台風が来ると釣れる、という話は有名です。
危険だとわかっていても台風の最中釣りへいき、事故になったかどうかに関わらずニュースなどで取り上げられています。
そこまでしていく価値はあるのか。
台風の時は釣れるのか。
という内容も少し触れますが、当然危険なので台風の最中、釣りに行くことはお勧めしません。
今回は台風が来る前、過ぎ去った後
これはなぜ釣れると言われるのか。
台風前後の釣れるタイミング、理由について解説いたします。
この記事の内容はYouTubeでもご覧いただけます。
台風前後はなぜ釣れると言われるのか
台風は多くの危険が伴い、予測できない事態も発生します。
台風が遠くにある状態
晴れていて風がない状態でも大きな波が来ることがあります。
バカ波と言われたりします。
台風が接近している場合はいつも以上に注意し、無理のない釣り
冷静な判断で釣りに行くよう心がける必要があります。
台風は釣れる要素を持ち合わせていますが、釣れなくなる要素もかなり多くなります。
台風の最中で釣れるところというのはかなり限られており、堤防など外海の影響を受けにくく、魚が避難してくるであろうところになります。
避難してきたからといって釣れるとは限りません。
魚が避難してくる場所、すなわち人間も安全というわけではありません。
多くの場合は海がかき混ぜられ、ゴミが浮遊し、魚はその影響がない深場やスリットといった身を隠せるところにいます。
よって防波堤のように避難できるところ以外は魚が出てこれないということになります。
台風時に人が家に籠るのと同じ理屈です。
台風の時に当然ですが船は出ません。
陸から狙う場合、釣れるとされるのは陸地側に避難してくるから、という点と
波と風によって岸側にベイトが押し寄せられ、それを追う、または一緒に避難してきた大型の魚が狙いやすい
潮位が上がりやすく物理的に魚が入ってきやすい
といった点が挙げられます。
海の中はそうですが我々がいる陸では風が吹き荒れたり、波が当たったりするため間違いなく快適な釣りではないと言えます。
台風の勢いがマックスになる接近中、直撃中に釣りをすることはデメリット、リスクが大きすぎるためメリットはほとんどないと断言できます。
では台風が来る前、過ぎた後はどうか。
来る前とは、過ぎた後とはどのくらいの期間かというのは明確に規定できませんが
爆風ではなく釣りという動作が問題なくできる程度とこの動画では定めさせていただきます。
風が強過ぎてロッドが振れないといった場合は台風の最中ということになります。
台風が来る前
台風は低気圧がスーパーサイヤ人になった状態です。
通常の気圧に比べるとかなり低くなり、そのため風や波を発生させます。
魚やプランクトンにおいては高気圧によって大気圧が高まると活動が弱まると言われています。
諸説ありますが大気圧が高まる、ということは水面側にその影響が出ます。
高気圧では水面が押し込まれ、低気圧では水面が上がる現象が起こります。
水面が押しつけられることでプランクトンなど微細なものが影響を受け、
それに連鎖して小魚が、という流れが発生します。
この現象は特に水深の浅いエリアで起こりやすく、淡水エリア、海の岸側ではかなり敏感となります。
気圧は魚の浮袋にも関係していることが研究でわかっています。
一部浮袋を持たない魚もいますが多くの魚には浮袋があります。
低気圧においては空気の圧力が少なくなるため、自然と魚の浮袋の中にある気体が膨張しやすくなり、魚が浮きやすくなるとされています。
ポテチを山の上に持っていくと膨らんでいる現象と同じです。
主にこういった要素が台風接近に伴って荒れる前は魚の活性を上げると言われる一つです。
ただし人間も同じですが急激な気圧の変化では活性が著しく低下します。
敏感な方は頭痛が起こることもあるでしょう。
魚は人間よりこういった変化に敏感です。
なので台風が直撃する時は気圧が一気に下がるので釣れなくなるタイミングでもあります。
他には台風が運んでくる温暖な風や海流が魚の活性を上げることもあります。
台風直撃中は濁りなどがひどいですが台風が近づいている場合は遠くでかき混ぜられ、水温や酸素量がいい感じになった海水が接岸してくる場合があります。
またこの時に流されて、避難してくる小魚もいれば台風の影響がもろに出る前
暖かく湿った風が軽く吹き、軽く波がくる程度の状態なら通常よりチャンスとなるかもしれません。
外洋を回遊する魚
マグロやシイラ、カツオは台風の接近で一気に接岸することがあります。
台風の位置、地域によってこれがバシッとハマるとチャンスは大きくなるでしょう。
台風後
台風が通過した直後は濁りやゴミ、波の影響が強く残ります。
この時点ではあまり期待できるものではなく、危険も伴います。
徐々にこういった影響が消えていくと避難してた魚
隠れていた魚が活発に動き出します。
しかも餌になるプランクトンや小魚は台風によって岸に押しつけられたり、堤防といったところに溜まります。
それを狙って大型の魚が入ってくるためショアで狙いやすくなる場合が多くあります。
適度な濁りも残るため、濁りを好む魚
例えばクロダイやシーバスは絶好のチャンスとなります。
同じ種類ではありますがヒラスズキは濁りを嫌うので台風後を狙う場合は濁りのないエリアを探すとそこに溜まっていることがあります。
青物は濁りを好む魚ではありませんが沖の水深のあるところに避難していたため、空腹で高活性状態で接岸してくるとも言われています。
イカ、タコは塩分濃度が低下すると影響の少ないエリアに避難すると言われているのでしばらくの間はショアからは厳しいかもしれません。
ヒラメ、マゴチといったフラットフィッシュにおいてはサーフでは台風の影響で海底からかき混ぜられてしまうため、海が少し落ち着いてからでないと難しくなります。
台風から通常になるまで
台風の規模にもよりますが台風が過ぎてから3日程度である程度濁りやゴミなどが消えることが多いでしょう。
完全に元の状態に戻るまでは一週間はかかるとされています。
台風の威力だけではなく、台風が来た時の潮回りによっても影響が大きく変わります。
大潮の場合であれば底荒れなどの影響が強いことが予想されます。
台風が過ぎた後に中潮、大潮とくる場合は海の復旧が早くなるケースが多いです。
海の状況は時間がかかることが多いですが魚に関してはそれよりも早く通常モードに戻っていきます。
よって台風の影響、ゴミや濁りがあるが魚は通常モードというタイミングもあります。
台風が過ぎた後は高気圧の影響によって魚の活性が落ちる場合もあります。
台風後に釣れるタイミングは割と短いことが多いです。
今回は台風が釣りにもたらす影響をご紹介しました。
台風直撃中はメリットがないことはないですがリスク、デメリットの方が多過ぎてお勧めできません。
とにかく危険なのでやめましょう。
台風の来る前、過ぎた後は一定のタイミングで釣りやすくなります。
そのタイミングはいつ、場所は
というのは潮回りや台風の威力、向きによってかなり左右されるため予測が難しいところです。
また風や波も普段よりはあるので注意が必要です。