拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

お味噌汁の味噌の量

あなたへ

 

お味噌汁の味噌の量は、そのうち、

味見なんてしなくたって、分かるようになるものよ

 

これは、かつて一緒に働いていた先輩の言葉でした。

 

料理が苦手な私に、様々な料理を教えてくれていた先輩は、

具材によって、

ちょっとだけ濃い味のお味噌汁を作る時も、そうでない時も、

味見などしなくても、味噌の量を調節することが出来るのだと、

こんな話を聞かせてくれました。

 

あなたも、いつかは出来るようになるから

 

先輩は、こんなふうに言ってくれていましたが、

なにぶん、料理が苦手な私です。

きっと私には、到底、習得できることのない技であるのだろうと、

あの頃の私は、ただただ先輩の持つ技に驚きながら、話に耳を傾けたのでした。

 

私がお味噌汁を作りに力を入れるようになったのは、

こちら側の異変があってからのことでした。

 

あの子も私も、元気に毎日を過ごすことが出来ますようにと祈るような気持ちで、

お味噌汁作りに力を注いでいた私ですが、

そんな日々も2年を過ぎ、ふと、気が付いてみれば、

いつかの先輩が話してくれたあの技を、私も習得することが出来ていたのです。

 

とは言え、先輩のように、

味見をせずに食卓へと並べる勇気は、まだ持てない私は、

毎回、味を確認していますが、

いつの頃からか、「丁度いい!」と、ひとりで頷くのが、

お味噌汁作りの締めとなりました。

 

あなたを見送り、少しずつ、料理を頑張るようになった私は、

気が付けば、いつかの私が、

絶対に習得出来ないと思っていた技までもを習得することができました。

 

ちょっと濃い!

ちょっと薄い!とお味噌汁作りに苦戦していたあの頃の私は、

こんなに成長することが出来ましたよ。

 

ねぇあなた。凄いでしょう?

 

 

 

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