられました。展示は、椀を台に乗せ、その上に酒を捧げるためのへらを置き、カムイに祈る準備をした状態です。

アイヌ刀(アイヌとう)です。北海道のアイヌに伝承された儀礼用の刀剣で、蝦夷刀とも称されます。

イナウです。一本の木から、削りかけの技法を用いて作られます。


【イナウ】
イナウは、アイヌの祭具のひとつで、カムイや先祖と人間の間を取り持つもの(贈り物・メッセンジャー・神霊の依り代)とされています。日本語では、しばしば木幣(もくへい)と訳されるように、神道で用いられる御幣と同様な役割をすると考えられています。
アイヌの人びとにとって、イナウは、宗教儀礼の執行に欠くことのできない祭具で、儀礼を執行する前に、一本ずつ心をこめて作ります。その形は、祈りの対象とする神がみによって異なります。


これもイナウです。

イナウは、この旅の初日に訪れた北海道博物館でもたくさん展示されていました。そのときの日記はこちらです。
コロナでもウポポイ3。札幌2週間ホテル暮らし 10 - 北海道博物館⑤ 「群馬のケズリバナとアイヌのイナウ」(2021年11月3日/1日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。


さらに奥へ進むと、天井に向かって、ポールのようなものが立っていました。クマつなぎ杭(くい)です。樺太アイヌが、霊送り儀礼で使用しました。この太い杭に、クマをつなぎました。先の部分はイナウの形に作ってあり、祭場でクマを守るカムイとして、杭にも祈りを捧げました。この杭は、枝分かれしたトドマツやエゾマツを素材とし、枝の先端にコケモモで着色したイナウを結びます。高い方のイナウが男性、もう一方が女性だといいます。この杭の形は、アムール川流域の民族とも類似しています。

小熊を捕らえると、アイヌの人々は、集落の中で大切に育てました。


(つづく)

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