飛びたさの思ひくれなゐ花楓・・・西嶋あさ子
今月(5月)号の「俳句」45頁に載った西嶋先生の俳句です。俳句を詠む方はきっとご覧になっていると思います。
このブログで何度も書いているとおり、西嶋先生は、私が足立区立第四中学校の3年生だった時に国語を担当してくださった先生です。多分2学期に結婚されて(旧姓は長井先生)、ある授業開始前、学級委員だった西野か大野か或いは出しゃばり初鹿野かが「おはようございますではなくて、おめでとうございます、って言おうぜ」と皆に告げ、授業に入ってきた先生に大声で「起立、礼、おめでとうございま~す」と叫んだ時、先生が真っ赤になったのを思い出します。勿論、その頃は俳句の世界に入ってはおられなかったようですね。今から47年前のことです・・・・・・。
さてこの句、楓の花というのを始めて知りました。晩春の季語です。
我が家の庭にも楓があったのですが・・・抜いてしまいました・・・理由は・・・不明。おもいくれない(想紅)は椿の色を指すことが多いようですが、この楓の花も正に「想い紅」・・・濃い紅色なんですね。和歌や俳諧のように「飛んでいきたい想い」と色の「想紅」を掛けた言葉でしょうか?句全体としては、いかにも西嶋先生の句らしく柔らかな風が吹いてくるような印象の句ですが、きっと秘めたる思いは意外と濃く強い赤を呈しているのでしょう・・・(陳腐ですが)・・・。