あなたへ
あぁ!もう!
何だかよく分からないけれど、
この、ごちゃっとした全部を消し去りたい!
こんな気持ちを抱えていたのは、先日の私でした。
しっかりと前向いて歩んでいても、時々には、
考えごとをしながら俯いてしまう日もあって、
時々には、しっかりと前を見つめることが出来ない日もあって。
前を向くためには不必要である全てを頭の中から消し去るために、
先日の私は、無性に歩きたくなりました。
こちらでは、思えば随分と、日が長くなりました。
夕方の時間帯でありながらも、
歩くには十分な明るさであることに安心して、出掛けることに決めたのでした。
今日の私は何?
どうしてこんなにモヤモヤしているの?
自分へとこんな問い掛けをしながら、得体の知れないものを振り払うかのように、
ただひたすらに歩いたあの日の私は、とても早足でした。
足の向くままに、ただ歩いて歩いて、ひたすらに歩き続けて。
そうして私は、あの時の私にとっての不要だったものを、
上手に振り払うことが出来たのかも知れません。
頭の中に渦巻くものを綺麗に取り除けば、やがて、
とてもシンプルな自分の気持ちを見つけることが出来たのでした。
あぁ、そっか
そういうことなんだねって、
ひとつ腑に落ちるものを漸く見つけることが出来た私が、
何気なく見上げた空に見えたのは、ピンク色に染まったハート型の雲の形でした。
偶然見上げた空に特別な形を見つけた時には、
きっとあなたからのメッセージであるのだと、
あの夏からの私は、そんなふうに解釈しながらも、
あの時の私が、いやいや、これはこじつけ過ぎだよねって、
そんなふうにやり過ごしてしまったのは、
私が見つけたハート型が、横向きになったのものだったからでした。
それなのに、そこから僅か数百メートル進んだ先で、
何気なく見上げた空に見えたのは、
薄く広がる雲が、正しい向きのハート型に切り抜かれた空だったのです。
え?凄い!って、思わず立ち止まりながら、
一瞬とても驚いたけれど、なんだか笑ってしまいました。
だって、そこに見えたのが、
これでもかってくらいの大きなハート型だったんだもの。
もしかしたら、つい先程見つけたピンク色のハート型の雲も、
あなたが見せてくれたものだったのかも知れません。
それなのに、私がやり過ごしたから、
こんなに分かりやすく大きなハート形の空を見せてくれたのかも知れないなって、
そんなふうに思えたのです。
ピンク色の雲を見つけながらも通り過ぎる私を見て、
え?今、見たよね?
は?なんで通り過ぎるわけ?
なんて、あの日のあなたは、
こんなことを呟いていたのかも知れませんね。
もしもそうであるのなら、
あの、大きなハート型の空を見上げた私の姿を確認したあなたは、
きっと何処かで、満面の笑みを浮かべていたに違いありません。
時々には、
前向きではない気持ちを抱えたままで歩む日もあるけれど、
そんな日にあなたが添えてくれるのは、特別な空の形で。
どんな時でも素敵な景色に彩られたこの人生だから、
私は尚更に、この人生を大切に歩んでみたいと思うことが出来るのでしょう。
きっと素敵な空を見せてくれたあなた。
ありがとう。
あれからの私は、
またしっかりと前を向いて、元気に歩むことが出来ています。
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