10年に一度の大寒波の夜。

 

京都市内の北に位置する我が家は

ひとたび雪が降れば

雪深くなる地域にあります。

 

それでも−6℃なんて

あんまり記憶にないな。(  ̄ - ̄)

 

そう思いながら、

時折、小窓から顔を覗かせてみる。

 

 

宵の口には屋根の姿を模っていた雪も

夜半にはたんまりと膨れ上がって。

 

 

しんしんと雪の降りつづく

そんな静かな夜、

僕はある物語を読み耽っていました。

 

青山繁晴さん著・『夜想交叉路』

 

時は平成の終わりだけが告げられ、

次の時代が令和となることは

まだ知らなかった2017年の12月。

 

ここ京都を舞台に

母・春子(本当は祖母)と

息子・静志の二人の会話によって

物語は進んでいきます。

 

 

ところで父と二人三脚で

これまで母の在宅介護をしてきて

誤算だったのが父も“老いる”ということ。

誤算というか自分が浅はかだったのですが。

 

父と子の関係で言うと

父は変わらず父であろうとする反面、

スマートに出来ないことが増えてきて、

代わりにそれを平然と

やってのけてしまう息子への葛藤が

苛立ちという形で噴出する、

そんな機会がここ最近、増えていました。

 

老いゆく父の人格を

変えることは誰にもできないけれど、

父の幸福感が少しでも増すように

僕には何ができるだろう…。

 

この本を手に取ったのは

ちょうどそんなことを考えている時でした。

 

物語の中では母・春子の

回顧シーンが挟まれるのですが、

大正〜昭和初期の日本、そして京都。

 

知らないはずの空氣や匂いに

懐かしさを覚えるのは、

その精神が自分の中にも

流れているからでしょうか。

 

 

今朝は少し早起きして

母が車椅子でデイサービスに行けるように

玄関先から道路まで雪掻きをしました。

 

愚痴を言わず、物事を荒立てず、

日々、淡々と、為すべきを為す。

 

そんな静けさの中に

僕は日本人の美を感じます。

 

 

本当の愛を知ってゆく、

その始まりはいつも自分から。

 

フカフカのパウダースノウを掻きながら

愛おしく我が家を見つめてみる。

 

注連飾りの橙も

そろそろ取らなきゃな。

 

椎名林檎 / 茎(STEM)

 

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