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今日の筆洗

2022年11月02日 | Weblog
「踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことを考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ」−▼村上春樹さんの『ダンス・ダンス・ダンス』にそんな場面があった。ただ、踊れという「羊男」には申し訳ないが、わが国に伝わる「ダンス」にはきちんとした意味も理由もあるらしい▼民俗学者の折口信夫によるとお盆に死者の魂が戻ってくるが、それに混じって悪霊もやって来ると信じられていた。その悪霊を追い払うのが盆踊りだそうだ▼いにしえより、災厄を払い、暮らしの安寧や豊作を祈り続けた踊りに脚光が当たる。盆踊りや念仏踊りなど全国各地に伝わる、民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しとなった。朗報に、にぎやかな笛と太鼓の音が聞こえる▼登録申請は秋田県羽後町の「西馬音内(にしもない)の盆踊」や香川県綾川町に伝わる雨乞いの「滝宮の念仏踊」など二十四都府県の四十一件で構成され、幅広い。どこの出身の方もよく知る踊りを見つけることができるだろう。過疎に悩み、踊りの伝承に苦労するお国では大きな励みにもなる▼<郡上のナー 八幡出て行くときは 雨も降らぬに袖しぼる>。わが身のなじみは「郡上踊」(岐阜県郡上市)。盆踊り歌の「郡上節」は別れの歌だが、袖しぼるのは登録の喜びの涙とはチト大げさか。
 

 


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