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『独去独来』『全ての人は秋の木枯らしの吹く寂しい荒野を一人で旅する旅人である』(お釈迦様)

仏教を判り易く知る資料(28)

2023年01月31日 | 仏教・親鸞聖人

 心多歓喜(しんたかんぎ)の益

まず笑顔せよ みな笑顔する

(7)心多歓喜(しんたかんぎ)の益

大悲の願船に乗ずれば、嬉しいおもいが多くなることをいいます。
親鸞聖人の主著『教行信証』も、「慶ばしきかな」で始まり「慶ばしきかな」で終わっていることからも、知られるでしょう。

以下は、その文証です。

慶ばしきかなや、西蕃・月氏の聖典、東夏・日域の師釈に遇いがたくしていま遇うことを得たり
(『教行信証』総序)

慶ばしきかな。心を弘誓の仏地に樹て、念を難思の法海に流す。
―乃至―慶喜いよいよ至り、至孝いよいよ重し
(『教行信証』後序)

心ゆたかな喜びの生活には、難度の海にも七色の虹が立つ。嬉しい心は自然の笑顔となる。
笑顔は周囲を明るくし良い印象をあたえて、その人の魅力を2倍にも3倍にも割り増しするものです。
そして山彦のように、笑顔が返ってくる。

「呼べば呼ぶ 呼ばねば呼ばぬ 山彦ぞ
    まず笑顔せよ みな笑顔する」

人類初の宇宙飛行士を決める最終選考で、体重が重く不利であったガガーリンが選ばれたのは、その笑顔であったといいます。
選考責任者から「素晴らしい君の笑顔は、いつも心が安定している証拠だ」と評され、「地球は青かった」の彼の名言を生んだのです。

また嬉しい心は笑顔となり、「おはようございます」「こんにちは」「昨日は、ありがとう」など、明るい挨拶ともなりましょう。
当然、人間関係もスムーズになります。成功者はみな挨拶上手。素直な挨拶ができないで、幸せに生きることはできません。
人間関係はまず、一にも二にも挨拶からです。

デパートの食堂で働いていたウエートレスのA子さんが一躍、某富豪へお嫁にもらわれていった実話がある。
A子さんを見初めた、富豪の老母が語る。「あそこの食堂で私がちょっとした食事を注文したのに、運んできたウエートレスが〝どうも、お待ちどおさま〟といって、お膳を私の前に据え、さらに〝どうぞ!〟と軽くほほ笑んでみせました。
その笑顔も、いやしい媚びではなく女らしい愛嬌でした。大抵なら〝お待ちどおさま〟と、ただそこに置いていくだけなのに、その人は"どうぞ!"と言って、静かに前へすえ直してくれました。私は"どうぞ!"の一言と、その笑顔に、ほれこんでしまったのです」

飾らない笑顔と、さわやかな挨拶ほど、世の中を楽しくするものはありません。
笑顔と挨拶のないほど、不幸で損なことはないといってよいでしょう。ちょっと目もとの筋肉を動かし、わずか一言二言を話すだけで相手に幸福を与えることができるのです、そのもとは喜びの心でしょう。

シドニー・スミスは、おもしろいことを言っています「少なくとも一日に一人を喜ばせよ。10年たてば3650人を喜ばせることになる。一町村あげて喜ばせる、寄付金を出したのと同じになる」

医療関係者に「プラシーボ効果」という言葉があります「プラシーボ効果」とは偽薬効果ともいい、全く病と関係のない成分の偽薬で病気が快方することです。
特に、「痛み」などの自覚症状が改善されることがあるといいます。

昔から「病は、気から」と言われるように、思い込みの力でしょう。
全く効果のない薬でも、これは良く効く薬だ、最近開発された新薬だと言われると、誰しも効くような気がします。
気持ちの持ち方が肉体の病に影響することが、今日、医学でも徐々に実験され解明されているようです。

一例を挙げれば、人体では毎日約5000個のガン細胞が発生しています。それを日々やっつけてくれているのが、ナチュラル・キラー(NK)細胞といい、体内に約50億もあるといわれます。これがあるから私たちは平気でいられるのだというのです。
"笑う"と、このNK細胞が活性化して、がんや感染症に罹りにくくなると言います。

その説明は、こうです。
笑うと免疫のコントロール機能をつかさどる間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質の神経ペプチドが、活発に作られる。
"笑い"が発端となって作られた神経ペプチドは、血液やリンパ液を通じて体内に流れ出し、NK細胞を活性化する。
その結果、がん細胞やウイルスなどの病気の免疫力が、高まるというのです。

逆に悲しみやストレスなどは、NK細胞の働きを鈍くして免疫力をダウンさせます。
ただ免疫力は強ければよいものではありませんが、"笑い"には免疫システム全体のバランスを整える効果もあるといいます。
大いに喜び笑えば、がんやウイルスへの抵抗力も高まり、健康に良いことが明らかになっているそうです。  (続く)


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