「胸いっぱいの愛」

青くたれこめる夕暮れの 輝く闇の中 ガソリンとオイルの臭い 火を就ければOK
俺たち二人の愛は とびっきりワイルドで
俺らのエンジンにお前の 腕をまきつけ走り出す

はりさけんばかりの 声にもなりゃしない 胸いっぱいの愛で お前と

ありったけの力をこめて 夢のまに間にキックする 身体は熱く燃え出して 気がふれる寸前
この愛はワイルドで 動き出したら止まらない
エンジンは火のように赤く 息も絶えだえうなりだす

はりさけんばかりの 声にもなりゃしない 胸いっぱいの愛で お前と

果てない闇の先で 今夜お前と死にたい
胸いっぱいの愛で お前と

(作詞作曲:甲斐よしひろ)

好きだったなあ、この曲。
確かにアルバム『黄金/GOLD』に収録されるべくして収録されていたけど、この曲の持つグルーブ感みたいなものは他の収録曲のようにとがってはいなかった。
独特でありながらどこかで丸みとワイルドさが共存している曲でドライブ感まであった。
そんな感じかなあ、1983年当時は。
2008年にリメイクされたけど、この曲の持ついい要素がそこで壊され、なんでリメイクなんかしたんだろ、という感じになってしまった。
今でも思うけど、甲斐バンドは2001年までのバンドで、そこまでならこういう曲も珍しい立ち位置を保ついい曲だったと思う。
アーティストにも曲にも旬があるんだろうけど、今はもうその旬を外してるんだろうな。
でも旬の時は本当にいい曲で、それでもライブ映えはしなかった。
甲斐バンド周期の曲にはそういう曲が多いけど、スタジオ録音はいい要素とテクニックを手にしてたけど、ライブでのそういうものは取り入れられず、これが打ち込み系の限界だったかもしれない。
新進気鋭であり過ぎたかもしれないな、甲斐バンドは。